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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状と、自分でできる4つの対策

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状と、自分でできる4つの対策

最近ではよくテレビや雑誌などでも取り上げられる事が多い「睡眠時無呼吸症候群」ですが、実はこの症状が睡眠障害の一つとして分類されている事実をご存知でしょうか。

現在、治療が必要な重症度の睡眠時無呼吸症候群の患者さんが日本国内に300万人以上もいるのです。

睡眠時無呼吸症候群とは、病名はよく聞くのに症状については詳しく知らないという人が多く、そして何より、睡眠中に症状が現れるため本人は気付いていないケースが多いという厄介な病気です。

この病気は、症状が出たからといってすぐに入院が必要になるとか、健康面が急激に損なわれるというものではありません。

ですが、本人に自覚がない場合はなかなか病院に行って治療するまでには至らず、改善されないまま放置すると重篤な病へと発展する危険性が充分にあります。

そこで、知っているようで知らない睡眠時無呼吸症候群の症状と原因、対策などをご説明していきます。

貴方自身、または貴方の周囲に、睡眠時無呼吸症候群の症状が見られる人はいないかチェックしてみましょう。

もし同じような症状の人がいたら、早めに対処する事を強くオススメします。

睡眠時無呼吸症候群とは?

「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」とは、睡眠中に正常な呼吸がしにくくなり、一時的な呼吸停止が繰り返し起こる病気です。

医学的には、10秒以上の呼吸停止が認められる状態を「無呼吸」と定義しています。

この無呼吸状態が、1時間当たり5回以上、もしくは7時間の睡眠中に30回以上起こる場合に睡眠時無呼吸症候群と判断されます。

睡眠とは本来、日中活動した脳と身体を充分に休息させるためのものです。

しかし睡眠の最中に繰り返し呼吸停止が起きると、身体の中の酸素が減っていき、不足している酸素を補うために心拍数が上がります。

つまり呼吸が止まることによって、血圧が急上昇したり血液中の酸素濃度が下がったりして、合併症が引き起こされやすい状況を作ってしまうのです。

また、睡眠時無呼吸症候群になると睡眠が分断されて眠りが浅くなり、睡眠の妨げとなって質が落ちることから睡眠障害の一つとされています。

治療の必要性を感じるほど症状が重ければ本人にも自覚があるのでしょうが、ほとんどの人は睡眠中に起こる症状であるため、自分では気付きにくいというのが睡眠時無呼吸症候群の特徴でもあります。

とくに一人暮らしの場合や寝室に一人で寝ている場合は、診察を受けるのも治療を開始するのも遅れてしまいます。

睡眠時間は充分のはずなのに何故か疲れがとれない、昼間でも強い眠気があるなど、不眠症や睡眠障害のような症状がある人は、一度専門の医師の診察を受けてみましょう。

睡眠時無呼吸症候群は、発見が遅れるとさまざまな合併症を引き起こしますので、少しでも早い段階で治療を始める事が重要です。

 

睡眠時無呼吸症候群の症状とは?

睡眠時無呼吸症候群の症状とは?

 

睡眠時無呼吸症候群のもっとも代表的な症状は、何といっても睡眠中の無呼吸です。

それも、大きないびきをかいて気持ち良さそうに眠っていたのに突然ピタッと呼吸が止まる、というものです。

そのまま数秒、長ければ数十秒もの間、呼吸は止まったままです。

そして、しばらくすると突然「ゴッ」という轟音のような息を吸う音がしたかと思うと、息を吐き出してまた大きないびきをかき始めます。

その後また呼吸が止まる、この一連の流れが睡眠時無呼吸症候群の特徴です。

いびきが止まった時は呼吸も同時に止まっています。

専門的には、10秒以上にわたって呼吸が止まる状態の「無呼吸」と、呼吸が完全には止まらないものの10秒以上にわたって換気量が半分以下になる状態の「低呼吸」に分けられ、「無呼吸」の方が重症だという事になります。

ですがどちらも睡眠時無呼吸症候群には変わりありません。

また、睡眠中に起きるため本人は自覚できず、朝起きてもまさか自分の呼吸が夜中に止まっていたなどとは思いもしないでしょう。

しかし、本人に認識できないとはいえ身体には確実に影響が現れてきます。

では、睡眠時無呼吸症候群に気付くためにはどうすればいいのでしょうか。

一人暮らしの場合は、ご本人が朝起きた時や日中の自分の体調に注意してください。

家族の方がいる場合は、寝付いてからの就寝中の様子を見てもらいましょう。

当てはまる項目が多ければ要注意です。

 

就寝中の症状(本人の自覚はほとんどない)

・いびきをかいている
・定期的に繰り返し呼吸が止まる
・呼吸が乱れて息苦しくなる
・突然むせたり咳き込んだりする
・夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)
・寝汗をかく

 

朝起きた時の症状

・口の中が渇いている
・喉が渇く・スッキリと起きられない
・ズキズキと頭が痛い
・身体が重く感じる
・睡眠時間は充分なはずなのに熟睡した感じがしない(熟睡障害)

 

日中の症状

・非常に強い眠気がある
・身体がだるく倦怠感を感じる
・常に疲労感がある
・集中力が続かず作業効率が上がらない

 

睡眠時無呼吸症候群は睡眠障害の一つ

睡眠障害というと不眠症を連想するかもしれませんが、睡眠時無呼吸症候群も睡眠障害の一つです。

高血圧や不整脈、狭心症や脳梗塞などの原因となる「呼吸性睡眠障害」になります。

睡眠時無呼吸症候群の大きな症状に「日中の非常に強い眠気」というのがありますが、これは、無呼吸や低呼吸によって呼吸が不十分となる事から起こります。

呼吸が止まったり換気量が減ると酸欠状態となり、酸素が足りない危険な状況を回避しようと身体は覚醒状態になってしまいます。

そうして、呼吸が止まるたびに覚醒状態になる事で深い睡眠に入るのを妨げてられてしまうのです。

結果、眠りは浅くなり、その影響は日中の非常に強い眠気という形で現れます。

また、睡眠時無呼吸症候群は、睡眠1時間につき無呼吸や低呼吸が5回以上~15回未満の「軽度」、睡眠1時間につき無呼吸や低呼吸が15回以上~30回未満の「中度」、睡眠1時間につき無呼吸や低呼吸が30回以上の「重度」と3つのレベルに分かれます。

たとえ健康な人でも一晩に5回ほどの無呼吸を起こす事はあると言われていますので、その程度ならあまり心配はないのですが、5回以上~15回未満の「軽度」以上になると問題です。

狭心症や脳梗塞などを引き起こす前に専門の病院で診察してもらいましょう。

 

睡眠時無呼吸症候群になる原因とは?

睡眠時無呼吸症候群になる原因とは?

 

「閉塞型」と「中枢型」

睡眠時無呼吸症候群には、「閉塞型」と「中枢型」の2種類があり、どちらも睡眠中に呼吸が止まる事に違いはないのですが、呼吸停止を起こすメカニズムが異なっています。

「閉塞型」とは、何らかの理由によって空気の通り道である上気道が狭くなり塞がってしまうことが原因で起こるもので、睡眠時無呼吸症候群の患者さんの9割近くが閉塞型です。

「中枢型」は閉塞型と違い、上気道が狭くなることはありません。

延髄にある呼吸中枢に異常が起きて働きが弱くなって、脳から呼吸をする指令が出なくなってしまうしまうため起こります。

根本的な原因は今のところ不明で、心疾患や肺疾患などがある患者さんに比較的多くみられますが、全体の数%とかなり少数となっています。

ですから、一般的に睡眠時無呼吸症候群という場合は「閉塞型」を指します。

 

睡眠中に呼吸が止まる原因

睡眠時無呼吸症候群で呼吸が止まってしまうのは、睡眠中に気道が狭くなり、空気が通りにくくなることが主な原因だと言われています。

ではなぜ気道が狭くなるのか、その理由はさまざまですが、もっとも多い理由としては喉や首周りに付いた脂肪です。

喉の内側の脂肪が増えると、気道が狭くなって空気を取り込む事が難しくなるためです。

睡眠時無呼吸症候群の患者さんの約70%がBMI値25以上の肥満体型であることから、肥満が深く関係している事は否めないようです。

また、扁桃腺の肥大・舌が大きい・鼻炎や鼻中隔弯曲といった鼻の病気・遺伝的に気道が狭い・加齢による喉や首周りの筋肉の低下・あごが小さいなど骨格の問題・ストレス・アルコールの摂取など、肥満以外でも睡眠時無呼吸症候群になる場合があります。

 

睡眠時無呼吸症候群はどこで診察してもらう?

睡眠時無呼吸症候群の場合、自覚症状だけでこの病気を疑うことはまずない、というのが現状です。

あまりに大きないびきをかいていたり呼吸が止まったりと、睡眠中の不自然な呼吸を家族などに心配されてやっと診察を受けるというパターンが多いようです。

また一人暮らしの場合には、合併症を引き起こして病院を訪れ、いざ診察を受けて睡眠時無呼吸症候群だった事が判明した、というケースもあります。

この病気は、早めに診断を受けてすぐに治療を始めることが大事なので、少しでも疑わしいと感じたら即刻受診しましょう。

では何科に行けばいいのか?

睡眠時無呼吸症候群は睡眠障害の一つですので、睡眠外来を併設している総合病院や、睡眠障害を扱っているクリニックで診察を受けてください。

もし近くに専門的な病院がない場合は、インターネットで検索して、睡眠時無呼吸症候群も診てくれる呼吸器内科や耳鼻咽頭科などを受診しましょう。

 

病院で行う治療

病院で行う治療

 

睡眠時無呼吸症候群の治療には、歯科装具の「口腔内装具(マウスピース)」、内科的な「CPAP(シーパップ)療法」、外科的治療の「外科手術」があります。

 

マウスピース療法

「軽度」から「中度」の患者さんに有効な治療法です。

マウスピースを装着して下顎を強制的に前方向に出し、気道を広く保って無呼吸を防ぐという方法です。

人によっては顎関節の痛みを感じる人もいるようですが、他の治療法より手軽で、出張先や旅行先にも持って行けるという利点があります。

 

CPAP(シーパップ)療法

「中度」や「重度」の患者さんに多く用いる治療法です。

睡眠中に鼻マスクを装着して、圧力を加えた空気を鼻から送り込み、強制的に気道を広げて呼吸を確保するという方法です。

保険適応の治療となっており、持ち運び出来る大きさの装置を自宅に設置して治療を行います。

 

外科手術

軟口蓋や扁桃腺の形状が気道を塞いでしまい、無呼吸やいびきを引き起こして睡眠時無呼吸症候群の原因となっている場合は、扁桃などを切除して上気道を拡大する外科手術を行う事もあります。

手術によって問題が起こることもあり得るため、医師の説明をきちんと聞いて理解した上で選択しましょう。

 

自分でできる睡眠時無呼吸症候群の対策法

睡眠時無呼吸症候群は完治するのが難しいとも言われますが、軽度であれば自宅で対策するだけで大きく改善する事も出来ます。

中度や重度の患者さんの場合、専門の病院でしっかり治療を受けるのはもちろんですが、自宅での対策を並行して行うことでさらなる効果が期待出来ます。

睡眠障害の一つである睡眠時無呼吸症候群を改善することは睡眠の質を良くする事にもつながり、良質な睡眠が取れるようになる事は万病の予防にもつながります。

より重大な病気を引き起こさないためにも、自宅で行える対策を実践していきましょう。

 

1,肥満の解消

睡眠時無呼吸症候群の最大の原因は肥満だと言われています。

喉の周りの脂肪が気道を狭くするため、睡眠時に無呼吸が起きやすくなるのです。

また、その他の生活習慣病のリスクも高まります。

肥満を自覚している人は、食生活を見直したり身体を動かす習慣をつけて、しっかりダイエットしましょう。

 

2,アルコールを控える

睡眠時無呼吸症候群の引き金となり得るものに「飲酒」があります。

アルコールを摂取すると筋肉が緩みやすくなり、舌が喉の奥へと落ちやすくなってしまいます。

すると、普段はいびきをかかない人でも、いびきをかいて無呼吸になる場合があるのです。

アルコールは、いびきを誘発して睡眠時無呼吸症候群になるきっかけを作ってしまいます。

毎日晩酌をする習慣がある人は、控える事で予防の一つとなります。

 

3,寝るときの体勢を変える

仰向けの体勢で寝ると、舌は重力によって喉の奥へ沈み込み、気道を塞いで息がしづらくなってしまいます。

大きないびきをかきやすい人は仰向けで寝る人が多いので、横向きやうつぶせの体勢で寝て無呼吸になるのを防ぎましょう。

寝ている間に仰向けに戻ってしまわないよう、枕の左右どちらかを高くして傾斜をつけると良いですね。

抱き枕を使って寝やすい体勢を作るのも良い方法です。
関連記事
>>欧米人に多い大人の「うつぶせ寝」メリット・デメリットと枕の選び方


4,普段から鼻で呼吸をする習慣をつけよう

睡眠時無呼吸症候群の患者さんの多くが口で呼吸をしています。

本来人間は鼻で呼吸をするように作られているのですが、就寝中も口から呼吸をしているために、朝起きた時に口の中がカラカラに渇いているのです。

口から呼吸をしていると、いびきをかくだけでなく、細菌も入りやすくなって病気の元となります。

普段から鼻で呼吸するように気を付けてください。

口を塞ぐ「マウステープ」や、鼻の通りを良くする「鼻腔テープ」を利用するのもいいでしょう。

とくに、鼻炎や鼻中隔弯曲といった鼻の病気は睡眠時無呼吸症候群になりやすいと言われています。

鼻の治療も同時進行で行って、鼻呼吸を意識するようにしてください。

 

まとめ

まとめ

 

睡眠時無呼吸症候群は、早期発見しにくい病気であると同時に、完治しにくい病気だと言われています。

ですが、不眠症など他の睡眠障害と同じく、毎日の生活や習慣を立て直す事で改善していく病気でもあります。

脳梗塞や不整脈など怖い合併症が引き起こされる前に、朝起きた時に自分自身でチェックしたり、家族に様子を聞いたりして、少しでも疑いがあればすぐに病院で診てもらいましょう。

そして、日々の生活を見直して改善していきましょう。

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