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睡眠薬「ロヒプノール錠」が効かない時って?効果と強さ、副作用の知識

  • 最終更新日:2018.11.01
  • 公開日:2018.05.10
知っておきたい!ロヒプノールの効果と強さ、副作用について

睡眠薬であるロヒプノールはベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は副作用も少ない上に良く効く睡眠薬として不眠症などの治療に広く使用されていますが、具体的にどのような面で他の睡眠薬よりも優れているのでしょうか?

また、あまり副作用がないとして安心して使用されているロヒプノールですが、本当に副作用の心配はないのでしょうか?

見ていくことにしましょう。

ロヒプノールとは?

ロヒプノールとは?

1984年に発売された睡眠薬で、一般名をフルニトラゼパムと言います。

ロヒプノールは中外製薬が販売している睡眠薬ですが、エーザイでも全く同じ成分の睡眠薬をサイレースという名前で販売しています。

ロヒプノールはベンゾジアゼピン系の睡眠薬の中でも非常に催眠作用の強い薬として有名です。

服用すると約1時間で薬の血中濃度が最大になり深い眠りに落ちますが、その後6時間ほどでやっと薬の血中濃度が半減していきます。

薬の効果は安定しており、使いやすい薬として有名ですが、その反面、効果が強く出すぎたり、薬に依存してしまうという人が多くなっていると指摘されています。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬

不眠のための治療に睡眠薬は使われますが、睡眠薬にも色々な種類があります。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は1960年代から使われている非常に古くから親しまれている睡眠薬が多く、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が登場するまではバルビツール系の睡眠薬が一般的でした。

ですが、バルビツール系の睡眠薬は効果が非常に強く、副作用も大きく大量服用することによって最悪は死亡するというケースもありました。

この危険な副作用を回避するために開発されたのがベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

現在の日本ではこの歴史のあるベンゾジアゼピン系の睡眠薬に変わってもっと副作用の少ない非ベンゾジアゼピン系の薬やメラトニン受容体作動薬やオレキシン受動体拮抗薬などの全く新しいタイプの睡眠薬が主流になってきています。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬はアルコールと作用機序が似ているので相性が悪く一緒に服用しては危険です。同時に服用すると酷く酔いが回ったり、いつもよりも睡眠効果が高くなったりします。

ロヒプノールは最強の睡眠薬!?

ロヒプノールは最強の睡眠薬!?

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬も様々ありますが、その中でもロヒプノールは最強の睡眠効果がある薬のうちの一つです。

強い薬というのは睡眠効果が強いというわけではなく、強さが最大になる時間が早かったり、睡眠の効果の持続時間が長かったりするもので、睡眠の深さが深いということではありません。

同じベンゾジアゼピン系の弱い薬でもピーク時の眠りの強さはロヒプノールのような強いとされる薬と変わりはないということです。

ロヒプノールは通常1回の服用に0.5ミリグラムから2ミリグラムを使いますが、その薬の効果を強めたいとき時は薬の量を増やすことになります。

ロヒプノールの使用する際も効き目を最大限に活かし、副作用が出ないように、まず少量である0.5ミリグラムほどからその効果と副作用を試して量を調整します。

作用時間は中時間系

作用時間は中時間系

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、作用時間から4種類ほどに分かれています。

薬は服用後の血中濃度がピークになり、その後の血中濃度は半分になるまでをその薬の効果の目安としていますが、ロヒプノールは半減期が12~24時間という中時間型のグループに属しています。

睡眠薬の強さ 出現時間 持続時間
超短時間作用型 10~15分 2~4時間程度
中間作用型 30分 20~25時間程度

ロヒプノールはベンゾジアゼピン系の最強の睡眠薬となっていますが、中時間型よりももっと半減期が長時間になる長時間型の睡眠薬もあります。

また、ベンゾジアゼピン系にも薬の半減期が2~4時間の長短時間型の薬、半減期が6~10時間という短時間系のものもあります。

ロヒプノールは服用後1時間から1時間半ほどで血中濃度がピークになり、半減期は約7時間とされています。

ロヒプノールは血中濃度のピークが服用してからかなり早い段階に来るので即効性がありますし、薬が効いている時間も長い薬なのでベンゾジアゼピン系の睡眠薬でも強い薬で知られています。

もちろんロヒプノールよりも即効性があり、作用時間のもっと長い睡眠薬はたくさん存在しますが、不眠症で夜になかなか寝付けなかったり、夜に何度も起きてしまうという症状の人にはロヒプノールがちょうど良い程度の効き目の睡眠薬として使用することが多いのです。

どんな不眠症にロヒプノールは適している?

どんな不眠症にロヒプノールは適している?

なかなか眠れない、夜に何度も起きてしまう、ぐっすり眠れないという症状がある程度続いていると不眠症になります。

不眠症にもタイプの異なる不眠症があります。

寝ようとしているのに布団に入ってもなかなか眠れないという入眠困難なもの、夜中に何度も起きてしまって、朝までしっかり深い睡眠をとれないというもの、朝方の早い時間に目覚めてしまうともう再び眠る事ができないというものなど…不眠症の症状がどのようなものかにより服用する睡眠薬もその量も違ってきます。

自分の不眠の症状をできるだけ細かく把握し、その情報を受診する医療機関に持参することが適切な不眠症治療の薬を選択するために重要になってきます。

ロヒプノールは中時間型睡眠薬で、服用後1~1時間半ほどで血中濃度がピークとなり、効果の半減期は服用後7時間ですので普通の暮らしをしている一般的な人の睡眠の形と寄り添った効果を発揮することになります。

就寝前1時間くらいに服用すると、布団に入って横になった後すぐに入眠する事ができますし、成人の睡眠間を7~8時間ほどと考えると、ロヒプノールは半減期が7時間ほどなので朝までしっかり眠る事をサポートすることができます。

このため、なかなか寝付けないという入眠困難型の不眠症の人と夜中に何度も目覚めてしまうという中途覚醒型の不眠症の人の両方にしっかり効き目を表すことになっています。

効き目が良く副作用も少ない睡眠薬としてロヒプノールは人気があります。

ロヒプノールの効果と強さは?

ロヒプノールの効果と強さは?

現在の日本でよく使用されているのがベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

ロヒプノールはベンゾジアゼピン系の睡眠薬ですが、作用機序としては、脳の活動を抑えることで睡眠を促します。

具体的にはGABAという物質が脳の活動を抑えることで睡眠を促しますが、GABAは脳の中の情報のやり取りに関係する神経伝達物質です。

GABAがリラックス効果をもたらすことで、脳の神経細胞の活動を抑えてくれるのです。

ベンゾジアゼピン系のロヒプノールは、服用することでGABAの働きを良くして脳の中の情報伝達を抑制します。

ロヒプノールは即効性があると言われる通り、効いてくるとGABAの働きが急激に強くなるので、徐々に睡眠するというよりは、突然眠気が襲ってきて短時間に入眠するという感覚があります。

睡眠薬の中で人気の理由

睡眠薬の中で人気の理由

ロヒプノールは不眠症全般に向いている睡眠薬です。

強さや作用時間などどれを取ってもバランスが良いところが人気の理由です。

なかなか寝付けない入眠障害の人、夜中に何度も起きてしまうという中途覚醒の人、早朝に起きてしまう早期覚醒の人という不眠症の大部分の症状にしっかり効果を表します。

薬を服用したその日から効き目のある薬ですので不眠症を一刻も早い回復をしたい人には適していると言えます。

服用する量にもよりますが、1回服用すると6~8時間ほどの睡眠が期待できます。

ロヒプノールによる睡眠の質

ロヒプノールによる睡眠の質

不眠症の症状を抑えるために使用されるロヒプノールですが、眠れない症状の人が眠れるようになるで、一見問題解決のように見えます。

しかし、ロヒプノールによる睡眠は質が悪いとされています。睡眠は睡眠時間が長ければ質が良いというものではありません。

人間は睡眠の間、起きることがなくても浅い睡眠と深い睡眠を繰り返し睡眠のリズムを作っていますが、良い睡眠というのは深い睡眠の時間にどれだけ深く眠れるかということにかかっています。

ロヒプノールを服用すると即効性があるので入眠はスムーズですが、その後深い睡眠には到達せずに浅い睡眠の時間の時間が増えます。

このため、睡眠時間は以前よりも長いのに起きてもだるかったり、眠たかったりしてスッキリ起きることができなくなります。

ロヒプノールの副作用

ロヒプノールの副作用

ロヒプノールを服用すると、即効性があるので1時間から1時間半ほどで血中濃度がピークになり眠ってから約7時間ほどすると血中濃度が半分になり効き目が落ちてきます。

しかし、一度ロヒプノールを服用するとその薬が身体から排出されるまでに24時間以上かかるために、次の日もまた同じ時間に服用すると、まだ身体にロヒプノールが残っているところに更に同じ薬を服用することになり、体の中にロヒプノールを蓄積してしまうのです。

そのため、ロヒプノールを長期間服用し続けると副作用が生じてきます。

日中であるにも関わらず、ロヒプノールが体内に残っていると何となくだるかったり、眠かったりして物事に集中できません。

また、依存性が高いので服用を突然止めてしまうとイライラしたり、不安や焦燥感で精神が不安的になります。精神が不安定になることによって、もっと不眠症の症状が酷くなったりすることもあります。

また、ロヒプノールによる『身体のふらつき』は特に注意が必要です。

ロヒプノールは筋弛緩作用がありますので、身体の不自由な人や高齢者には危険が及ぶことがあります。夜中にトイレに立ったり、朝に布団から出た時などは意識的に気を配ることが大切です。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は睡眠薬の中でも比較的安心ですが、副作用を懸念して非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が開発されたほどですので、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬よりは副作用が出やすいと考えられます。

眠れないときにさっと眠れるという薬があれば誰でも頼りたくなりますが、効果が強い薬ほど依存性が高くなることを覚えておきましょう。

また、服用量が多く、長期間使っている場合も副作用が懸念されます。

薬を使用する際には、主治医から副作用などの説明があると思いますが、しっかり注意事項を確認し、相談しながら服用する量や期間を決めましょう。

自分勝手に量を調節したり、頻度を上げたり下げたりすることのないようにしましょう。

海外では使用禁止の国もある

海外では使用禁止の国もある

ロヒプノールは日本国内では非常にバランスの良い即効性のある睡眠薬として人気がある一方、アメリカやカナダ、オーストラリアでは販売を始め、持込まで禁止されている薬物に当たります。

これらの国を旅行する場合は時差ぼけで眠れないかもしれないからという軽い気持ちでロヒプノールを持ち込んでしまうと、入国ができなくなります。

日本では非常にメジャーな睡眠薬でありながらアメリカで持ち込みが禁止されている訳には、ロヒプノールの持つ即効性や作用が強いということが原因しています。

外国では効き目の強い睡眠薬が性犯罪に使用されることも多いですし、依存性の強い薬なのでイライラしたり、不安になったり、焦燥感で攻撃的になったりすることがあるからです。

以前のロヒプノールは水に溶かしてしまえば無色透明になるため、知らず知らずのうちに意図的に飲まされ、犯罪に巻き込まれる危険性もありましたが、現在では色をつけたロヒプノールが主流になってきています。

まとめ

まとめ

不眠症の治療薬として使われるロヒプノールはベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は日本国内では使用される頻度も高く、歴史のある睡眠薬ですが近年ではベンゾジアゼピン系の睡眠薬よりも副作用が少ないとされる非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を使う医師も多くなってきました。

ロヒプノールはベンゾジアゼピン系の睡眠薬の中でも非常に強い薬であると言われており、中時間型の睡眠薬に位置づけされています。

ロヒプノールを服用してから1時間ほどで血中濃度がピークになるので就寝前に服用することで比較的簡単にストンと入眠することができます。

作用する時間が7時間ほどで、普通の人の睡眠時間を確保するためにはちょうど良い効き目であるため、人気がある薬となっています。

不眠症の人の悩みを全て網羅できるような効能があるためどうしてもロヒプノールを長期間使用してしまう方も多いですが、ロヒプノールがどんどん体内に蓄積されてしまうことから依存度が高くなってしまいます。

ロヒプノールを使用する際は量や使用する期間をしっかり担当医師と確認して使用することが大切です。

勝手に服用量を変えたり、突然飲まなくなったり、自分勝手に飲みはじめるということをすると不安感が増したり、焦燥感で犯罪を起こしやすくなったり、余計に酷い不眠症になることもありますので注意しましょう。

医師に指示された服用方法や期間をしっかりと守った上で安全に利用しましょう。

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