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あなたもショートスリーパーになれる!?短時間睡眠を継続する方法って?

  • 最終更新日:2017.07.05
  • 公開日:2017.07.05
あなたもショートスリーパーになれる!?短時間睡眠を継続する方法って?

人間にとって最適な睡眠時間は、一般的には7時間~8時間と言われています。

それ以上長い時間眠ることは健康にも良くないとされていますが、極端に短い時間の睡眠も体に悪影響をもたらします。

ショートスリーパーといわれる1日3時間~それ以下の睡眠では、深い睡眠のノンレム睡眠も、浅い睡眠のレム睡眠も十分な時間が確保できず睡眠時間が不足してしまうのです。

また、睡眠時間が足りていないと、車の運転やパソコン作業などの視覚を使う仕事にミスが増えやすく、貧血や自律神経失調症などの病気を引き起こす可能性もあります。

睡眠時間が短い人は毎日の生活に支障があらわれるということは、様々な実験や日々のニュースで流れる事件や事故にも裏付けられています。

ですが、ショートスリーパーになって「仕事で夜が遅くなっても朝すっきり起きたい」、「短い時間で効率良く眠ることができれば一日の活動時間を長くすることができる」など「短時間睡眠で快適に過ごせたらいいのに…」と一度くらい考えたことがある人も多いのではないでしょうか?

今回は短時間睡眠のコツについて、そして短時間睡眠を実行した時に弊害などについて見ていくことにしましょう。

働く大人の平均的な睡眠時間は?

働く大人の平均的な睡眠時間は?

 

残業で家に帰るのが遅い、仕事が忙しい、同僚や友達との付き合いがあるなど、十分な睡眠時間を担保できない理由は人によって様々です。

あるアンケートによると、日本の社会人の平均的な睡眠時間は、平日で5~7時間という人が約68%を占めるという結果がでています。

また、5人に1人は睡眠時間が5時間未満であると答えているそうです。

休日は平日に比べて約10倍の人が8時間以上睡眠をとっているそうなので、平日の睡眠不足を休日に補っているという傾向にあるようです。

せっかくの休日を、睡眠のための時間にしているという人が多いのが現状となっています。

また、約8割の人が、起床予定時間よりも早く目が覚めてしまうそうで、眠りが浅く不眠症などの睡眠障害を発症している可能性があるということも分かっています。

 

短時間睡眠に最適な時間は4時間半?

十分な睡眠時間が確保できない場合、短時間睡眠で快適な眠りを得ることはできるのでしょうか?

短時間睡眠でベストな睡眠時間は4時間半と言われています。

ではなぜ4時間半がベストなのでしょうか?

まず、眠りの種類についての説明からしていくことにしましょう。

 

睡眠のサイクルと眠りの深さの関係

睡眠のサイクルと眠りの深さの関係

 

眠りには2つの種類があり、この2つの眠りが睡眠を司っています。

 

1.レム睡眠

一般的に浅い眠りといわれています。

この時、体は深い眠りの中にありますが脳は活発に活動している状態です。

レム睡眠時に脳は記憶を整理し定着させます。感情の調整なども行います。

脳が活動しているため、夢を見るのはこの眠りの浅いレム睡眠の時です。

睡眠全体では約20%を占めています。

物音などで目が覚めやすいので、レム睡眠時に目覚めると寝起きが良くなります。

 

2.ノンレム睡眠

一般的に深い眠りといわれているのがノンレム睡眠です。

この時は、体も脳も完全に休んでいる状態で、体は眠っていますが、筋肉は働いています。

体はノンレム睡眠時に成長し、傷ついた細胞を修復し、心身のストレスを緩和したり、ホルモンが分泌されている時間です。

眠りの深さは4段階に分かれており、睡眠段階1と2が浅睡眠、睡眠段階3と4が深睡眠といわれています。

ノンレム睡眠が深い眠りといわれるのは、この睡眠段階3と4を指します。

 

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レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル

睡眠は、目が覚めるまでレム睡眠とノンレム睡眠を個人差はありますが、約90分1セットで繰り返されています。

眠ってから3時間でノンレム睡眠の中でも深い睡眠の割合は80~90%に達します。

その後の睡眠の後半では浅い眠りのレム睡眠がやってくるというサイクルです。

浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を繰り返すサイクルが90分なのであれば、3時間、4.5時間、6時間、7.5時間と90分サイクルの倍数で眠ることで朝はすっきりと目覚めることができます。

ところが、ノンレム睡眠は、眠りについてから3時間以内で最も深くなり、以後3時間~5時間以内が2番目に深い眠りとなるのです。

眠ってから5時間以降はある一定のレベルでレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しますが、3時間以内のノンレム睡眠よりも浅い眠りとなります。

つまりこれが、眠り始め5時間以内の睡眠が最も深く、また90分の倍数である4時間半が睡眠時間としては最適な時間といわれている理由なのです。

 

何時から何時まで眠るのが良い?

短時間睡眠は「4時間半」が最適であるということが分かりましたが、この睡眠を何時から何時の間に取るのが良いのでしょうか?

就寝中には人間の睡眠に関わる3つのホルモンが分泌されます。

これらのホルモンが分泌され、その影響を受けるレム睡眠とノンレム睡眠が競合しない時間帯が、4時間半の短時間睡眠をとるのに一番良いとされる午前0時から午前6時の間なのです。

 

睡眠時に働く3つのホルモン

睡眠時に働く3つのホルモン

 

 

1.成長ホルモン

人間の成長に深く関わっている成長ホルモンは、アミノ酸で構成されている物質です。

骨の発達・身長を伸ばす・筋肉の強化・バストアップなど、体の組織の成長を促します。

もう一つの主な働きは、脳の疲労を回復・脂肪の燃焼・体の抵抗力を強める・皮膚や筋肉の組織修復と再生など、代謝をコントロールします。

この成長ホルモンは、副交感神経が優位な夜間に分泌されるため、ホルモン分泌のためにはノンレム睡眠の時間が重要となってくるのです。

 

2.メラトニン

メラトニンは睡眠ホルモンです。

このホルモンが分泌されることで副交感神経が優位になり、体温や血圧が下がり、体が眠りにつくための準備をします。

脳が眠りの準備が整ったと認識することで自然と眠りにつくことができるのです。

メラトニンの分泌は、セロトニンというホルモンの増加によって左右されるため、日中セロトニンが正常に機能することで夜間メラトニンの働きを促進することができます。

 

3.コルチゾール

コルチゾールは、副腎皮質ホルモンの一種です。

糖・たんぱく質・脂質・代謝・免疫に関わります。

身体の構成を司っているだけでなく、ストレスを予防する抗ストレス作用もあり、人間の生命維持に欠かせない重要なホルモンです。

体にとってとても重要なホルモンではあるのですが、コルチゾールが増えすぎると副腎への負担が大きくなり、ホルモンバランスが崩れてしまいます。

また、コルチゾールが増加することで、睡眠ホルモンである「メラトニン」を減少させてしまうため不眠症に陥りやすくなる可能性もあります。

 

睡眠効率を上げる就寝時間は?

さらに短時間睡眠のコツとして、寝つきを良くし睡眠で効率良く疲れをとるためには午後23時~午前2時の間に眠るのが理想的です。

この時間帯に眠りにつくことで、心身の回復を行う成長ホルモンの分泌も良くなります。

成長ホルモンは子供の成長期特有のものと思われがちですが、大人でも成長ホルモンは分泌されていて、疲労回復や組織の修復を行ってくれています。

また健康な体を作るだけでなく、脂肪の燃焼、バストアップ、若さや美肌を保つアンチエイジングの効果もあるのです。

特に眠りが深くなる時に成長ホルモンが最大分泌され、それ以降の分泌は下がっていきます。

明け方の午前5時~午後23時の間には成長ホルモンはほぼ分泌されていないので、可能な限りホルモンバランスが最適な状態になるこのゴールデンタイムに就寝できる方が良いでしょう。

23時にはまだ帰宅していない方も、遅くても午前2時までには就寝することが非常に重要です。

 

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最適な起床時間は何時から何時か?

十分な睡眠時間が確保できていない人は大抵の場合、寝起きが悪かったりすっきりした目覚めが得られていません。

起床に最適な時間は何時なのでしょうか?

朝の目覚めを良くするためには、太陽の光を浴びることができる5時半~8時半の間に起床することです。

この時間に起床することで、コルチゾールとメラトニンがしっかりと働き日中に活動できるよう体の準備をしてくれます。

 

コルチゾールの分泌時間

コルチゾールは睡眠中にブドウ糖や脂肪をエネルギーへと変換してくれるのですが、変換するタイミングは午前3時頃から分泌量が増え出し、午前5時半~午前8時半の間に最も多く分泌します。

コルチゾールは食事をしていない起き抜けの体のエネルギー代わりになってくれるため、コルチゾールの分泌量が多い時間に合わせて起床することが重要になってきます。

 

メラトニンの分泌時間

メラトニンの分泌時間

 

メラトニンは眠りを司る睡眠ホルモンなので、人間を眠くしたり起こしたりという作用があります。

日中人間が活動できるのは、太陽の光がメラトニンの分泌を抑制しているからなので、太陽が沈んだ夕方頃から徐々に分泌量が増えてきます。

注意しなくてはいけないのは、午前2時~午前4時頃の極端に早い時間に起床すると、メラトニンの分泌がまだ高い時間帯です。

この時間帯は太陽の光で体を起こすこともできないため、まだ眠気が残っている状態の頭と体を無理やり起こすことになります。

体が眠ろうとしている状態で無理をさせてしまうと肉体的だけでなく精神的にも大きな負荷がかかることになります。

よって起床に最適なのは、コルチゾールの分泌量が増え、メラトニンの分泌量が減り、太陽の光を浴びることができる時間帯として、午前5時半~午前8時半ということになります。

 

短時間睡眠による弊害はあるの?

短時間睡眠による弊害はあるの?

 

短時間睡眠は体と睡眠のメカニズムを知らずに気合いと根性で行うと失敗しやすいだけでなく、短時間睡眠自体を続けることで慢性的な睡眠不足に陥り、心身に大きな負担をかけてしまいます。

結果的に健康を損なうことになりますし、体の疲労回復にかかる時間も倍になります。睡眠不足によるストレスを取り除くためにはより大変な努力しなければいけなくなります。

休日を犠牲することはもちろん、平日も強い眠気によって仕事のパフォーマンスが落ちたりケアレスミスが増えたりと、ゆくゆくは日常生活に支障をきたすようになります。

思考力の低下、うつ病、免疫力が落ちることで病気になりやすくなるので、以下のような症状があらわれたときには、不眠症や睡眠不足の状態なので、毎日の睡眠を見直した方が良いでしょう。

 

・体の回復が遅く、毎日疲れている

・常に体が重い

・集中力がなく簡単なミスが増えた

・日中昼寝以外で居眠りをしてしまう

・些細なことでイライラしてあたってしまう

・肌荒れがひどくなった

・考える力や記憶力が低下したと感じる

・食欲がなくなった、もしくは食欲が増加し体重が増えた

・不安な気持ちが強い

・小さなことでも気分が落ち込み、すぐ不安になる

・うつ病、もしくは高血圧などの病気と診断された

 

短時間睡眠による弊害は様々なところにあらわれ日常に影響を与えます。

無理な短時間睡眠は心身の健康を損なう恐れが大きいため、効率良く短時間睡眠をとりたい場合には、睡眠のメカニズムを知って無理のない就寝・起床方法を実行するようにしましょう。

 

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短時間睡眠を継続させるコツ

短時間睡眠を継続させるコツ

 

短時間睡眠を健康的に継続させるためにはいくつかのコツがあります。

以下で紹介していくことにしましょう。

 

1.体内時計を調整する

体内時計を調整するには、ホルモンバランスを整えることが重要です。

まずは朝太陽の光をしっかりと浴び、起床と就寝の時間をはっきりと体に認識させましょう。

朝起きたらカーテンを開けることを習慣づけましょう。

毎日一定時間光を浴びることでホルモンバランスが整います。

朝の身支度なども出来るだけ日光に当たりながら準備するとより効果的です。

そして、大切なのは朝食です。

毎朝朝食を摂ることでしっかりとエネルギーを蓄えることができ、これが日中の活動量に差をつけます。

睡眠中はコルチゾールが体に蓄えていた脂肪やグリコーゲンをエネルギーに変えていますが、このエネルギーは午前10時頃には切れてしまいます。

きちんと朝食を摂ることでエネルギー切れを防ぐことができます。

日中しっかりと活動することで体内時計が調整され、質の良い睡眠につながるのです。
関連記事
>>知っておきたい「睡眠」と「光」の関係~眠りに最適な明るさとは?

 

2.睡眠のための夜の準備を行う

質の良い睡眠をとるためには眠る前の準備も大切です。

夜は強い光を浴びないように、午後21時頃からは部屋の明かりを間接照明に切り替えましょう。

また、体を動かすことで適度に疲れぐっすりと眠ることができます。

ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの軽めの運動を就寝の2時間前に行うと効果的です。

放熱されることで体温が下がり、寝つきが良くなります。

激しい運動は逆効果となりますので、あくまで軽めに体を動かすことにとどめましょう。

そして覚醒作用のあるカフェインや交感神経を刺激するアルコールも質の良い眠りのためには控えるようにしましょう。
関連記事
>>不眠症を解消する睡眠によい運動方法

 

平日は短時間睡眠、休日は少し長く眠るのがポイント!

平日は短時間睡眠、休日は少し長く眠るのがポイント!

 

4時間半の短時間睡眠を続けていると、レム睡眠の時間が減少してしまいます。

レム睡眠は浅い眠りの睡眠ですが、この時間に記憶の生理や心のメンテナンスを行っているため、睡眠時間の不足が続くことで精神的な負荷が大きくなってきます。

心身に弊害が出てくることになりますので、平日に短時間睡眠の場合は、休日は平日より少し長く眠るというサイクルを心がけましょう。

但し、睡眠時間を伸ばすときには起床時間はあまり変えず、就寝時間を早めるようにします。

就寝時間を変えれば、ホルモンバランスを崩すことも体内時計を狂わせることなく対応することができます。

 

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まとめ

まとめ

 

短時間睡眠は、睡眠の質を上げて睡眠時間を短くしていくことなので、決して無理をしてはいけません。

心身に無理のない範囲で行わなければ結果体調を崩すことになります。

理論上は4時間半が最適な短時間睡眠の睡眠時間とされますが、継続には自分が一番無理のない範ちゅうの最も短い睡眠時間と考えましょう。

短時間睡眠を継続させるためのコツについては、不眠症を患っている人にも効果的な方法です。

夜眠りが浅い人や寝つきが悪い人もぜひこの方法を試してみてください。

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