眠りの窓口

睡眠薬「サイレース」が効かない場合って?強さと効果・副作用の知識

睡眠薬「サイレース」が効かない場合って?強さと効果・副作用の知識

サイレースは、1984年にエーザイから発売されたベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

成分名は「フルニトラゼパム」で、中外製薬から販売されている「ロヒプノール」も、商品名は違いますが同じ成分の睡眠薬です。

ですから、サイレースもロヒプノールも全く同じ効果を持つお薬となります。

サイレースは、ベンゾジアゼピン系の中でも中時間型に分類され、効果が非常に高い睡眠薬として有名ですが、サイレースを服用しても「効かない」「効果が感じられない」という場合もないとは言い切れないようです。

では、サイレースを飲んでも効かない時はどうすればいいのでしょうか?

そこで、サイレースの強さと効果、副作用などをご紹介しながら、サイレースが効かない場合の対処法をお伝えしていきます。

サイレースとは

サイレースは中時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬で、なかなか寝つけない「入眠障害」、夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」、朝の早すぎる時間に目覚めてしまう「早朝覚醒」と、どのケースにも効果が期待できる、非常に催眠作用の強い睡眠薬です。

他の睡眠薬で効果がなかったり不眠症の症状が改善されなかった場合に使われるほど、催眠の効果は高いと言われています。

しかし、催眠効果が安定していて使いやすい反面、副作用や依存性については問題があります。

アメリカやイギリスなどの欧米では麻薬として指定している国もあり、許可や証明書がないと持ち込めない場合も少なくないようです。

とはいえ、どうしても不眠症などの睡眠障害が改善されないケースでは、専門の医師の処方のもと、とても有効な睡眠薬として使われています。

 

サイレースの作用機序(作用する仕組み)

サイレースの作用機序(作用する仕組み)

 

睡眠薬には大きく分けて、バルビツール酸系・ベンゾジアゼピン系・非ベンゾシアゼピン系・メラトニン受容体作動薬・オレキシン受容体拮抗薬の5種類があり、サイレースはベンゾジアゼピン系に属します。

ベンゾジアゼピン系と非ベンゾシアゼピン系は同じ作用機序で、どちらも脳内の不安や催眠に関わる「GABA(ガンマアミノ酪酸)」の働きを強めることで睡眠を促します。

GABAとは天然アミノ酸の一つで、脳の中での情報を受け取ったり次へ伝えたりする神経伝達物質と呼ばれるものです。

ストレスを和らげてリラックスさせ、興奮した神経を落ち着かせる働きをしています。

ベンゾジアゼピン系薬であるサイレースは、ベンゾジアゼピン受容体と結合することでGABAとGABA受容体の結合力を強め、GABAの働きを高めます。

それによって、神経の興奮が抑えられ、抗不安作用・鎮静作用・催眠作用などが効果を発揮して睡眠へとつながるのです。

 

サイレースの作用時間と強さ

サイレースの作用時間と強さ

 

作用時間

睡眠薬は、半減期が2~4時間の「超短時間型」、半減期が6~10時間の「短時間型」、半減期が12~24時間の「中時間型」、半減期が24時間以上の「長時間型」と大きく4つに分類されています。

「半減期」とは、その薬の血中濃度が半分になるまでにかかる時間の事で、作用時間(効果が持続する時間)の目安となるものです。

サイレースは、服用してから15~30分ほどで眠くなり、1~1.5時間ほどで薬の効果がピークになります。

半減期も7時間と持続力があり、人間の平均睡眠時間と照らし合わせてみても丁度いい長さと言えます。

つまりサイレースは、即効性も持続力もある万能型の睡眠薬なのです。

 

強さ

サイレースは、即効性と作用時間の長さからベンゾジアゼピン系の睡眠薬の中でもっとも強い薬だと言われています。

ただ、効果の強さは睡眠の深さとは比例しません。

つまり、早く寝つけて長く眠れる効果は強いけれど、深く眠れるわけではないという事です。

サイレースの即効性はGABAの働きが急激に強くなるためなので、自然な眠りにつくというよりも、眠気が突然来る、まさに眠りに落ちるという感覚になります。

そのためサイレースは、眠りの質を良くするために服用するにはあまり向いていません。

初心者向けの睡眠薬を飲んでも充分な効果が得られなかった場合などに、切り札的な要素で使われるケースが多いようです。

 

サイレースの特徴

サイレースの特徴

 

メリット

サイレースのメリットは、なんといっても眠らせてくれる効果の強さです。

飲み続けていくうちに徐々に眠れる体質になっていくというものではなく、飲んだその日からしっかり眠らせてくれます。

しかも即効性があるので、入眠障害でベッドに入っても何時間も寝つけない人にとても効果的です。

そして作用時間が長いので、眠ったはいいけれど夜中に何度も起きてしまう中途覚醒や、もっと眠っていたいのに朝早すぎる時間に目覚めてしまう早朝覚醒にも有効です。

サイレースの効果の強さは他のどんな睡眠薬と比べてみても非常に強力ですから、色々試しても思うような効果がなく、不眠症から一日でも早く抜け出したいと思っている人にとっての救世主となってくれることでしょう。

 

デメリット

サイレースのデメリットとして、睡眠の質が低下することが挙げられます。

寝つきは良くなり長時間眠っていられるのですが、浅い睡眠が増えてしまうため眠りの質としては落ちてしまいます。

しっかり眠っているのに疲れが取れなかったり、眠りが浅いために朝起きても眠気が覚めないといった症状が起こりがちです。

また、副作用にも注意しなければなりません。

サイレースは身体から抜けきるまでに24時間以上かかってしまうため、翌日以降も続けてサイレースを服用すれば、毎日少しずつ身体の中に蓄積されてしまう事になります。

その結果、サイレースを長期間服用すると副作用が目立ってくるケースがあるのです。

そして、効果が非常に強い睡眠薬だけに依存性も強いと言えます。

急にサイレースを減らしたり飲むのを止めたりすると、幻覚・せん妄・不安・イライラ・痙攣発作などの「離脱症状」や、不眠の症状がかえって悪化する「反跳性不眠」などを引き起こす場合もあります。

ちなみにサイレースは、その効果の強さから犯罪に利用された過去があります。

そのため、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなどでは、販売はもちろん持ち込みも禁止されています。

 

サイレースの副作用

サイレースの副作用

 

サイレースに限らず、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は基本的に安全性が高く、医師の指示を守って服用していれば重篤な副作用が発生することはまずありません。

とはいえ、副作用の心配がまったくないわけでもありません。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に見られる主な副作用は、ふらつき・日中への眠気の持ち越し・健忘・耐性・依存性です。

 

ふらつき

サイレースには筋弛緩作用(筋肉を和らげる作用)があるため、ふらつきを起こす人が多く注意が必要です。

とくに高齢者の場合は、薬が抜けきれていない状態でふらつくと転倒してしまう事があり、骨折などにつながる場合も考えられますので気をつけましょう。

 

日中への眠気の持ち越し

サイレースが身体に残っていると日中に眠気が起こるケースもあります。

眠気が抜けきれていないと感じたら、車の運転や危険が伴う作業などは控えるようにしてください。

 

健忘

睡眠作用が強いサイレースは、自分がしたことを忘れてしまう「健忘」にも注意が必要です。

もしも健忘の症状が見られたら、すぐに医師に相談しましょう。

 

耐性・依存性

耐性とは、飲み続けることでその薬に身体が慣れてしまい、量を増やさなければ効果が得られなくなる状態を言います。

依存性は、身体が薬に頼り切ってしまい、その薬なしではいられなくなる状態です。

耐性や依存性については睡眠薬全般に注意が必要ですが、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は耐性や依存性が低く、比較的安全性が高いと言われています。

ですが、サイレースはその効果の強さから、人によっては耐性や依存性も心配されています。

使用する際には、必ず医師の指示を守るようにください。

 

サイレースの服用量

サイレースは、「サイレース1mg錠」と「サイレース2mg錠」が販売されており、0.5mg~2mgの量で使用します。

一般的には2mgが上限で、高齢者の場合の上限は1mgとなっています。

効果のあらわれ方は個人差によって大きく左右されますので一概には言えませんが、だいたい一回の服用において0.5mg~1mgが一般的な量となっています。

サイレースは、ベンゾジアゼピン系の中でも最強クラスの強い睡眠作用がある睡眠薬です。

同じくベンゾジアゼピン系のセルシンやホリゾン(共に成分はジアゼパム)と比べると、その強さは約10倍だとの報告もあります。

ですが、実際に「サイレースが効かない」または「サイレースが効かなくなってきた」という声もあるようです。

 

サイレースが効かない時には?

サイレースが効かない時には?

 

では、サイレースが効かない場合はどうすればいいのでしょうか。

簡単に言えば、基本的に飲む量を増やせば効果も強くなって効きも良くなります。

ですが、0.5mgから1mgに増やしたからといって、単純に2倍の効果が得られるわけではないようです。

まして高用量になると、たとえば2.5mgから3mgに増やしたり、3mgから3.5mgに増やした方が、効果の差は小さくなっていくと言われています。

睡眠薬は、量を増やせば増やすほど効くというものではありません。

また、サイレースは耐性が低いとはいえ皆無ではありません。

長期にわたって服用していれば、最初は効き目があっても徐々に効果が感じられなくなってくる事もあります。

どのように効かなくなってきたのか、寝つきが悪くなったのか、夜中に目覚めてしまうようになったのか、早朝に起きてしまうようになったのかなど、どの症状に効かないのかをちゃんと見極めましょう。

それによって、量を増やすべきか薬を変えるべきかなど対処法が違ってくるのです。

効かないからといって闇雲に量を増やすのは、睡眠薬の乱用につながってしまいます。

医師に症状をしっかりと伝えて、自分に適している薬を処方してもらい、医師の指示をきちんと守って服用してください。

 

サイレースを服用する際の注意事項とは

サイレースを服用する際の注意事項とは

 

サイレースの服用に制限がある方

サイレースは、フルニトラゼパムに対してアレルギー反応を起こしたことのある方や、急性狭隅角緑内障の方、重症筋無力症の方は使用する事ができません。

また、肺性心や肺気腫、呼吸機能が高度に低下している方などは、医師の判断がなければ原則として使用できません。

そして、身体が衰弱している方・心臓に障害がある方・肝臓や腎臓に障害がある方・脳に器質的障害がある方がサイレースを使用する場合は経過に注意を払って、体調に変化があれば即座に医師に相談してください。

高齢者は副作用が出やすいので慎重に使用しましょう。

妊婦さんや赤ちゃんに授乳中のお母さん、現在妊娠する可能性のある方は、医師に前もって伝えておく必要があります。

 

サイレースとアルコール

飲酒に関しては、サイレースとアルコールとの併用によって中枢神経抑制作用が強くなってしまいます。

眠気が強くなったり思考力が落ちて反応が鈍くなったり、判断力や注意力や運動機能が低下したり、呼吸に異常が見られる事もあります。

また、薬が効きすぎて副作用がでたり、離脱症状が起こりやすくなる事も充分に考えられます。

睡眠薬とアルコールの併用は禁忌と心得て、服用中は禁酒を守るようにしましょう。

 

まとめ

サイレースは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒といった不眠症に有効なお薬で、数ある睡眠薬の中でも強い効果をもつ万能型の睡眠薬

 

サイレースは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒といった不眠症に有効なお薬で、数ある睡眠薬の中でも強い効果をもつ万能型の睡眠薬です。

不眠症などの睡眠障害でお悩みの患者さんにも人気があり、これまでの睡眠薬では効果が得られなかった方への最後の切り札的な要素も持っています。

ただし、アメリカなどでは未だに麻薬指定をされている、販売はおろか持ち込みも禁止となっている厳重注意に値する睡眠薬です。

日本においては市販薬もなく、専門の医師の処方のみで服用するため安全ではありますが、注意が必要なことに違いはありません。

睡眠専門の医師の診察を受けた上で、医師の指示を守ってきちんと服用しなければ、効果がないどころか逆に自分自身を苦しめることにもなりかねないのです。

「とにかく眠れるようにして欲しい」という方にサイレースは効果的ではありますが、睡眠薬に頼りきることはせず、朝起きたらすぐに太陽の光を浴びる、毎日少しでもウォーキングなどの有酸素運動をする、寝る1時間前にお風呂に浸かるなど、質の良い睡眠を得るために出来る事も並行して行っていきましょう。

私たち人間には体内時計があります。朝起きて夜には寝るというリズムが古来から刻まれているのです。

薬に頼らなくても自然の力で健康な毎日が送れるように、生活習慣の見直しから始めてみましょう。

関連記事

  • 睡眠薬「ロラメット」が効かない場合は?強さと効果・副作用の知識
    睡眠薬「ロラメット」が効かない場合は?強さと効果・副作用の知識
  • 睡眠薬「ルネスタ」が効かない時って?強さと効果・副作用の知識
    睡眠薬「ルネスタ」が効かない時って?強さと効果・副作用の知識
  • 睡眠薬「ユーロジン」が効かない時って?強さと効果・副作用の知識
    睡眠薬「ユーロジン」が効かない時って?強さと効果・副作用の知識
  • 睡眠薬「リスミー」が効かない時って?強さと効果・副作用の知識
    睡眠薬「リスミー」が効かない時って?強さと効果・副作用の知識
  • 睡眠薬「ドラール」が効かないときは?強さと効果・副作用の知識
    睡眠薬「ドラール」が効かないときは?強さと効果・副作用の知識
  • 睡眠薬「ベンザリン」が効かない場合って?強さと効果・副作用の知識
    睡眠薬「ベンザリン」が効かない場合って?強さと効果・副作用の知識
  • 睡眠薬「エバミール」が効かない時は?強さと効果・副作用の知識
    睡眠薬「エバミール」が効かない時は?強さと効果・副作用の知識
  • オレキシン受容体拮抗薬とは?作用機序と効果・副作用
    オレキシン受容体拮抗薬とは?作用機序と効果・副作用