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嫌なことを寝て忘れるのはダメ!?効果的な忘れ方

  • 最終更新日:2018.02.21
  • 公開日:2018.02.20
嫌なことを寝て忘れるのはダメ!?効果的な忘れ方

失恋、仕事での大失敗、人間関係のもつれ、人前での失態・・・人間生きていれば誰にでも一つや二つ、それ以上たくさんの忘れてしまいたいような嫌なこと、忘れたい出来事はあって当然です。

嫌なことや消し去りたいことを寝て忘れてしまおうと考える人もいますが、嫌なことを寝て忘れることは睡眠の質を下げてしまうことになり、深い睡眠をすることができずに結果的に嫌なことを忘れられない、思い出してしまうという結果になってしまいます。

嫌なことを寝て忘れることはできるのでしょうか?

また、嫌なことを寝て忘れようとした結果、どうなるのでしょうか?

ちょっと嫌なことなら寝て忘れるのもあり!

日常生活を送っていて、忘れたい、思い出したくないというような嫌なことは多々あります。

忘れたい嫌なことと一口に言ってもいろいろなレベルがあります。

ちょっとした軽い失敗やミスで、本人にとってもさほど精神的な負担になっていないような嫌なことならば、ぐっすり眠って翌朝にはすっかり気分も晴れているということもあります。

特に精神的にも体力的にも体調が良いときや、本人が非常にポジティブに物事を捉えることができる性格であれば、ちょっとした嫌なことならば寝て忘れる方が前向きで良いかもしれません。

 

本当に嫌なことを抱えたまま眠るとどうなる?

本当に嫌なことを抱えたまま眠るとどうなる?

 

本人にとって精神的にも負担になるような嫌なことを抱えたまま眠るとどうなるのでしょうか?

心がずんと重くなるような嫌なことを忘れるために眠ろうと努力します。

何とか眠りに付くために嫌なことを考えないように眠ろうとしますが、30分経っても1時間経っても眠れないという入眠困難な状態になってしまう人が多くなってしまいます。

また、眠ったとしても脳が嫌なことに無意識に反応して深い眠りができません。

結果的に浅い眠りであるレム睡眠の状態が続いてしまうので夜中に何度も起きたり、朝早くに目覚めてしまうということになります。

睡眠時に脳がしっかり休息出来ていないと副交感神経が優位になりきれないまま眠ることになりますので、結果的に質の悪い睡眠をとることになります。

また、レム睡眠では夢をみることになり、深層心理において嫌なことを忘れることが出来ていないので自分の心の負担になっている嫌なことに関する夢を多くみることになってしまいます。

眠っていても忘れたい嫌なことに関する夢を多くみることになれば、忘れたくても忘れられなくなってしまいます。

 

眠りの質が悪いとストレスになる

嫌なことを抱えて眠りにつくと、なかなか眠れない、眠れても何度も目覚めるという質の悪い睡眠をとることになります。

睡眠の質が悪いということは脳が睡眠時にしっかり休息できていないということです。

眠りの浅いレム睡眠で長時間寝たとしても、本当の意味で脳は休まっていないと言うことになります。

脳が休まらないと朝起きても体の疲れを感じたり、気分がスッキリしません。

このような状態が数日間も続くと脳が慢性的に疲れてきます。

脳が疲れてくると人間はストレスを感じやすくなります。

ストレスというのは目に見えませんし、はっきりした症状が現れませんので本人も気が付かないことが多いですが、ストレスは放置しておくと精神的にも身体的にもダメージを与えます。

嫌なことを寝て忘れようとすることで結果的にストレスを溜め込むことになってしまいますし、本当の意味で嫌なことを忘れることにはなりません。

 

ストレスと睡眠の関係

ストレスと睡眠の関係

 

ストレスはある日突然体に影響を及ぼすものではありません。

ゆっくり、徐々に心や体に影響を与えるものなので安易に考えてはいけません。

ストレスのある状態で眠るとどうしても深い質の良い睡眠ができません。

初めは何となく眠れないという状態であったものが徐々に本当に眠れなくなり睡眠障害になります。

睡眠障害とストレスはお互いに相乗効果でお互いの症状をより深刻にしていきます。

あまり眠れないという状態が不眠症となり、ストレスがうつ病を引き起こしやすくなります。

うつ病のきっかけは、最初はちょっとした嫌なこと、過去の忘れたい記憶が引き金になって重症化します。

不眠症がうつ病を、うつ病が不眠症をどんどん悪化させていくのです。

嫌なことを忘れられずに、どんどん心の負担が増えていくと言う仕組みです。

 

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本当に嫌なことは寝て忘れようとしてもダメ!

本当に嫌なことを抱えて眠ると眠っていても、時間は過ぎていきますが本当の意味で脳の記憶から消すことができません。

人間の脳は、嫌なこと、忘れたいことこそ忘れないような仕組みになっているのです。

3日前の夕飯は何を食べたのかということはなかなか思い出せないのに、もう何年も前の嫌なことはすぐに鮮明に思い出せるということはありませんか?

平常心で体験したことは数日しか経っていないのに思い出せないにも関わらず、嫌なことは数年たっても覚えているということはよくあることです。

記憶には、1日ほどで忘れてしまう短期記憶、1ヶ月程度で消える中期記憶、1ヶ月以上のこる長期記憶があります。

脳は嫌な記憶ほど長期記憶として脳に残し、忘れようとしません。

これは、人間の自己防衛システムが働きによるもので、脳は過去に犯したミスやエラーを今後の人生で自ら気づいて回避するためにしっかり長期記憶として留めておこうとするためなのです。

忘れたい嫌なことほど、寝るだけでは忘れないように脳がしっかり働いているのです。

 

嫌なことを長期記憶にしないことが大切

嫌なことを長期記憶にしないことが大切

 

脳にはニューロンという神経細胞があります。

ニューロンを太く、複雑に絡み合わせるほど人間の記憶は鮮明な長期記憶になります。

嫌な記憶を忘れるには、ニューロンのネットワークを細くしたり、切ることが大切です。

嫌なことを忘れるための方法としては、嫌な記憶を新しいポジティブな記憶に置き換えること、嫌なことを思い出したときは鮮明に思い出さないように気をそらすこと、ネガティブな性格を変えることです。

誰でも時計の針を戻して過去に戻ってやり直すことは絶対にできません。

嫌な記憶と上手に付き合って嫌な思い出感を弱める、嫌なことを思い出さない、嫌なことに執着せずに、諦めたり、割り切ることが重要です。

 

嫌なことを忘れる効果的な7つの方法

では、どんな方法で嫌な出来事を記憶にさせないことができるのか、効果的な方法についてみていきましょう。

 

忙しくする

 

1,忙しくする

嫌なことや忘れたいことほど、人間はずっと考えてしまうものです。

何度も何度も思い返して泣いたり、ため息をつくと、そのことで強い記憶になってしまいます。

そのため、嫌な記憶を思い出さないように、嫌なことを思い出す時間を自分に与えないようにします。

仕事でも勉強でも遊びでも何でもかまわないので時間を忘れるほど忙しい状況にすると脳は嫌なことを思い出す活動をしなくなります。

嫌なことを思い出す時はどんな時か考えてみるとたいてい忙しい時ではなくて、就寝前で寝床に入って考え事をしていたり、なんとなくくつろいでいる時など自分を振り返るゆとりの時間があるときではないでしょうか?

このような考える時間を脳に与えないようにひたすら忙しい時間を過ごすことが効果的です。

肉体的に忙しいことも大切ですが、作業が単純であれば脳が退屈して別のことを考えてしまうので、作業が複雑で難解である方が嫌なことを思い出すゆとりがありません。

他のことや嫌なことを考えるゆとりを与えないようにすると、ニューロンはどんどん細くなり長期記憶から消えていきます。

 

好きな趣味、スポーツなどに没頭する

 

2, 好きな趣味、スポーツなどに没頭する

脳の記憶の多くを楽しいこと、好きなこと、たくさんのポジティブな体験で埋め尽くしましょう。

ポジティブな出来事がたくさんあることで、嫌な記憶を思い出さないようになります。

楽しい、嬉しい、幸せ・・・というポジティブな思考回路を作ること、成功体験を多く体験することで脳がワクワクします。

失恋の嫌な思い出がある場合でも、新しい恋をすることで過去の思い出に対するネガティブな感情が薄まります。

嫌な記憶を消したいと思うならば、楽しいポジティブな体験をする機会を積極的に受け入れます。

楽しい仲間がいれば更に楽しい体験ができるでしょう。

 

3,嫌なことを人に聞いてもらう

落ち込んでいたり、嫌なことが忘れられないと人に会うことを避けたり、人と会話するのも嫌になります。

しかし、嫌なことを忘れたいと思うならば、積極的に人を会って会話することが大切です。

他人と会話することで新しい情報を脳にインプットすることもできますし、楽しい会話ができれば脳内から幸せを感じる脳内物質が分泌されます。

一番効果的なのは、人に自分の嫌な記憶を聞いてもらうことです。

友達でも家族でも全くの他人にでも自分の気持ちを語り、受け止めてもらうことで気分が良くなります。

愚痴でもかまいません。

自分の思いを聞いてもらう、認めてもらうということが大切ですし、嫌な思いを自分から吐き出すことで気持ちの整理がつくこともあります。

別にアドバイスを求めているわけではなく、気持ちを他人に受け止めてもらうことで精神的にもポジティブになります。

嫌なことを完全に忘れられなくても、過去と上手に付き合っていくこと、過去を自分で受け入れることができれば、これから先の人生をポジティブに歩むこともできます。

 

4, 嫌なことを書いて記録する

嫌なこと、忘れたいことを文字に起こして記録するのは記憶を消すためには一見逆効果のように感じます。

しかし、何かを書いて記録に残すということは、その出来事を自分の中で冷静に考え客観的に処理して文章にするということです。

今まモヤモヤしていた自分の内面や感情が文章にすると、感情的な部分が不思議と消えます。

自分にとって嫌な出来事でも事実とそれに対する対策を自分自身で判断して書くことができます。

感情や記憶をコントロールするために自分のことを客観的に文章化してみると、気分もすっきりして非常に効果的です。

記録に残したことで脳がすっきりするということもあります。

日記としてずっと記録に残しておくのも良いですし、綺麗さっぱり紙を燃やしてしまうのも良い方法です。

 

嫌なことを思い出しそうになると気分をそらす

 

5,嫌なことを思い出しそうになると気分をそらす

嫌なことを思い出したくないのに何度も思い出してしまう場合は、自分が思い出しそうになったときに気分を他の方向にそらすようにします。

テレビやラジオをつけて番組の内容や音楽に集中します。

空を見上げても良いですし、美味しいものを食べてもいいでしょう。

何でもいいので嫌なことをはっきり鮮明に思い出さないようにします。

頭の中でその時の映像が流れたら映像をぼやかしたり、白黒にします。

難しいことかもしれませんが、何度も考えたり、映像化したり、言葉の端々まで頭の中で再現されるとどんどんシナプスが太くなるのでシナプスの繋がりを弱めるために気分をそらすテクニックを身につけましょう。

自分で考えはじめたと思ったら違うことに集中して、記憶を鮮明にしないことが大切です。

 

6,仕方ない、そんなこともあるさ!と割り切る

基本的に楽観的な人は嫌なことを深く考えない傾向にあるので、くよくよ悩んだり、メソメソ泣いたりということは少ないものです。

性格の問題であると言ってしまうのは簡単ですが、自分で自分の性格を変えようと努力することも大切です。

人にとって嫌なこと、嫌な記憶というものは程度も捉え方も違いますし、そう簡単に仕方がないと割り切れるものでもない場合もあります。

しかし、他人からすれば本人が思うほど大したことでもないということもあります。

過去の事実を消すことも、時間を戻すこともできないのであれば、その事実を受け入れて、仕方ない!そんなこともあるさ!大したことない!誰も気にしていない!と割り切るように努力することです。

前を向いて突き進むという前向きでポジティブな性格になるようにするようにしてみましょう。

 

夜更かしをしない

 

7,夜更かしをしない

嫌なことはたいてい夜に思い出します。忙しい時や時間のない時には考えないものです。

クヨクヨしたり、落ち込む時間はたいてい夜眠る時です。

そのため、長い夜を作らないことです。

夜更かしすることでネガティブなことを考えやすい時間を作ることになります。

また、嫌なことを思い出しながら眠ると、嫌な夢を見たり、記憶が余計に定着しやすくなります。

睡眠時間が取れなくなったり、睡眠の質が悪くなると睡眠障害になったり、うつ病を発症しやすくなります。

精神的に追い詰められるとまた眠れなくなり、眠れなくなるとまた嫌なことを思い出してしまう・・・という完全に負のスパイラルに陥ります。

嫌なことを考えないためにも、規則正しい生活リズムを守り、いつもの時間に就寝し、入眠をスムーズにすることも大切です。

あまり早い時間に床に入っても脳が眠る状態になっていなければ嫌なことを思い出す格好のチャンスを作ってしまいます。

嫌なことをできるだけ思いださないように就寝時間をコントロールするようにしましょう。

 

まとめ

ストレスがあると結果的になかなか眠れなくなり不眠症になってしまいます。

 

嫌なことを寝て忘れようとすると、なかなか眠れなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまい睡眠の質が悪くなってしまいます。

睡眠の質が悪くなると精神的にも肉体的にもストレスが溜まってしまいます。

ストレスがあると結果的になかなか眠れなくなり不眠症になってしまいます。

不眠症になると脳が慢性的に疲れますので、ちょっとした嫌なこと、忘れたい記憶が引き金でうつ病を引き起こすこともあります。

このため、嫌なことは寝て忘れようとするのではなく、嫌なことをできるだけ考えないように過ごしたり、できるだけポジティブな記憶として脳にインプットしたり、楽しい体験をたくさんすることが効果的な忘れ方です。

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