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眠っているのに疲れが残る『熟眠障害』の症状とは?今すぐ改善できる3つの原因と対策


熟眠障害とは、よく寝ているはずなのに朝起きると体が疲れているという不眠症の一種です。

寝付きも悪くなく、よく眠っているはずなのになぜだか寝た気がしない、朝起きるのが辛い、という寝不足感があります。

熟眠不全と言われるこの障害は、普通の寝不足とは異なり睡眠時間自体は十分なのですが、熟睡感が得られないのが特徴となっています。

 

本来は寝不足が続いていても、2~3日もすれば熟睡感が得られるよう体が調整するようになっているのですが、熟眠障害を発症している場合、寝不足と言う不調が何日間も続き、ひどいときには何ヶ月も続くことがあります。

睡眠時間は足りているため、本人も不眠症と自覚しにくく、しっかり眠っていると判断されることも多く、周囲にも理解されづらい障害です。

よく寝た気がしないので、休日や週末にまとめて寝溜めしようとする人もいるようですが、睡眠時間は取れているため、それ以上寝てもスッキリすることはほとんどありません。

たくさん寝ても、睡眠時間に問題があるわけではないので根本解決にはならず、回復を試みても、症状を改善することは難しいと言えるでしょう。

 

年々増加する熟眠障害患者

睡眠障害と聞く「眠れない病気」と思いがちですが、よく眠っている場合でも不眠症である可能性があります。

以前は、寝付きが悪くなる入眠障害や夜中に目が覚めてしまう中途覚醒に比べると熟眠障害の患者数は少なかったのですが、平成12年頃から徐々に患者数が増え始め、朝起きたときに熟睡感がないという割合が、今では20%を越えています。

この数字は入眠障害や中途覚醒の割合を大きく上回っており、深刻化している睡眠障害です。

 

熟眠障害を引き起こす原因とは

睡眠時間は足りているのに熟睡感がないということは、眠りの質が悪いということになります。

睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠の2つの種類があります。レム睡眠のときに人は夢を見ます。

レム睡眠時は体が緩んでいても脳は起きて活動しているのです。脳が活動しているために夢を見て、見た夢も覚えていることが多くなります。

それに対し、ノンレム睡眠は体も脳も休んでいる状態で、完全に眠りについているときです。筋肉は反射などで多少活動を行いますが、脳の活動レベルは低下します。

 

ここまでで分かるとおり、人はノンレム睡眠のときに脳の疲労を回復しています。睡眠不足になると、妙にイライラしたり集中力が続かなかったりするのはノンレム睡眠の睡眠時間が不足していることが原因となります。

また、熟睡感が得られないのは、ノンレム睡眠の睡眠時間が足りていないことが関係しています。脳に疲れが残っていると、脳はもっと眠るようサインを送ります。

ところが、体はすでに睡眠によって疲れが回復しているため、朝が来たら目が覚めてしまいます。体は回復しているのに、脳が回復していないアンバランスな状態のため、熟睡感が得られていないと感じるのです。

つまり、ノンレム睡眠の時間がしっかり得られなければ、脳は充分に回復することができず、寝た感じがしないという症状を引き起こす原因となっています。

 

眠り始めの3時間が鍵

一般的にノンレム睡眠は、眠り始めてだいたい3時間頃に集中してあらわれます。

ところが、眠りの後半になるとノンレム睡眠はほとんどあらわれないため、この時間帯のノンレム睡眠を増やすことができれば、熟睡感を得られるようになります。

熟眠障害の人がたくさん寝たとしても根本的な症状改善にならないのは、あくまでもこの眠り始めの3時間のノンレム睡眠の間により深い睡眠をとらなければ意味がないからなのです。

眠り始めの睡眠が浅ければ脳が休むことができずに、熟眠障害になってしまう可能性が高くなります。

 

ノンレム睡眠を増やすための対策

熟眠障害を改善するためには、ノンレム睡眠の時間をできるだけ増やすことが重要です。ノンレム睡眠を増やすことのできる方法を見ていくことにしましょう。

 

1、睡眠環境を改善する

枕やベットなどの寝具が体に合っておらず、眠りが浅くなっている可能性があります。

朝起きたときに首・肩・腰に痛みを感じたり、顔がむくんでいたりする場合には、今使っている寝具が合っていないケースが考えられます。寝具も経年劣化によって形が変化してきます。体に不調が出るような場合は、買い替えが必要な時期なのかもしれません。

眠りの環境としては、騒音や外から入ってくる光なども関係しています。すでに慣れてしまっていると思っても、自覚がないだけで本当は眠りを妨げる要因として作用している可能性もあります。

特に強い光は刺激が強く脳を活性化させる働きがあります。寝る前のパソコンやスマートフォン、テレビなどは就寝1時間前から控えるようにしましょう。

蛍光灯の明かりも明るすぎるので、間接照明に切り替えるなど、部屋を薄暗くすることで眠りやすい環境を整えます。

また、仕事帰りのコンビニで明るさによる刺激を受けていることは多いので、できるだけ寄り道せずに帰るようにしましょう。

 

2、ぬるめのお湯で入浴する

眠りを深くするためには、入浴が効果的です。入浴すると体温が上がりますが、体はその反復作用によって体内温度を下げようとします。

眠くなると体が温かくなると言いますが、実際には眠るときには体温は下がりますので、この反復作用が働いているためと思われます。深部体温を下げることで体の眠る準備が整い、より深い睡眠を得ることができます。

効果的な入浴方法は、眠る2時間前にぬるめのお湯に20分ほど浸かります。あまり長くお風呂に入れない人は、風呂桶にお湯をはって、足湯をしながら首元をシャワーで温めると体温が上がりやすくなります。

普段からシャワーでさっと済ませてしまう人も、入浴は睡眠の質を上げるだけでなく、体の疲労も取ってくれるので、週末時間のあるときだけでも、できるだけお湯に浸かる習慣をつけるようにしましょう。

 

3、メラトニンを分泌させる

メラトニンとは睡眠ホルモンの一種です。メラトニンが分泌されると、眠気が起こりやすくなるため睡眠の質も高くなります。

メラトニンは光を浴びることでその分泌量が増加し、分泌されたメラトニンは14時間〜16時間後に体の中で作用します。そのため、朝しっかりと光を浴びることで夜眠るためのリズムを作ることが出来るのです。

光を浴びる時間がズレ込んだり、夜遅くまで光を浴びていると、メラトニンはきちんと分泌させず、逆に体内時計のサイクルを乱してしまうことになりますので、あくまでも「朝」に光を浴びることが重要です。

 

加えて、メラトニンの元となる「セロトニン」を作ることも不可欠です。睡眠物質であるメラトニンはセロトニンから分泌されています。

セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンを原料としていますが、トリプトファンは体内では生成されないため、食事で摂取することが必要となります。

必須アミノ酸はプロセスチーズや納豆、肉類、赤身魚などに多く含まれます。サプリメントでも補うことはできますが、バランスよく食べ食事から摂取する方が好ましいと言えるでしょう。

メラトニンの分泌量は、10代をピークとして徐々に減少していきます。朝しっかりと光を浴びていても、メラトニン自体が作られなければ意味がありませんので、まずはセロトニンが作られるよう食事などで補うようにしましょう。

 

まとめ

他にも加齢や生活習慣の乱れによって、夜中に何度も目が覚める中途覚醒が引き起こされたり、朝早く目が覚めてしまう早期覚醒が起こったりということがあります。

いずれの症状でも熟睡感は得られにくいため、他の睡眠障害から熟眠障害を併発することも少なくありません。

しかし、深い眠りがしっかりと取れるのであれば、睡眠時間自体は短くても脳は回復することができ、熟睡感も得られるため不眠症の症状がでない人もいます。

熟眠障害では、眠りの質が鍵となります。

ノンレム睡眠のときにしっかりと眠ることができるよう、環境や生活習慣を整え対策していきましょう。

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