
いびきというのは自分ではなかなか分からないものであるため、自分がいびきをかいているかどうかというのは気になるものですが、それが女性ならば男性以上に悩みも深刻です。
家族から「いびきがうるさい!」という指摘をされたことがある人は、家族以外との旅行などは本当に気を使いますし、いびきをかくことが原因で他人と旅行に行くのが不安な方もいることでしょう。
いびきは歳とともにかきやすくなるとも言われていますが、何が原因で人はいびきをかくのでしょうか?
また、いびきを治す対処法はあるのでしょうか?
この記事の目次
いびきのメカニズム
いびきの凄い音はどうしてまた、どこから出るのでしょうか?
いびきは、鼻やのどの粘膜が振動することで起こります。
鼻やのどがどうして鳴るのか不思議でしょうが、いびきをかく人は男女問わず、呼吸による空気の通り道である気道が色々な原因によって狭くなったり、塞がれることで空気の流れが悪くなり、酸素や二酸化炭素などの空気が通るときに気道との摩擦が生じて上気道や周辺の粘膜や分泌物が呼吸するたびに振動し、その振動音がいびきとなります。
起きているときも眠っている時と同じように呼吸をしているのですが、眠っている時は気道が狭くなるので眠っている時にだけ、いびきをかくのです。
小顔の女性はいびきをかきやすい理由
いびきをかく人には身体的な特徴があります。
いびきは呼吸の時の空気の道である気道が細いことが原因している場合が多いので、下あごが小さい人や首が短くて太めの人、口蓋垂が長い人、鼻が曲がっている人、舌が長い人などは口腔や鼻腔、のどなど空気の流れが悪くなりそうな要素がある人は気をつけておくようにしましょう。
特に現代人は頭や顔が小さく、あごも発達していない人が多いので、いびきをかく人が増えてきています。
若い女性などは「小顔」であることが美人の条件でもあり、女性情報誌などでも盛んに小顔になる方法を特集していますが、小顔でありあごのラインが細く小さいということは嬉しい反面、いびきをかきやすい身体的特徴にもなるということを覚えておきましょう。
いびきをかく6つの原因とは?
いびきには代表的な原因が6つあります。
その原因についてみていきましょう。
1,太っている
いびきをかく原因は空気が通る気道が細いことですので、気道が細くなる原因が必ずあります。
元々身体的にいびきをかきやすい人もいますが、後天的な原因として一番多いのが、太っていることです。
太ってと脂肪が首周りや舌に付きます。
舌などは仰向けで眠っていると重力で喉の奥の方まで沈んでいくのでかなり気道が細くなる要因となります。
2,鼻が詰まっている
日頃から鼻がすっきりせずにいつも詰まっているという人はどうしても空気の通りが悪くなるのでいびきをかきやすくなります。
また、鼻が詰まっている人には寝ている時の呼吸が鼻呼吸ではなく口呼吸になっている人も多いものです。
口呼吸は鼻呼吸に比べて眠っているときは気道が狭くなりやすく空気の摩擦や抵抗があるためいびきが大きくなりやすいのです。
3,扁桃腺が肥大している
扁桃腺というのはのどの両方の奥に存在しているリンパ組織です。
幼少期に大きくなりますが通常思春期のころには段々小さくなっていきます。
扁桃腺がどのくらい大きいかというのは個人差がありますが、大人になっても扁桃腺が大きいままの人やウィルスや細菌の影響で大人でも扁桃腺が大きいことがあります。
口をあけてみてのどの両サイドに突き出ているのが扁桃腺ですが、扁桃腺が大きい人は両サイドから扁桃腺が大きく出てきて、のどを塞いでしまうのです。
のどを大きく塞いでしまう扁桃腺はやはり呼吸自体がしにくいですし、大人になってから自然に扁桃腺が小さくなるというケースは少ないため、外科的な方法で扁桃腺を切除する必要があります。
4,アルコールの飲み過ぎ
お酒を多く飲んだ日はいびきをかきやすいと感じたことはありませんか?
アルコールは一過性のものですがいびきと深い関係があります。アルコールを飲酒すると人間は非常にリラックスした状態になる場合が多く、全身の緊張が緩み、筋肉の力も抜けます。
睡眠時には通常でも体の力が抜けて舌がのどの奥に落ち込むのですが、アルコールによって筋肉が働かない状態であるといつもよりも舌がのどの方に落ち込んでしまうことになります。
そのため、気道が通常の状態よりも狭くなりいびきをかきやすくなるのです。
また、アルコールを摂取すると体内の血流が良くなることによって鼻の奥の血管が拡張することで鼻の奥の粘膜が腫れて鼻づまりを起こし、気道が狭くなるのでいびきをかきます。
普段からいびきをかかない人でもアルコールを飲んだ日はいびきをかいたり、いびきをかく人がもっと酷いいびきをかくのはこのような鼻の粘膜の腫れが原因です。
女性が飲み会などでアルコールを飲んだあとなどは普段いびきをかかない人でもいびきをかく場合がありますので、飲み過ぎには注意しましょう。
5,湿度が低すぎる
湿度が低く部屋が乾燥している場合は、部屋のダストも飛び散りやすいので鼻を詰まらせます。
鼻が詰まると気道が狭くなるのでいびきをかいてしまうことになります。
空気が乾燥しやすい冬などはのどや鼻づまりを予防するためにもマスクを着用して鼻や口腔内の湿度を保ちましょう。
部屋もエアコンの暖房などで乾燥している場合は、加湿器などを設置して湿度を保つようにしましょう。
6,ストレスがある
現代社会でストレスがないという人も珍しいですが、ストレスが強い状況が続くと呼吸が荒くなったり、激しく息をするので酸素不足になってのどに力が入ります。
また、肺が圧迫されて何となく息苦しいのでのどに力が入ります。のどが緊張状態になると気道が狭くなりやすくなるのでいびきをかく原因になります。
女性特有のいびきの原因は?
いびきをかく人の割合ですが、男性は24パーセント、女性は10パーセントほどと言われています。
いびきをかくイメージは男性が多いと言うのが一般的ですが、女性でも10人に1人はいびきをかくため、女性のいびきは決して珍しいものではありません。
しかし、女性でいびきをかくという人で自覚がある人の悩みはかなり大きなものであると考えられます。
いびきの原因のほとんどは男女問わず同じようなことが原因と言われていますが、歳を取ってくると女性はいびきをかきやすくなります。
若い女性に比べて、歳を取った女性ほどいびきをかくリスクが大きくなるのです。
それは歳をとるに連れて段々女性ホルモンの分泌が減少することが大きく影響しています。
女性ホルモンの分泌が盛んな10代後半から30代頃までは一般的に女性ホルモンが上気道開大筋という気道空間を支える筋肉に作用して空気の通りが良いのであまりいびきをかきませんが、40代に入って女性ホルモンの分泌が急激に減少してくると気道を支える筋肉の働きが悪くなるのでいびきをかきやすくなります。
特に50歳前後の閉経した女性は女性ホルモンの分泌が極端に減少するのでいびきをかきやすくなるのです。
このことからも歳をとった女性ほどいびきをかくリスクがあります。
いびきを放置するとどうなる?
女性の場合、いびきをかくといびきの音ばかり気にする傾向があります。
いびきは恥ずかしいというだけの問題ではなく深刻な健康被害になりますので注意しなければいけません。
いびきをかいている間は寝ているようでもしっかり眠れていません。
良質な睡眠がとれていないということは深刻な睡眠不足になる恐れがあるのです。
本人は寝ているつもりでもいびきをかいていることで熟睡ができていませんし、いびきが酷い人は、睡眠中に呼吸が数十秒止まってしまうという睡眠時無呼吸症候群に陥ります。
呼吸が止まっている間は脳細胞に大きなダメージを与えますのでとても危険です。
重大な疾患につながる恐れもありますから、決していびきを放置してはいけません。
その他にもいびきを放置すると血中の酸素濃度が低下し、血糖値を下げるホルモンであるカテーテルアミンが増加し、高血圧や糖尿病のリスクも出てきます。
酸素濃度が低いということは集中力の低下や痴呆の原因にもなります。
また、いびきによって熟睡できないことでホルモンバランスが崩れ、肥満の原因を作ることになります。
女性のいびき対策とは?
太っている人
太っている女性がいびきを治したいならば、まず痩せることが一番です。
物理的にのどや首あたりの脂肪を外側、内側から取ることができれば気道はおのずと広くなり、いびきをかきにくくなります。
バランスの良い食事や規則正しい生活リズム、適度な運動で体脂肪を落とし、首周りをすっきりさせると、いびきを軽減する対策として有効です。
あごの発達を促す
小顔ブームの世の中ですが、気道が狭くなるのでいびきをかきやすいのは難点です。
現代人、特に若い世代は昔に比べて食生活の中でも柔らかいものばかり食べて硬いものを好まない人が多く、あごが発達していない女性が多いのです。
対策としては普段から硬いものを食べたり、食事をしっかり噛んで食べるなどを意識して生活することであごの発達を促しましょう。
横向きで寝る
仰向けに寝るとどうしても気道が狭くなるので、眠る時は横向きで眠るようにすると気道が確保されていびきをかきにくくなります。
横向きが苦しくて眠れないという人は、対策として気道が開きやすいように首をしっかりささえる枕やクッションで体を支えて眠るといびきもかきませんし熟睡できます。
女性ホルモンのバランスを整える
女性ホルモンの分泌量は年齢が上がるとどうしても少なくなるのでいびきをかきやすくなります。
そこでできるだけ女性ホルモンを増やす、補うようにすることが大切です。
女性ホルモンの働きに似ているものにイソフラボンというものがあります。大豆や大豆製品に多く含まれていますが、イソフラボンの摂取を日頃から意識してバランスの取れた食事を心がけましょう。
和食中心なヘルシーな食事を規則正しく食べることにより、少しでも女性ホルモンを補う対策をすることができます。
まとめ
女性でも10人に1人ほどの割合でいびきをかいていますし、高齢になればいびきをかき易くなります。
いびきは自覚症状もなかなかありませんが、体に悪影響を及ぼします。
いびきを放置せずに、いびきの直接の原因である気道のつまりを無くすように対策しましょう。
それでもいびきが治らない場合は、専門の医師を受診しましょう。