
寝不足になるとキーンというような耳鳴りがする場合があります。
この耳鳴りは難聴などの病気になる原因にもなりますので注意が必要です。
では寝不足になるとどうして耳鳴りがするのか?その原因と7つの対策をまとめてみました。
この記事の目次
耳鳴りとはどんなもの?
耳鳴りと言ってもいろいろな音の種類があります。
キーン、ピーというような高音、ブーンというような低音、ザーザーという雑音のようなものもありますし、これらが混ざり合ったような音のこともあります。
耳鳴りの多くは、自覚的耳鳴といって、実際には音がなく、周りの人には聞こえないものが自分にだけ聞こえるというものです。
また、血液が体内を流れる音や自分の呼吸や心臓の鼓動が聞こえるという他覚的耳鳴というものもあります。
耳鳴りの音や聞こえ方だけでその原因を突き止めることはできません。
耳鳴りの原因と寝不足の関係
耳鳴りの仕組み
実際に音として存在していないものを音として認識してしまうことが耳鳴りです。
実際の音は空気が振動することで鼓膜が連動して振動して音を認識し、音を耳でキャッチしますが、実際に音を認識しているのは耳ではありません。
音を音として認識しているのは脳です。
耳の内耳で伝わった振動は蝸牛という器官で電子信号に変換されて脳に届けられます。
蝸牛の中には有毛細胞が音を電子音に変換しますが、有毛細胞は低音から高音までの音を感知する細胞が並んでいて、音の高さによって対応する特定の細胞があります。
そのため、ある特定の有毛細胞が損傷を受けるとその有毛細胞が感知している音が聞こえなくなります。
また、有毛細胞は一度損傷を受けると治療を行っても再生されることがありません。
耳鳴りの多くは原因が分からないことが多いのですが、有毛細胞の損傷が原因であるとされています。
耳鳴りの原因は?
耳鳴りの主な原因は、耳の病気、脳の病気、高血圧や動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病、過労、ストレス、睡眠不足などによる自律神経失調症が原因であることが多いようです。
このほかにも、気圧の変化によるもの、老人性の難聴が原因のもの、頭の損傷が原因しているもの、騒音が原因で起こるものがあります。
気圧の変化や騒音などは一時的に耳鳴りがするものなので特に耳鳴りがしても心配する必要がありません。
また、老化による難聴が原因のものは耳の機能低下ですので仕方ない場合もあります。
耳鳴りの原因ははっきりとは特定できませんが、病気や健康上の問題が原因で起こる耳鳴りや日常性活が苦痛になるような耳鳴りは放置できません。
耳鳴りと寝不足の関係
耳鳴りの原因は様々ありますが、寝不足が続くことで起こる耳鳴りは自律神経の乱れが原因で起こると考えられます。
寝不足になると質の良い睡眠をとれないために、交感神経と副交換神経のバランスが崩れてきて耳鳴りがするようになることがあります。
また、寝不足になると、体が休まらないのでストレスが蓄積しやすい体質になります。
ストレスによる寝不足が原因で起こる耳鳴りもあります。
耳鳴りとストレス、寝不足の密接な関係
ストレスは精神的なストレスや疲労という肉体的なストレスがありますが、ストレスを溜めやすい人、ストレスを解消できない人は耳鳴りになりやすくなります。
また、ストレスがあると睡眠がなかなかできずに寝不足になったり睡眠障害になりやすくなります。
ストレスと寝不足と耳鳴りは相互関係にあり、負のスパイラルに陥るとどこまでも状態が悪くなっていくので注意する必要があります。
ストレスが原因の耳鳴りは要注意
ストレスによって、なかなか眠れずに寝不足なるとメニエール病や突発性難聴などの病気の原因にもなります。
ストレスが直接耳鳴りの原因にはなりませんが、眠れなくなったり、自律神経の障害が起こると血管の収縮が起こり、血流が悪くなります。
血流が悪くなると耳の内耳に送られる酸素量が少なくなるので内耳の機能も下がり耳鳴りがすることのあります。
肩コリや食欲不振や倦怠感、頭痛などの不定愁訴が起こりやすくなります。
性格的にはやはり真面目で責任感が強い人ほどストレスを溜めやすいので耳鳴りを起こしやすくなります。
耳鳴りがすると耳鳴りを意識するようになるので更にストレスを感じますし、眠れなくなったり、不安や恐怖や緊張を感じやすくなります。
寝不足が原因で耳鳴りがする場合の7つの対策
寝不足が原因で起こる場合、ストレスや自律神経の乱れが耳鳴りに影響していることが多いので、生活習慣を見直して少しずつ耳鳴りを改善するようにしていきましょう。
また、耳鳴りは一度鳴り出すとなかなか治り難い症状ですが、耳鳴りがしていても深く思いつめずに気にしないように意識を持っていくことが非常に大切です。
耳鳴りと上手に付き合っていくということが思いのほか重要になってきます。
1,規則正しい生活をする
規則正しく生活することは、体内時計を正確にしますし、自律神経の乱れを整えます。
寝不足にならないように睡眠時間をしっかり確保して生活することも大切です。
耳鳴りがしてあまり眠れなくなってしまっている場合は、眠れないことでストレスを溜めてしまうこともありますが、熟睡していなくても目を閉じて体を横にしているだけでも効果があります。
無理矢理眠ろうとしたり、眠れないことに不安になったり、焦ったりすることはありません。
同じ時間に寝て、同じ時間に起きて活動をし、食事も規則正しく取るように心がけるといいでしょう。
2,疲労を溜めない
体が疲れるとよく眠れるものですが、疲労がどんどん蓄積してくると逆に体が疲れているのに眠れないという状態になります。
睡眠によって1日の疲労を解消して次の日を迎えることが大切ですが、疲れすぎていると眠れなくなったり、睡眠が足りずに疲労がどんどん蓄積していきます。
耳鳴りがしている場合は、精神的にも肉体的にも疲労が溜まっていることが多いので過度に疲れが溜まらないようにしましょう。
3,ストレスを溜めない
仕事や学校、家事や育児というものはストレスがどうしても溜まってしまいます。
ストレスは耳鳴りを起こす原因になるだけでなく、体調に大きな影響を与えてしまいます。
真面目な人や神経が細やかな人はどうしても色々なことに気がついてしまったり、思い込んだりしやすい状態が多く、深く考えたり、強い不安や心配を溜め、思いつめたりしてしまいます。
神経が常に過敏に動いていると自律神経の交感神経が常に優位な状態になり睡眠するための副交感神経が優位になれません。
眠れないことに加えて、耳鳴りがしていると気になってどんどん眠れなくなります。
耳鳴りや寝不足を解消したいと考えるならば、なるべくストレスを溜めないように自己コントロールする必要があります。
気にしない、何とかなる、明日考える・・・というように心を穏やかに楽観的に持っていくと睡眠不足も解消します。
また、耳鳴りがすることにも不安を感じないようにすることが大切です。
4,スポーツや趣味に没頭する
自分が大好きな趣味やスポーツがある人は、たとえ耳鳴りがしていても自分が集中して楽しめることに没頭している間は耳鳴りのことが気になりにくくなるので耳鳴りの緩和には非常に有効です。
また、スポーツや趣味は体や頭を使って疲れますが、適度に疲れるので睡眠を取りやすくなりますし、何より自分が好きなことなのでストレスを解消することにも繋がります。
耳鳴りが鳴っているとどうしても音が気になって気分が沈むことがありますが、自分が楽しくスポーツしていたり、趣味をしている時間は神経の集中が他の方向に向かっているのが何より良いことです。
5,静かな場所を避ける
耳鳴りがすると人と会ってコミュニケーションを取ることが億劫になったり、出かけようとしない人がいますが、これは耳鳴りの自覚症状を増幅させるだけなのであまり良いことではありません。
1人でいると誰に気を使うこともないですが、静かな部屋に1人でいると耳鳴りの音が気になってしまいます。
街に出て散歩していると、耳鳴りがしていても他の様々な音も耳に入ってくるので耳鳴りは気になりにくくなります。
眠る時も本来は静かな場所の方が眠りやすいかもしれませんが、耳鳴りが気になる場合は穏やかな音楽や多少の雑音など他の音を聴きながら眠ると気分がまぎれます。
6,ビタミンB12
ビタミンB12は耳鳴りに効果があるとされて、医療機関での耳鳴りの治療でも使用されています。
内耳代謝をよくしたり、神経機能を高める働きがあるいわれ、サンマ、イワシなどの青魚やシジミやアサリなどの貝類、レバーなどにビタミンB12はたくさん含まれています。
また、食品から摂取することが難しい場合は市販のサプリメントなどでビタミンB12を補うと良いでしょう。
7,血行を改善する
耳鳴りの原因は血の流れが悪くなることも原因しています。
血流が悪いと睡眠の質も悪くなるので血流を良くすることを心がけることが大切です。
血流を良くするためには体を冷えから守るようにします。
体を温めるために、入浴の際は湯を張った湯船にゆっくり浸かって体を温めるようにします。
少しぬる目の温度で半身浴をすると血流が良くなって体がぽかぽか温まります。
またゆっくりとお湯に浸かると気持ちも穏やかにリラックスすることができてストレスが緩和されます。
入浴後1時間ほどで就寝するようにするとよく眠れますし、寝入りもスムーズになります。
血行を良くしてから眠るようにすると耳鳴りをあまり意識することなく眠ることができます。
耳鳴り酷い場合は医療機関を受診する
寝不足が原因で起こる耳鳴りが自宅での対処でなかなか改善しない場合は、専門の医療機関を受診することをおすすめします。
しかし、現在の医学では耳鳴りを治療する薬がありませんので少しでも耳鳴りの症状を緩和したり、我慢できる程度、気にならない程度の耳鳴りに持っていくということを目標として治療を行います。
強い耳鳴りが一日中あると仕事にも集中できませんし、夜も眠れなくなり睡眠不足になります。
治療によって日常生活に支障がなく、気にならないようにすること、仕事や何かに集中している時は耳鳴りのことが忘れられる程度にすることが大きな目標となります。
受診する医療機関ですが、耳鼻科でも良いですが、心療内科、精神科、脳神経外科などを受診しても大丈夫です。
睡眠外来など特殊な科がある場合はそのような科でも対応出来ます。
医療機関での主な治療方法は?
耳鳴りは実際にはなっていない音が聞こえているので、心理的な要因で大きく聞こえたり、小さく聞こえたりします。
心理的に耳鳴りに対して不安感や苦痛を軽くするための心理療法や耳鳴りがしても意識しないようにする訓練や耳鳴りに慣れるために音楽療法などを行う医療機関もあります。
また最近では、TRT療法(耳鳴り順応療法)という治療法が用いられています。
耳鳴りに自分の意識が集中しないように、周辺の音に意識を持っていったり、感度を集中させます。
音響療法とカウンセリングが組み合わされて行われますが、耳鳴りに対する不快感を抑えることによって、耳鳴りを感じにくくする治療法です。
耳鳴りが我慢できないほど苦痛を感じていたり、あまり眠れないというような状態にある場合は、精神安定剤や抗うつ剤が処方されます。
また、睡眠障害が原因で起こる耳鳴りであると考えられる場合は、睡眠導入剤や睡眠薬なども処方してもらえます。
いつから耳鳴りがするのか、どの程度の耳鳴りがして、どんな音がするのか、どれぐらい気になるのか、眠れるのかということを担当の医師に伝えて、相談しながら少しでも耳鳴りの症状が和ぐようにしていきましょう。
まとめ
耳鳴りの多くは、自分にしか聞こえない音が聞こえるという症状です。
キーンという高音で機械音のような音や、ズーンという低音の太い音や雑音や場合によっては色々な音が混ざり合っている場合もあります。
耳鳴りの原因ははっきりしませんが、耳の病気や脳の病気、生活習慣病のほかに、寝不足ということから耳鳴りがすることがわかっています。
寝不足になると自律神経が乱れたりストレスが溜まりやすく、この寝不足、ストレス、耳鳴りは相互関係にあるため、調子が悪くなると負のスパイラルに陥ってしまいます。
耳鳴りを改善させるためにもストレスを溜めない、よく眠る生活を心掛けましょう。