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二度寝はダメ!?寝起きを悪くする睡眠慣性の原因と解消法

二度寝はダメ!?寝起きを悪くする睡眠慣性の原因と解消法

寝たいだけ寝て、起きたい時に起きる生活は理想ですが、学校や仕事があるとなかなかそういう訳にもいきません。

眠い目をこすり仕事に行くために、顔を洗って、朝食を食べたにもかかわらず、まだ眠いということもあると思います。

これを睡眠慣性と言います。

睡眠慣性があると睡眠に問題があるということなのでしょうか?

ここでは、睡眠慣性のメカニズムとその症状、原因、対策に迫ってみることにしましょう。

 

睡眠慣性って何?

睡眠慣性という言葉を初めて聞いたという方も多いかもしれません。

睡眠慣性とは起きてから続く眠気のことで、この眠気がある状態が強いと眠気がなかなか取れず、生活にも影響が出てしまいます。

眠気が長い間取れないと、つい眠りの質を疑ってしまいがちですが、睡眠慣性の強さと眠りの質とは関係があまりないようです。

睡眠障害の一つに睡眠時無呼吸症候群があり、この症状がある方の場合、睡眠慣性は弱いことが多いと言います。

いったいどのようなメカニズムで睡眠慣性の強さが決まってくるのでしょうか?

次からは睡眠慣性の仕組みについて見ていくことにしましょう。

 

睡眠慣性が起こる仕組み

睡眠時慣性は眠りの質ではなく、眠りの深さに関係していると言われています。

眠りには眠りの浅い「レム睡眠」と眠りの深い「ノンレム睡眠」がありますが、本来人は眠りの浅い「レム睡眠」に起きることが理想とされています。

その理由は眠りの仕組みにあるようです。

「レム睡眠」は体が寝ていて脳が働いている状態で、夢などを見るときはこの「レム睡眠」中になります。

その一方、「ノンレム睡眠」は体の脳も寝ている状態です。

そのため、「ノンレム睡眠」の時に起きようとしても脳が働いている状態ではないため、頭がボーっとしてしまい起きることができないのです。

睡眠慣性の仕組みも同じで、「レム睡眠」時に起床時間が来てしまった場合には、スッキリ起きることができますが、「ノンレム睡眠」の間に無理に起きると、体も脳もしっかり働いていないため、起きることができない状態、つまり眠気を感じることになるのです。

「ノンレム睡眠」で起床すると、睡眠慣性が強く表れます。

起床時間によって、どんな眠りのリズムの時に起きるかどうかが、睡眠慣性の強さにつながると言う訳です。

たとえ同じ時間に起きたとしても、睡眠慣性が強く現れる日と、そうでない日があるのはこうしたメカニズムが原因となっています。

 

睡眠慣性の症状って

睡眠慣性の症状って

 

睡眠慣性の症状は、先にも述べた通り、眠気を感じている状態です。

英語でsleep inertiaと表現されることもありますが、inertiaの意味する通り、不活発で遅鈍の状態を言います。

睡眠から目覚めたにも関わらず、頭も体もボーとしていて、まだ睡眠しているかのような感覚が残ります。

行動を始めても、思ったように脳が働いてくれていないため、上手くいつものように動くことができません。

思考能力が働かず、注意散漫になったり、やる気が湧かないなど様々な場面において、不可発な状態となってしまいます。

もちろん体は動いていますが、その指令は脳が細かく出しているため、運動能力さえも遅鈍な状態になります。

目覚めてすぐ車で通勤するなどという方は、事故を招き、命にかかわることになりかねませんので注意が必要です。

 

睡眠慣性の症状が、長い時間回復しない原因とは?

睡眠慣性と眠りのリズムが深く関係していることは分かりましたが、どうして起きてからしばらくの間、眠気を感じ続けることになるのでしょうか?

その理由は脳の目覚めが深く関わっています。

体の機能は目覚めと共に徐々に活動モードに切り替わっていきますが、手・足、内臓に続き、脳は一番最後に目覚めると言われているからです。

脳はいきなり起こされた場合、1時間半から2時間経たないと完全に目覚めることができません。

そのため、受験などの日には早く起き、脳を目覚めさせることが大切と言われているのです。

 

不眠症、睡眠障害は、睡眠慣性が弱い?

不眠症や睡眠障害だからと言って睡眠慣性が弱いということはありませんが、睡眠障害に陥ってしまう理由はそもそも深い眠りつまり質の良い睡眠がとれないことが理由として挙げられます。

睡眠障害の一つでもある睡眠時無呼吸症候群は呼吸が止まってしまうことで「ノンレム睡眠」を上手くとることができないと言われています。

睡眠が極端に浅くなってしまうため、常に「レム睡眠」の占める割合が多く、日中でも眠気を感じてしまうようです。

そのため、睡眠慣性は弱いと言われているのです。

睡眠の浅い「レム睡眠」の時間が多く、その時間に起きるのですから当然ですね。

この睡眠時無呼吸症候群を見てもわかる通り、睡眠の質が悪い=深い眠り「ノンレム睡眠」がとれていないことになるため、睡眠障害や不眠症で悩んでいる方には、あまり睡眠慣性が見られないようです。

睡眠慣性がないから、睡眠の質が良いと言う訳ではありませんので、決して勘違いしないようにしてくださいね。

 

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睡眠リズムを知って睡眠慣性を防ごう

睡眠リズムを知って睡眠慣性を防ごう

 

私たちの睡眠は一定のリズムを刻んでいます。

浅い睡眠である「レム睡眠」と深い睡眠である「ノンレム睡眠」を繰り返しているのです。

強い睡眠慣性を防ぐためには、「レム睡眠」で起きることが一番と言われていますので、そのリズムを覚えておかなくてはなりません。

入眠しはじめに訪れるのが深い「ノンレム睡眠」ですが、再び「レム睡眠」になるまでには約90分のサイクルがあります。

その後また「ノンレム睡眠」となり、また90分後「レム睡眠」となります。

つまり、睡眠慣性を防ぐためにはこの約90分ごとに訪れる「レム睡眠」に起きることを目安とすることが大切なのです。

どんなに長い時間眠っていても、「ノンレム睡眠」の時間帯に起きてしまっては、睡眠慣性の症状が出てきてしまいます。

「レム睡眠」の時間を考え、起きる時間を設定し、眠る時間を決めることが重要になってきます。

だからと言って睡眠時間がそもそも足りていないと感じているのに、眠る時間を削る必要はありません。

その理由もやはり睡眠のリズムにあります。

睡眠中最も深い眠りと言われている「ノンレム睡眠」はその深さが実は4段階に分かれています。

数字が多いほど深い眠りと表現されますが、リズムを繰り返す度に眠りの深さは浅くなっていき、6時間を過ぎるころには、同じ「ノンレム睡眠」とは言え、1の段階しか深さが達していないのです。

そのため脳は眠ってはいますが、眠りはそれほど深くないことになります。

つまり最も深い眠りと言われる4の段階で起きるよりも1の段階で起きる方が、睡眠慣性は弱いことになるのです。

長く眠るほど睡眠慣性が出るリスクが減るということです。

逆に、2時間や4時間などと睡眠をあまりとれていないにもかかわらず、「ノンレム睡眠」の時に起きる場合には睡眠慣性は強く出ますので、気を付けましょう。

 

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睡眠慣性を防ぐ対策とは?

睡眠慣性を防ぐためには、眠りのリズムを知ることが大切です。

それを踏まえて睡眠慣性を防ぐ対策について見ていくことにしましょう。

 

眠る時間は90分サイクルで設定する

眠る時間が短い、睡眠慣性が強くてスッキリ起きられずに悩んでいるという場合には、睡眠時間を自身でコントロールしてみると良いでしょう。

個人差はもちろんありますが、90分サイクルが基本となりますので、起きる時間を1.5時間、3時間、4.5時間、6時間、7.5時間と1.5時間刻みで設定し、眠る時間を決めてみると良いでしょう。

長く眠ることができればあまり問題はありませんが、残業や勉強などで睡眠時間があまりとれないという時はぜひ試してみると良いでしょう。

 

睡眠時間をたっぷり設ける

睡眠慣性で起こる不活発を抑えるためには、90分サイクルで起きることが大切と言いましたが、やはりよく眠ることも重要です。

その理由は「ノンレム睡眠」の深さが時間と共に浅くなるためです。

よく眠ることで「ノンレム睡眠」は徐々に浅い眠りに移行していきますので、起きることもよりスムーズになります。

よりスムーズになるということは強い睡眠慣性が出なくなるということです。

眠る時間がないのに、起きなくてはならない時こそ、睡眠慣性は強く出てしまうということを覚えておきましょう。

 

眠る時間・起きる時間を一定に

できることであれば、毎日の眠る時間を睡眠サイクルを考えたうえで一定に保つことが理想です。

毎日同じ時間に眠り、起きることで、体は目覚めを体で覚えますので、睡眠慣性の症状が強く出ることはありません。

睡眠のリズムも大切ではありますが、体内時計のサイクルを一定にしておくことも忘れてはいけない点と言えるでしょう。

 

二度寝に注意

いったん起きたはずなのに目覚ましを止めてまた寝てしまう方もいることでしょう。

いわゆる二度寝と言われているものですが、やはりこれも睡眠慣性に陥りやすいので注意が必要です。

人は目覚める前後にコルチゾールというホルモンを分泌するため、二度寝することは気持ち良いと感じることが多いでしょう。

しかし、それはあくまでも10分などの短時間の二度寝の場合、長く眠ってしまうと再び「ノンレム睡眠」に向かってしまいますので、より起きることが困難になります。

はじめに起きるよりもより睡眠慣性が強く出てしまうことがありますので、二度寝の仕方にも注意してください。

 

昼寝の時間にも気をつける

昼寝をするときも長い時間の睡眠はタブーです。昼寝をすることで体の疲れや日ごろの睡眠時間をカバーすることはできますが、やはり深い眠りに入ってから起きてしまうと、睡眠慣性に襲われることになります。

寝たはずなのに余計に疲れた状態になってしまい、その後、頭も働かず、眠気が取れなくなってしまいます。

仮眠ととる程度に抑えておくと良いでしょう。

1時間以上眠らないことがポイントです。

二度寝と同じく15分、もしくは20分程度で起きるようにすると良いでしょう。

 

脳を起こして睡眠慣性を早く解消する方法

このような毎日対策をきちんと実行できれば良いですが、対策通りには行動できず、やはり睡眠慣性が強く出てしまうこともあるでしょう。

そのようなときは脳を早く目覚めさせることを心掛けましょう。

 

1,朝食をとる

脳を早く目覚めさせるためには、ご飯を食べることが重要です。

寝ている間人は多くのエネルギーを消費していますが、それを補ってあげることでより脳の目覚めが早くなります。

脳のエネルギーとなるのはやはりブドウ糖です。

ブドウ糖に変化する炭水化物をしっかりとるようにしましょう。

ご飯やパン、麺類をしっかり食べましょう。

また、時間がないときはバナナも良いです。

また、きちんと噛んで食べることを心掛けましょう。

顎を動かしても脳は活発になりませんが、食事を噛むことが脳を活発にさせることが明らかとなっています。

食事をとれない時にはガムを噛むことで同じ効果を得ることができるようです。

ぜひ試してみてくださいね。

 

2,活字を読む

朝に新聞を読んだり、スマホでニュースを見るという方は多いと思いますが、脳に情報を送ることは脳を活発に働かせるために効果があります。

眠る前に活字を読んだり、スマホを見ることは眠気を遠ざけてしまうため良くないと言われていますが、朝は全く逆。

朝できるだけたくさんの情報を送り、脳を働かせて脳の目覚めを早め、睡眠慣性を脱しましょう。

 

3,カフェインをとる

脳でアデノシンが一定量に達すると眠気となって表れますが、カフェインはこのアデノシンの受容体と結合すると言われています。

アデノシン受容体に結合すると言うことは、アデノシンの働きがストップしてしまいますので、興奮性神経伝達物質であるドーパミンやグルタミン酸の活動が増します。

つまり脳を直接働かせるわけではありませんが、ストップさせる機能を停止させてしまうことにより、よりスムーズに脳を起こすことができます。

一般的なコーヒーより濃度の高いコーヒーなどの方がより効果は高いようですので、濃いめに入れて、多くのカフェインをとってみると良いでしょう。

 

まとめ

睡眠慣性とは、起きているはずなのに、目覚めた後も襲い掛かってくる眠気のことです。

 

睡眠慣性とは、起きているはずなのに、目覚めた後も襲い掛かってくる眠気のことです。

この睡眠慣性は、深い眠りである「ノンレム睡眠」の時に起床してしまうと強く感じることがあります。

「ノンレム睡眠」は体と脳が眠っている状態であるため、起きてもすぐに体や脳が起きることができないため強い眠気となって現れます。

睡眠覚醒を防ぐためにも、睡眠のリズムである90分のサイクルに着目し就寝、起床時間を工夫してみましょう。

また、睡眠覚醒を感じたときには、脳を起こす方法を実行してみてくださいね。

毎日スッキリと目覚めることのできる朝を目指しましょう。

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