
最近何だか眠れないなと感じると睡眠できないことに不安を感じてどんどん眠れなくなるということがあります。
そんな時、活躍してくれるのが睡眠薬や睡眠導入剤です。眠るための睡眠薬やスムーズに睡眠へと導いてくれる睡眠導入剤を服用することで不眠も一気に解消されます。
しかし、睡眠薬は強い薬とも言われており、長く使用するケースも考えられるため、副作用なども気になってしまいますよね。
睡眠薬にはどのような効果があり、どのような副作用が懸念されるのでしょうか?
この記事の目次
睡眠薬と睡眠導入剤の違い
睡眠剤という薬の他に睡眠導入剤と言う名前も聞いたことがあるのではないでしょうか?
睡眠薬は眠るための薬全般を指しますが、睡眠導入剤は睡眠に入りやすくする効果の高い薬を指します。
厳密に言えばこれらの薬の効果は違いますが、一般的にも睡眠薬と睡眠導入剤は同じとする場合が多いですし、医師の中には睡眠導入剤でも睡眠薬と説明する場合もあります。
睡眠薬の種類
睡眠薬と一口に言ってもいろいろな種類がありますが、大きくは2種類に分かれます。
これは不眠のタイプによって使い分けをするのが一般的です。
夜になかなか眠れないタイプには、寝つきを良くするための睡眠薬が処方されます。いわゆる「睡眠導入剤」がこれにあたります。
スムーズに入眠できるよう即効性の高い薬です。
また、眠りに入るという効果に焦点をあてた薬ですので睡眠効果は超短時間タイプと短時間タイプが主流になります。
もう一つは、比較的にすぐに眠る事ができても、夜中に何度も目が覚めてしまったり、朝早く目が覚めてしまうとそのまま睡眠に入ることができないという症状の不眠症に使う中時間型、長時間型というタイプの睡眠薬になります。
睡眠薬のタイプと効果の持続時間
睡眠導入のために用いられる睡眠薬には超短時間型と短時間型があります。
それに対して、夜中や早朝に目覚めてしまう中途覚醒に用いられるものに中時間型、長時間型の睡眠薬があります。
どのタイプにも長所と短所があるので、自分の不眠の症状がどのタイプに属するのかということをしっかり知っておく必要があります。
例えば、なかなか寝付くことができないタイプの不眠症の人が超短時間型や短時間型の薬を服用すれば、寝つきが良くなるので効果がありますが、長時間タイプの睡眠薬を服用してしまうと体内に長時間睡眠薬の効果が続くために翌日まで睡眠薬の影響で眠気が続いてしまいます。
タイプ別~代表的な睡眠薬~
超短時間型
超短時間型の睡眠薬はなかなか寝付けないというタイプの不眠症に効果があります。
有名な代表的な薬に、マイスリー、ハルシオン、アモバン、ルネスタ、ロゼレムなどがありますが、いずれも薬を服用してから10~15分ほどで効果が出始め、その効果は長くても5時間ほどしか続きません。
短時間型
睡眠導入ための薬で比較的効果が出始めるまでの時間が長く、効果の持続時間が長いのが短時間型の睡眠薬です。
ほとんどもものが30分以内に効果が出始め、作用の持続時間は長いもので10時間ほどです。
代表的なものにリスミー、デパス、レンドルミン、エバミールロラメットなどがあります。
中時間型
夜中に起きてしまうという中途覚醒タイプには、中時間型の睡眠薬を使います。
代表的なものにサイレースロヒプロールやベンザリンネルボンがあります。
これらは効果が30分程で眠気が生じ、効果の持続時間が20~25時間ほどあります。
持続時間が長いので、次の日にまで眠気が残ってしまうことがあります。
長時間型
長時間睡眠を持続させるための薬としてはドラール、ダルメート、ソメリンといったものがあります。
睡眠持続時間も一日以上というように長く効く睡眠薬になります。
長時間作用型睡眠薬はうつ病などの精神的疾患の方の抗不安薬として処方されることが多く、数日に渡って眠気に襲われるのが特徴です。
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睡眠薬の注意すべき副作用
副作用のない薬はないと言われていますので、睡眠薬でもしっかり副作用を注意しておく必要があります。
持ち越し効果
睡眠薬の効果が長時間に渡って体内に残留するために、翌朝や翌日の日中になっても、眠気が残ったり、集中できなかったり、頭痛やめまい、ふらつきなどの症状が出てしまうことがあり、それが代表的な副作用と言えます。
自身の不眠症に適した処方でなかったり、睡眠薬が効きすぎると長時間副作用が継続してしまうので注意が必要です。
筋弛緩作用
睡眠薬の成分が体に残っていると、体に力を入れにくくなるのでふらついたり、転倒する危険性があります。
記憶障害
睡眠導入剤などを使用すると、睡眠に入るまでの出来事や夜中に起きたことなどの記憶が出来ないということがあります。
奇異行動
睡眠薬を飲むことで普段にはない攻撃的な行動をしたり、神経が高ぶって緊張したり、不安感が増すことがあります。
特に睡眠薬とアルコールを同時に摂取すると奇異行動が出ることが多いので睡眠薬を服用するときはアルコールを控えましょう。
依存の可能性
昔の睡眠薬は副作用として睡眠薬への依存性が心配されていました。
現在の国内で処方されることの多いベンゾジアゼピン系の睡眠薬は昔のバルビツール酸系の睡眠薬よりも依存性が低いとされています。
また、睡眠薬の使用を突然やめると睡眠薬を服用し始めた頃よりも不眠の症状が重くなるという場合があります。
このため睡眠薬の使用をなかなかやめられず依存してしまうことがあります。
まとめ
睡眠薬は不眠の悩みを解消するためには非常に有効な薬です。
なかなか寝付けないという症状や夜中に何度も目覚めてしまうということが続くと心身ともに疲労してしまうので睡眠薬を利用するのは良い方法です。
難しいのは、自分にはどのタイプの薬があっているのかということを見極めることです。
そのためにも専門医に具体的な不眠の症状を相談して適切な薬の処方をしてもらいましょう。
また、睡眠薬にはいろいろな副作用の危険もありますので処方された薬でも体に異変があったり、体調が優れない時は専門医にすぐに相談しましょう。
睡眠薬は不眠を解消する薬ですが、睡眠障害を治療する薬ではありません。
眠ることができるようになれば、次はなぜ眠れないのかという根本的な不眠の原因を専門医と共に考え、治療する必要があります。
良い睡眠をとるためにも、就寝時間前はスマホなど神経を高ぶらせるような電子機器の使用を控えたり、部屋を暗くして静かな環境を作るというようなことも大切です。