
毎日使っている枕ですが、前から家にあるから何となく使っている・・・という人は案外多いものです。
しかし、枕と言うのは想像以上に私たちの眠りに関わるアイテムなのです。
安眠できるのも不眠になるのも枕がどんなものなのかと言うことが大きく影響しています。
どのような枕を使うと安眠できるのでしょうか?自分にとって快適な枕とはどういうものなのでしょうか?
安眠しやすい枕の選び方についてみてみましょう。
この記事の目次
その枕、自分に合っている?
しっかり睡眠時間をとっているつもりなのに、朝起きたときから疲れが取れずになんとなくだるかったり、肩コリや頭痛があったり、眠気があるのに寝つきが悪いということはありませんか?
これらの安眠できない原因は、もしかすると毎日使っているあなたの枕が原因かもしれません。
枕というものは洋服などと違ってあまり人目にも触れないものなので、頻繁に買換えるという人は珍しいのではないでしょうか?
枕が自分に合っているか合っていないかということなど考えたことがないという人も多いものです。
しかし、枕は私たちの睡眠中にずっと頭や首を支えてくれているものです。
睡眠時間が7時間だとすると1日のうちで7時間も使い続けるアイテムですので、とても重要なアイテムと言えるでしょう。
毎日安眠ができていないな・・と実感する人は、一度自分の使っている枕が自分に合っているものなのか確かめてみることも大切です。
こんな症状は要注意!
・ 肩コリ、頭痛、いびき
枕は頭や首を眠っている間支え続けます。
しかし、枕の高さと自分の首や背骨の角度が合っていないのに使い続けると、寝ている間中首や肩や背骨に負担がかかり安眠できなくなります。
肩がこったり、首が寝違えたかのように痛いのは枕の高さが合っていないことが考えられます。
また、よく頭痛の症状があるという人は枕が低すぎることで肩から頭にかけての血流が悪くなるためにこのような症状が起こっている可能性が高いです。
さらに枕が首の角度にあってないせいで、気道が圧迫されて狭くなりいびきが酷くなる場合があります。
このような症状があるとゆっくり睡眠をとることはできません。
・ 何となくだるい
睡眠することで脳と身体がそれぞれゆっくり休息できて眠っている状態を安眠と言います。
枕からの圧迫感が合ったり、高さが合わないことで首や肩が不自然な状態になると血流も悪くなりますので、眠っていても深い眠りに入ることができず安眠できません。
その結果、朝起きても何となくだるかったり、倦怠感があったりする場合があります。
・ 寝つきが悪い
枕が首の角度に合っていないと血流が悪くなります。
体中の血流が良い状態であるとスムーズに入眠できますが、特に脳への血流や脳からの血流が悪いことで睡眠ホルモンなどが身体全体に届かないため、なかなか眠れません。
・ 眠れない
枕は頭や首の重さを支える重要なアイテムですが、この枕の高さが合わないと言うことは寝ている間中、頭や首がしっかり支えられていないのでどの方向で眠ってもしっくりしません。
その結果、頭や首がリラックスできなかったり、変に体に力が入ってしまうため眠れなったり、睡眠の常に浅い状態が続くので安眠できなくなります。
1,枕と首に隙間があってはいけない
枕が自分に合っているか合っていないかということを判断するために、まずは自分が毎日使っている枕を首に当てて横になってみましょう。
両手で自分の首の辺りを触ってみて枕と首の間に隙間があるという場合はその枕は自分の首には合っていない枕だと言えます。
枕と首との間に隙間があるということは、全面的に首や頭の重さが枕で支えられていないということの表れです。
頭や首の重さが支えられていない場合、その重さは眠っている間に自分の首や肩にかかってくることになり、肩コリの引き金になったり、血流が悪くなる原因となります。
簡単な見分け方ですが、今晩でもいつもの枕を使って寝てみて首の周りに隙間がないか確かめてみましょう。
尚、枕と肩をどの程度近づけるかということですが、枕に肩口がすこし当たるくらいが理想です。
肩の下まで枕を入れる人もいますが、それでは首と枕に隙間ができてしまうので首に負担がかかります。
また、枕から肩が離れてしまっている場合も同じように首に負担がかかって安眠しにくい状態になります。
2,安眠できる理想の姿勢
枕が合っているか合っていないかということを考える前にどの姿勢を保つことができれば安眠になるかを知っておく必要があります。
眠っている姿勢が立っているときの状態を保ちながら眠るのが一番理想です。
立っている時は首の骨はまっすぐですが、この状態を寝た姿勢でも保つことができれば肩や首に負担はかかりません。
寝ている状態であっても背骨と首をまっすぐ保つことが理想であり、安眠できる姿勢と言えます。
横向きで眠る人も背骨と首の角度がまっすぐになるような枕にするのがベストです。
横向きに眠るとどうしても枕の高さが足りない場合が多く、背骨と首の角度が折れてしまいます。
3,枕の高さが重要
安眠できるための姿勢を保つには背骨と首の骨を立っている時と同じようにまっすぐに保つことが大切ですが、その為には枕の高さというものが重要になってきます。
高すぎても低すぎても背骨と首の角度をまっすぐにできないので肩コリや首に痛みが残りますし、起きた後に頭が重く感じたり、頭痛の原因になります。
安眠には関係ありませんが、枕が高すぎると首にしわが残りやすくなり女性は注意が必要です。
枕が低すぎると頭の方に血が上りやすくなり、寝つきが悪くなったり安眠できません。
男女によっても高さの好みは異なってきますが、男性は高い枕を好み、女性は低い枕を好むようです。
また、今まで使っていた枕の素材が柔らかいと低め、硬い枕は高めの枕を好む傾向があります。
人によって枕の高さに違いはでますが、首と枕の間に隙間がない状態であれば後の微妙な調整は好みになります。
今までの枕が高いなと感じる場合は、肩の当たりにタオルを入れて肩を高くしたり、枕に高低差がある場合は、低い方を手前にしてみたりしてみると今まで使っていた枕を低くして使うことができます。
その反対に枕が低い場合は、枕の下にタオルをかませてみたり、枕の上にタオルを乗せてみるなどして枕に高さを出しましょう。
新しく枕を購入する場合は、寝具売り場に行き、実際にベッドで横になって枕の高さを合わせることもできますし、専門の販売員が枕の高さを調節しながらフィットしたものを選んでくれます。
枕の高さを調整できる機能がある安眠枕も販売されています。
4,安眠できる枕の大きさ
一般的に枕は一人用で長方形のものである場合が多いのですが、枕の大きさも様々で人によって好みがあります。
ホテルで使用されているような枕は一般家庭のものよりも一回り大きいものが多く、頭を包まれるようにして眠ると安心できるという人には向いています。
また、寝ている間によく寝返りをしたりする人は一人で使う場合でも二人用の横長のものを使用すると一晩中しっかり頭や首をサポートしてくれます。
実際に枕を使ってみて安眠し易い自分好みのものを購入しましょう。
5,枕の素材
枕の中身を知って使っている人はなかなか意識の高い人です。
枕の素材は使い心地に大きく影響するので安眠には大切です。
素材によっては硬いもの、柔らかいもの、フィットするもの、通気性を重要視しているもの、香りがするものなど様々です。
価格が安くて軽いものだとポリエステル綿を使用しているものがあります。クッション性に優れいて、首にもフィットしやすいですし、自宅で水洗いできると言う特徴があります。
羽毛を使った枕は、自然素材独特の柔らかさやふんわり感か気持ち良い枕です。
保温や通気性にも優れ、夏は涼しく、冬は暖かいです。
しかし、比較的高価で、自宅で洗うことはなかなか難しいものです。
極小の発砲ビーズを使った枕は独特のさわり心地が気持ち良いという人もいますが、安定性に欠けるという場合もあります。
合成ゴムやウレタン素材でできた低反発の枕も人気があります。
弾力性がある枕で首にフィットしやすいものも多いですが、水洗いできないものが多かったり、通気性に問題があるものもあります。
昔から枕にはそばがらが使用されてきました。通気性や吸湿性があり、寝ている間に熱がこもりにくいですし、汗など余分な水分を吸収してくれます。
しかし、ずっしりとした重量感があり、硬さがあります。
そばがらと同じような使用感で人口素材のパイプを使ったものがあります。
水洗いができますのでいつでも清潔に保てるところは良いですが、寝返りした時にごつごつ感じたり、音がするのが難点です。
枕の素材も色々ありますので実際に枕を使用してから購入することをおすすめします。
6,枕の形
大きさ同様、形も様々です。
最近では長方形の枕だけではなく安眠のための様々な工夫がされた形の枕があります。
一番一般的な枕の形は長方形で枕の中ほどが一番高いタイプのものです。
また、反対に枕の中心部がくぼんでいるタイプのものもあります。
枕のくぼみに頭がすっぽりと入りフィットするので安定感があります。低反発素材の枕に多いのが枕を横から見たときに波打ったような形をしている波型枕です。
波の高い方が首を支え、低い方で頭を支えます。ハート型の枕も低反発素材に多い枕の形ですが、首の辺りのボリュームが抑えられているので首が楽になります。
また、枕は頭の下にするという概念を超えた肩までの広い範囲を支える枕もあります。
枕の中央部が人間工学に基づいて眠りをサポートしてくれる枕もあります。
安眠のために様々な形の枕が次々に開発されています。
枕難民もいる
安眠したいという人が多いので、様々なタイプの枕が販売されています。
どれが自分に合った枕かがなかなか分からないのが難点ですが、安眠枕を探し求めて30年!という人もいるくらい枕探しは難しいのです。
お店ではもちろん自分の体型に合わせて慎重に買ってきたものでもいざ使ってみると眠れない、眠りにくいというものもあります。
枕には好みがありますし、慣れと言うものもあります。
枕が変わったら眠れないという人もいるのです。
新しい枕も最初は寝心地が悪くてもしばらく使っているうちに慣れて使い心地が良くなるものもあります。
枕の高さ、形、大きさ、素材など様々な要素があるのでベストなものを探すのは非常に難しいのですが、新しく購入したものでしばらく使ってもどうしても眠れないという人はやはりまた新たな枕探しをした方が良いかもしれません。
枕を買い換えて安眠しよう
枕は自宅で長年使っているものが一番安心できて一番自分に合っているという人も多いのですが、枕にも寿命があります。
枕がなくなるわけではないのでなかなか買い換え時が分かりにくいのですが、もし10年も同じ枕を使っている人がいるとすれば、それは枕の寿命を超えていますし、恐らく使い心地が悪くなっているので安眠できていないのはないでしょうか?
色々な素材によって枕の寿命が違ってきますが、使用期間が3~5年ほど経ったものはそろそろ買い替え時です。
多くのものは弾力性をなくし、ぺちゃんこになっているかと思います。
硬い湿った枕が好きと言う人もいますが、安眠の条件である頭と首への負担を減らすことには向かないものになっている場合が多いので、ある程度使用したものは処分して安眠のための枕を新たに購入しましょう。
使っていたものがお気に入りならば同じ製品をリピートするのも良い方法です。
7、枕だけでなく敷布団との関係も大切
安眠には枕の形や素材や高さや大きさなど色々な要素が関係していますが、枕だけあれば安眠できるものではありません。
特に枕と敷布団との関係は非常に奥が深いものであると考えられます。
首の骨の角度や背骨の状態をベストな状態に持っていくためには本来は敷布団と枕をセットに考えて購入するべきでしょう。
寝具の専門店などに行けば、安眠をサポートするための専門家がいますので出来れば、敷布団やマットレス、枕、掛け布団などをセットで購入すると安眠効果が期待できます。
しかし、これだけのものを一気に買い換えるのは非常に負担になりますので枕の次は敷布団という具合に徐々に眠る環境を整えていくようにしましょう。
まとめ
安眠のためには枕選びは重要です。
一番大切なことは枕の高さです。
背骨から首の骨がまっすぐに保つことができて、首をしっかり支え、頭が安定するものが安眠につながります。
様々な枕が販売されていますが、一度専門店を訪れて枕を実際に使い、使用感を確かめてから購入しましょう。