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睡眠薬「リスミー錠」が効かない時って?強さと効果・副作用の知識

  • 最終更新日:2018.06.28
  • 公開日:2017.12.07
睡眠薬「リスミー」が効かない時って?強さと効果・副作用の知識

リスミーはシオノギ製薬から1989年に発売された、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は副作用も少なく安全性が高いため、良く処方される薬でもありますが、その中でも特にリスミーは優しく作用してくれることで、広く流通している睡眠薬となっています。

睡眠薬の中には向精神薬と併用しているものも多いですが、リスミーは催眠鎮静剤として分類されているちょっと特殊なお薬です。

マイルドな効能から、処方などにも制限が課せられていませんので、長期間使用できるのもリスミーならではと言えるでしょう。

ここではリスミーの効果や副作用、そして効かない場合のことについても紹介させていただきます。

睡眠薬「リスミー」の特徴

睡眠薬「リスミー」の特徴

 

リスミーは一般名をリルマザホンと言います。

睡眠鎮静剤は睡眠を促し、それを持続させてくれるお薬です。

ひと昔前までは、パルビツール酸系の睡眠鎮静剤が主流でしたが、依存性が高いことから、最近ではリスミーの属するベンゾジアゼピン系の睡眠鎮静剤が使われるようになりました。

パルビツール酸系の睡眠鎮静剤と比べるとベンゾジアゼピン系の睡眠鎮静剤は作用も抑えめですが、安心して使えることから病院などでも良く用いられています。

リスミーは他のベンゾジアゼピン系と同じで、脳の興奮を抑える神経伝達物質GABAに作用することで、眠りに誘導してくれます。

現在では、1㎎、2㎎の錠剤の取り扱いがあります。

 

リスミーの用法

不眠症などで処方される場合、成人は1回1㎎から2㎎が処方されています。

もちろん医師の判断により、年齢、症状、疾患などによって増減させることもありますが、高齢者の場合には1回2㎎までと制限されています。

他の睡眠薬同様、安定剤や抗うつ剤などとの併用は禁止で、飲酒やカフェインなども副作用、効果を増幅、半減させてしまうため、控えるよう指導されています。

 

リスミーの強さは?

睡眠薬の強さはその作用時間によって分類されています。

分類の基準についてまずは見ていくことにしましょう。

睡眠薬の分類は以下の4種類に分けることができます。

 

睡眠薬の強さ 出現時間 持続時間
超短時間作用型 10~15分 2~4時間程度
短時間作用型 15~30分 6~10時間程度
中間作用型 30分 20~25時間程度
長時間作用型 30分~1時間 24時間以上

 

持続時間は半減期を基準に計算しており、薬の濃度が半分になるまでかかる時間を示しています。

その薬の強さを知る目安となりますが、リスミーはこの中でも短時間作用型に分類されています。

リスミーは薬の血中濃度がピークに達するまでの時間は3時間ほどとなっていますので、入眠時の睡眠の手助けにはなりませんが、半減期までは10.5時間ほど持続します。

短時間作用型の中では、薬の効果が長くなっていますので、朝まで睡眠をカバーすることも可能です。

リスミーの薬の強さは「弱め」です。

他の睡眠薬と比べ、優しく働いてくれる薬と言えるでしょう。

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リスミーの効果とは?

リスミーの効果とは?

 

リスミーはベンゾジアゼピン系でGABAの働きを活性化し、眠りへと導いてくれる薬となっていますが、実際にはどんな効果があるのでしょうか?

ここではリスミーの効果について詳しく見てみることにしましょう。

 

1.睡眠中の覚醒を抑えてくれる

リスミーは、短時間作用型の睡眠薬の中でも特に長く効いてくれるお薬です。

半減期までの時間が10.5時間と長いため、寝ている間の覚醒に効果を発揮してくれます。

このような覚醒は、たいてい浅い眠りのレム睡眠時に起こりますが、レム睡眠は寝てから90分ごとに何度もやってきます。

そのため同じ短時間作用型の睡眠薬でもカバーしきれないことがあるのです。

睡眠障害のタイプにもよりますが、一度目のレム睡眠のタイミングしかカバーできないと、それ以降はやはり目が覚めてしまうことになります。

せっかく睡眠薬を服用したのにこれでは意味がありませんよね。

自分の睡眠タイプにもよると思いますが、何度も覚醒してしまう、夜中以降に目が覚めてしまうと言う場合には、やはり長く作用する睡眠薬が効果的です。

リスミーの血中濃度が10時間で薬の効果が半減すると言うことは、7時間、8時間の睡眠時間をとっている場合、すべての睡眠の間中、作用してくれることになりますので、しっかり眠りをサポートしてくれる睡眠薬と言えるでしょう。

 

2.質の良い睡眠、深い睡眠を増幅させてくれる

一般的に非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬はレム睡眠への影響が少なく、レム睡眠の質を変化させることはありませんが、リスミーの属するベンゾジアゼピン系の睡眠薬は浅い眠りが増え、深い眠りであるノンレム睡眠時間を減少させてしまうと言われています。

レム睡眠と違い、ノンレム睡眠は実は4ステージに分かれており、その中でも最も眠りの深い3ステージ、4ステージを徐波睡眠と呼んでいますが、この徐波睡眠は眠り始めごろに最も多く見られる睡眠の質に深く関係している睡眠です。

リスミーにはこの徐波睡眠を増幅させる効果が認められています。

睡眠に入って、徐波睡眠が見られる時間帯にちょうど良く睡眠薬の作用が効いてくれるため、その深い睡眠を増幅させることができるのです。

睡眠の質に直結する徐波睡眠が増えるということは、よく眠った感じも得られることになりますので、素晴らしい効果と言えるでしょう。

 

3.長く使用できる安全さ

一般的に睡眠薬は向精神薬と兼務して処方されています。

これは、うつなどの精神疾患の薬と睡眠のための薬が同じということになりますが、リスミーの場合、向精神薬として分類されていません。

そのため、決して強い薬ではなく、睡眠のためだけに使える安全な薬ということもあり、通常睡眠薬に課されている30日と言う処方制限が設けられていません。

睡眠薬として使用する場合でも、長く同じ薬を使えたり、それだけ依存が少ないということになりますので、初めて睡眠薬を飲み始める方や高齢者、未成年者にとっても安心な薬です。

 

4.副作用が少ない

リスミーは穏やかに作用してくれる薬である上に、向精神薬としても使用されている睡眠薬とは成分も大きく異なります。

そのため、副作用が少ないこともリスミーの嬉しい効果と言えるでしょう。

中間作用型や長時間作用型などの薬は翌日への薬の作用の持ち込みが見られることもあり、眠気や頭痛などの症状が日中でも起こることがありますが、リスミーは短時間型で緩やかに作用してくれる薬であるため、このような持ち越しの副作用も少ないという特徴があります。

また、急激に効果の出てしまう睡眠薬の場合、前向性健忘などの記憶障害などを伴うこともありますが、これに関してもリスミーでは心配が少なくなっています。

 

リスミーの副作用

リスミーの副作用

 

リスミーは薬の効果が穏やかなこと、向精神薬に分類されていないことから、安全性の高い薬と言えます。

そのため副作用に悩まされる可能性は極めて低い睡眠薬です。

しかし、副作用が全くないという訳ではありません。

少ない確率と言えますが、やはり確認されている副作用はあるようです。

次からはリスミーの副作用について見ていくことにしましょう。

 

1.持ち越し

リスミーだけに限らず、睡眠薬全般の副作用として認められているものですが、副作用が少ない、持ち越しの副作用が少ないとはいえ、人によっては翌朝まで持ち越しの症状が出てしまうことがあります。

リスミーの薬の半減時間は10.5時間となっていますので、薬の効果が長く続いてしまう体質を持っている場合、翌朝眠さを感じたり、だるさやふらつきを感じることがあるようです。

もちろん、他の中間作用型、長時間作用型と比べれば、ごくわずかとなっていますが、やはり副作用の一つと報告されていますので、一応注意しておくことは大切です。

もし持ち越しの副作用が出てしまう場合にはリスミーの服用時間を早め、眠る時間を増やすなど対策をとってみると良いでしょう。

 

2.耐性

ベンゾジアゼピン系睡眠薬であるリスミーは、その中でも依存の少ない薬です。

処方に制限がないことからも分かる通り安全な薬と言えますが、依存の可能性は低くても、耐性が付くことは考えられます。

耐性とはつまり睡眠薬の効果があまり感じられなくなってしまうということです。

初めは処方された容量で十分薬の効果を得られていたにもかかわらず、長い間服用していることで、処方量以上を服用しないと眠れなくなってしまうことがあります。

これが耐性の副作用です。

睡眠薬の場合一度耐性がついてしまうと、簡単には元に戻らないため、個人的に服用量を増やしてしまうケースもありますが、これは依存の引き金となるため、決して行ってはいけません。

睡眠薬はあくまでも不眠症の一時的な解消手段にすぎませんので、長期間の服用や処方量を超える服用は避けることが大切です。

医師と相談しながら睡眠薬を減らしていく努力が必要と言えるでしょう。

 

3.ふらつき、一過性前向性健忘

リスミーはベンゾジアゼピン系睡眠薬の中でも筋弛緩作用が少ないことで知られているお薬です。

しかし、高齢者など身体的運動能力が低下している方などの場合、ふらつきなどの症状を感じることがあります。

薬を飲んだ後急激に筋肉が緩み、ふらついてしまうことは少ないですが、これも睡眠薬によくみられる副作用の一つと言えますので、リスミーを服用する場合にもベッドでの服用を心掛けると良いでしょう。

また、夜中にトイレに行く場合などは、薬の効果がピークに達していますので、ふらつきなどが特に考えられる時間帯です。

十分に気を付けるようにしましょう。

また、一過性の前向性健忘についても一応副作用の可能性があるという認識を持っておくことが大切です。

前向性健忘とは薬を飲んだ後の記憶がないという症状のことを言います。

これは服用した薬の作用が急に表れるため、脳の機能が急激に低下してしまうことが原因となって起こる症状ですが、リスミーの場合薬がピークに達するまで3時間の猶予がありますので、他の睡眠薬と比べ症状が現れにくく、副作用として確認されることはあまりありません。

ですが、全く皆無と言う訳でもありませんので、注意は必要と言えるでしょう。

作用時間も長く、途中で目が覚めてしまい行動をとると言うこともあまりないため、健忘の症状が現れる可能性も低いですが、一応注意しておくべき副作用となっていますので気を付けましょう。

 

4.その他の副作用

その他にも、リスミーには数は少ないですが、ベンゾジアゼピン系睡眠薬に見られる重篤な副作用が報告されています。

呼吸抑制、炭酸ガスナルコーシスなどの呼吸が苦しくなってしまう症状やめまい。正常な思考ができなくなり、考えが乱れるなどの、興奮や錯乱の副作用です。

このような症状が現れた場合、リスミーの服用をやめ、医師の受診を受けましょう。

 

リスミーはこんな方におすすめ

リスミーはこんな方におすすめ

 

リスミーは薬がピークに達するまでの時間が短い睡眠薬ではありません。

そのため入眠障害などで悩んでいる方にとっては、問題が解決できる薬とは言えないでしょう。

しかし、睡眠薬の作用が長く続く薬ですので、中途覚醒や早朝覚醒の方には向いている薬です。

リスミーの半減期までは10.5時間ほどあります。

そのため、大抵の方の睡眠時間はカバーできます。

一般的に睡眠時間の平均は7時間から8時間ということが多いと思いますが、その間の覚醒には十二分に効果を発揮してくれます。

夜中に何度も目が覚めてしまう、3時間後などに目が覚めてしまう、

朝方目が覚めてしまうという方には非常に良い薬と言えるでしょう。

ただし薬の効果が穏やかなこともあり、長い間他の睡眠薬を使用している方や極度の不眠の方には向いていないことも多くなっていますので、やはり症状を細かく医師に伝え、相談した上で使用を決めるのが適切です。

 

リスミーが効かないなら・・・

リスミーは即効性がありますが、効き目としては弱いタイプのお薬です。

そのため、あまり効果がないと感じる方もいることでしょう。

リスミーを飲んでもよく眠れないと感じるのであれば、その眠れないパターンによって薬を選び直してみると良いでしょう。

眠り始めにすぐ目が覚めてしまうのであれば、ピーク時間がリスミーと比べ短い、エバミールなどがあります。

同じ短時間作用型の薬ですが、1.5時間でピークがやってくるため、よく眠る可能性はあります。

また、逆に中途覚醒、早朝覚醒してしまうと言うのであれば、もう少し作用時間の長いタイプの睡眠薬に変更する方法もあります。

中間作用型のベンザリンやユーロジンであれば、リスミーよりも作用時間が長くなります。

但し睡眠薬には副作用などもありますので、必ず医師と相談の上、自分に合った睡眠薬を再検討してください。

 

まとめ

リスミーは、向精神薬として使用できる薬ではないため、比較的作用の弱い薬です。

 

リスミーは、向精神薬として使用できる薬ではないため、比較的作用の弱い薬です。

そのため、安全、安心して使うことができる睡眠薬というメリットはありますが、その反面、極度の不眠症を完全にカバーできる薬ではありません。

効果がでるピークまでの時間が3時間で半減期までの時間が10.5時間あるため、中途覚醒や早朝覚醒の方には高い効果が望め、睡眠薬初心者や高齢者、未成年者などにも多く処方されている薬ですが、やはり症状によっては効果が薄いと感じることもあるようです。

自分の睡眠の症状をよく見極め、医師と相談の上、使用するかどうか決めていくことが大切です。

数ある睡眠薬のメリット・デメリットを比較しながら、リスミーを服用していくべきか、ぜひ判断してくださいね。

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