
若いときは2~3時間寝ただけで充分疲れも眠気も取れてスッキリ爽やかだったのに、歳をとるに連れて寝ても寝ても疲れが取れず、一日中倦怠感が残るということがありませんか?
寝ているのに疲れが取れないのは非常に辛いことですし、どうにかしてこの悩みを解消したいと思うものです。
寝ても疲れが取れない時はどうしたら良いのでしょうか?その解消法について見ていくことにしましょう。
この記事の目次
寝ても疲れが取れない原因とは?
深く睡眠できていない
寝ても寝ても寝足りないような体のだるさや重さを感じる人は、やはり睡眠の質が悪いことが原因と言えます。
睡眠は浅い睡眠であるレム睡眠と深い睡眠であるノンレム睡眠を交互に繰り返しています。
深い眠りをたくさん取ることが質の良い眠りとされていますが、深い睡眠であるノンレム睡眠には程度が4段階あり、眠りが深くなればなるほど睡眠の質が良くなり、身体と脳が休息できるとされています。
寝ているのに疲れが取れないという場合の多くは、このノンレム睡眠の度合いが浅い場合が多くなっています。
睡眠の時間を確保しているのに疲れが取れない人は深く睡眠することが大切です。
浅い睡眠の時に起きている
睡眠は浅い睡眠であるレム睡眠と深い睡眠であるノンレム睡眠を繰り返して行われていますが、深い睡眠をしている時に起床時間が来て無理に起きると身体と脳が休息した状態にあるのですぐに日常生活に対応できずにずっと倦怠感が残ります。
これを解消するためには浅い眠りであるレム睡眠の時間に起きることが大切です。
レム睡眠の時はよく夢を見ますが、夢の最中に起きると思いのほか身体が軽く目覚めがスッキリするものです。
ストレスがある
ストレスのない人はいませんが、ストレスと睡眠には非常に深い関係があります。
睡眠時には自律神経が交感神経から副交感神経に移行することが大切です。
しかし、肉体的なストレスや精神的なストレスを抱えていると常に交感神経が優位に立って神経が過敏で興奮状態にあり、睡眠に必要な副交感神経が働きません。
しかし、身体や脳は疲れているので睡眠をとり休憩をしますが、副交感神経がしっかり働かないせいで睡眠が深くならず質が悪い睡眠をとり続けていることになり、寝ても寝ても疲れが取れない状態になります。
寝つきが悪かったり、夜中に何度も起きたり、早朝に起きてしまう人は副交感神経の働きが悪い場合が多いのです。
ストレスを溜め込むと睡眠の質が落ちるので疲れが常に残る感じがします。
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不規則な生活による疲れが溜まっている
人間の体内には体内時計というものが存在しており、活動のほとんどが体内時計により支配されていると言っても過言ではありません。
朝起きてしっかり活動し、決まった時間にご飯を食べて眠るという生活を繰り返していれば自然と体内時計は正確な時を刻み、それに伴って体も反応します。
しかし不規則な生活をしていたり、食事時間が不規則だったり、食べ過ぎたり、食べなかったりすると体の体内時計が狂い、栄養のバランスも崩れるので疲労が溜まりやすくなり、寝ても疲れが取れなくなります。
適度に疲れるのは睡眠には良いのですが、身体が疲れすぎたり、栄養のバランスが崩れたり、エネルギー不足になると、寝ても寝ても疲労回復が追いつかずに、いつも眠気や倦怠感や疲労感があり、仕事や勉強に集中できなかったり、人とコミュニケーションをとるのが面倒になったり、ストレスを溜めてしまいがちになります。
寝すぎている
長時間眠ることは大切ですが、必要以上に眠りすぎると逆に疲労が溜まります。
眠ることは身体や脳の休憩であり、人間にとって簡単なものであると考えがちですが、人間は眠っている時でも身体や脳を休ませながら生命維持のために24時間働いています。
眠っている間は身体の機能は全て停止しているわけではなく、眠ることにも想像以上に体力を使っているのです。
人にはそれぞれ適切な睡眠時間があり、それを極端にオーバーすると逆に疲労が溜まりますし、体内時計が上手く作動しなくなるので倦怠感が残り、寝ても疲れが取れない状態になります。
眠りすぎて昼夜逆転したり、海外と国内とを行ったり来たりしている人などは常に時差ぼけ状態が続き、寝ていても常にボーっとしてしまいます。
運動不足
寝ても倦怠感があるので体力を温存しようと日中も極力活動や運動をせずにじっとしている人がいますが、これは非常に逆効果です。
日中にしっかり太陽の光を浴びて運動することによって適度な筋肉疲労や肉体疲労を起こします。
肉体を適度に疲れていないと質の良い睡眠を体は欲さず、質の良い睡眠がとれないので寝ても疲れが取れないことになります。
電子機器の使いすぎ
家に帰ってもスマホをずっと触っていたり、パソコンで色々な調べごとをしていると楽しくてストレス発散になるという人もいますが、脳は常に興奮状態になり、活発に働いています。
眠るためには脳内に眠りのためのホルモンを多く分泌することが大切であるのに、電子機器を長時間利用しているせいで脳内は常に興奮物質の分泌が盛んに行われ、いつまでたっても眠気が訪れず、眠っても眠りの質が良くない睡眠になってしまいます。
アルコールの飲み過ぎ
仕事が終わって仲間と楽しくお酒を飲んだり、家でテレビを観ながら晩酌したり、眠る前に寝酒をゆっくり味わうのはどれも非常に楽しそうですが、夜にアルコールを体内に入れて眠ると血液中のアルコールを排除しようと身体と脳が働きます。
せっかく休息するために眠っているのに、アルコールの処理に身体は反応し休息をとれないことになります。
アルコールを飲んで眠った日の寝入りはスムーズでも何度も夜中に起きたり、早朝に起きてしまって眠れないということがあるのです。
アルコールの飲み過ぎは長時間睡眠時間をとっても、身体が休息できていないので翌朝倦怠感が残り、寝ても疲れが取れない感じにになります。
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寝ても疲れが取れない人の解消法9選!
1,寝る前に入浴する
ついつい忙しいので夜に入浴せずにシャワーで済ませたり、朝にシャワーを浴びているという人もいるかも知れませんが、夜眠る前に入浴することで睡眠の質を格段に上げることができます。
入浴をすることは睡眠にとって多くのメリットを生みます。
人間の体温は日中の活動時間は高温を保っていますが、夜になると体温をグッと下げることによって深い眠りになります。
夜眠る前に入浴すると血流が良くなり体を温めることによって、入浴後今度は身体の熱を外に出して体温を大きく下げようとするので布団に入ってからの入眠が非常にスムーズになりますし、体温が大きく下がることで睡眠が深くなります。
ただし、眠る直前に入浴すると体温が下がりきらないので逆に睡眠が困難になりがちですので注意しましょう。
就寝時間の1時間ほど前までに入浴を済ませておくことが大切です。
入浴の温度は高めではなく、どちらかというと少しぬる目のお湯にゆっくり浸かってゆっくり身体の芯から温めるようにしてください。
入浴は体温調節だけでなく精神がリラックスして、自律神経を交感神経から副交感神経に上手く移行する手助けをしてくれますので、寝ても疲れが取れない人にはお薦めの解消法です。
2,トリプトファンを意識的に摂る
睡眠には睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンという物質が夜になると脳から分泌されることが大切です。
このメラトニンがなければ眠気が生まれずになかなか寝付けません。
メラトニンはセロトニンという物質がないと作ることが出来ませんが、セロトニンの材料になるのがトリプトファンという栄養素です。
このトリプトファンはアミノ酸の一種ですが、体内で作ることができない物質なので体外から取り入れなければいけません。
トリプトファンは肉類や魚類などの動物性たんぱく質に多く含まれますが、動物性のたんぱく質がトリプトファンの体内吸収を阻害してしまうので動物性の食品だけからトリプトファンを摂取しない事が大切です。
その他、野菜類や豆類、穀類や果実など様々な食品にもトリプトファンは含まれていますので、寝ても疲れが取れない人は色々な食品をバランス良く摂取し、睡眠ホルモンであるメラトニンを多く分泌することで、質の良い睡眠を心がけましょう。
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3,温かい飲み物を飲んで寝る
夜に眠る前は穏やかな気持ちでのんびりすると神経が興奮状態からリラックス状態、つまり自律神経が交感神経から副交感神経に移ります。
日中の興奮を鎮めてリラックスするためにも温かい飲み物をゆっくり飲んで眠ると深く眠る事ができます。
温かい飲み物のおすすめはホットミルクやホットココアやノンアルコールの甘酒やしょうが湯などが適しています。
コーヒーや紅茶、日本茶なども心が休まりますがカフェインの摂取は神経を興奮させますのでおすすめできません。
4,アロマを利用する
寝ても疲れが取れないときには、精神が落ち着く香りをかいで眠るもの良い方法です。
ラベンダーやセドロール、白檀、沈香、バニラなどは眠りの質を上げるために有効なアロマです。
部屋にアロマオイルの香りを充満させてもいいですし、オイルをガーゼなどに含ませたものを枕もとに置くのも良いでしょう。
お風呂に数滴アロマオイルを垂らしても効果があります。
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5,照明に気を配る
人間の身体には体内時計がありますが、体内時計は光の影響を大きく受けます。
朝にしっかり太陽光を浴びることも大切ですが、夜には暗い部屋で身体を眠る環境におくようにすると自然と眠気が生まれて質の良い眠りになります。
眠る前は部屋を薄暗くしたり、眠る時はできるだけ真っ暗にして眠ると深く眠る事ができます。
部屋が暗いと眠れないという人もいますが、人間は眠っていてもまぶたを通して脳が光を感じています。
夜は暗く、朝は太陽光を浴びることで体内時計を正確にできますし、眠る時間を有効に使えることによって疲れを取る睡眠ができます。
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6,適度な運動をする
運動をすることで体内にセロトニンという物質ができます。
セロトニンは日中に分泌されますが、セロトニンが原料となり夜になると睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されます。
また、適度に運動することで体内の血流もよくなり体温も上がります。
日中にしっかり体温を上げて活動することも睡眠には大切ですし、筋肉を使い、筋肉を疲労させることにより夜に疲労した筋肉を修復するために睡眠をとりやすくなります。
日中に運動できない人は夜の入浴後などに軽くストレッチ運動をしたり、軽くウォーキングに出かけるのも良いでしょう。
ただし、夜眠る直前に明るい街などに出かけるとせっかく精神が落ち着いているのに逆に神経を興奮させてしまいますので注意しましょう。
7,マッサージをする
マッサージをすることで体内の血流が良くなりますし、リンパの流れもスムーズになります。
血流が良くなることで、体内の老廃物を排泄し、栄養分をしっかり吸収できることになりますし、睡眠に必要なホルモンも体内に充満させることができます。
精神もリラックスしますので、寝ても疲れが取れない人は眠る前や入浴時に身体をマッサージしてみましょう。
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8,心を落ち着かせる音楽
人間は全く無音であると逆に神経が落ち着かないとも言われています。
しかし、大きな音や激しい音楽や歌詞のある音楽を聴くと気になってしまって脳が活動状態になり眠る事ができません。
もし眠る前に精神を落ち着かせたり、リラックスするために音楽を聴くならば、水の流れる音や波の音、森の中にいるような風の音や鳥の鳴き声などの音楽を流すと気分が落ち着きます。
ただし、聴きながら眠るというのは良くないので、タイマーをかけて音楽を聴くようにしましょう。
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9、寝具のチェック
睡眠は身体や脳を休めることが大切で、身体や脳が休息できていないと寝ても疲れが取れない睡眠になってしまいます。
このため、眠っている時の環境は違和感や苦痛がなく最高の環境を整えておくことが大切です。
特に睡眠に関しては枕や敷布団、掛け布団、パジャマと言った寝具アイテムが自分に適しているかどうかは非常に大切です。
枕は高すぎても低すぎても首や頭の負担になるので睡眠の質を悪くします。
布団類は季節に合わせて暑すぎても寒すぎてもいけません。
パジャマなども直接肌に触れるものですから自分が気持ち良く感じる素材などにしましょう。
また、部屋の温度や湿度は意外と睡眠には重要です。
温度はエアコンや寝具で調節しますが、意外と盲点なのが湿度です。
冬は乾燥しますし、夏は湿気があります。加湿器や除湿機を活用することも大切です。
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まとめ
寝ても寝ても疲れが取れないという人は、明らかに睡眠の質が下がっています。
睡眠の時間が大切なのではなく睡眠の質を重視することが大切です。
睡眠の質は、睡眠がいかに深い睡眠であるかということです。
浅い睡眠を長時間とっても疲労回復にはなりませんので深い睡眠をするためにも眠る前に様々な工夫をして、より深い質の良い睡眠を心がけると眠りに応じた体力回復ができます。
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