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肩こりになりにくい枕の選び方!3つのポイント

  • 最終更新日:2018.04.13
  • 公開日:2017.09.19
肩こりになりにくい枕の選び方!3つのポイント

日本には、つらい肩こりに悩まされている人が多くいますが、その肩こりの原因は何なのでしょう。

マッサージやストレッチで身体をほぐしても、入浴法などを取り入れても効果がなかったら、それは「枕」が合っていないのかもしれません。

私たちは1日の約3分の1を睡眠時間に費やしています。

それほど長い時間、しかも何年間も自分の身体に合ってない枕を使い続けていたとしたら、長い長い期間ずっと肩に負担をかけていた事になります。

今使っている枕は、本当にご自分の身体に合った枕ですか?

肩こりの原因はその枕ではないでしょうか?

そこで、肩や首に負担がかかるのはどのような枕なのか、自分の身体に合った枕の選び方、枕を選ぶ際のポイントなどをご紹介していきますので、ご自分の枕が肩こりの原因になっていないか見直してみてください。

正しい枕の当て方とは?

正しい枕の当て方とは?

 

「もしかしたら枕が合っていないから肩こりになっているのかも」と考える前に、枕の正しい当て方をご存知でしょうか。

たとえ身体に合った枕を使っていても、当て方が間違っていれば楽にもなりませんし、肩こりが改善される事もないでしょう。

正しい枕の当て方とは、枕が肩口にピタッと当たるぐらいに密着させて頭を乗せるというものです。

すると後頭部から首筋までが枕に乗ることとなり、枕に密着している部分全体で重い頭部を支えるため、肩や首に負担がかからず肩こりや首の痛みが軽減されるのです。

枕と肩口にすき間があると、首筋は枕に乗っていない状態となり負担がかかります。

また、枕に肩を乗せて寝る人の場合も、ずっと肩を後ろから押されている状態となってかえって肩がこります。

肩口と枕にすき間が出来ないよう、しっかり当てて寝てください。

そして、正しい枕の当て方をして寝た姿勢のままで、もしも首元に手の平が入るようなすき間があったら、それは枕が低いのかもしれません。

低い枕では首を支えることが出来ず、ブリッジ状態となっているため首に負担をかけてしまっています。

ご自分の身体に合っていない枕という事になりますので、買い換えることをオススメします。

 

肩や首に負担がかかる枕とは?

肩や首に負担がかかる枕とは?

 

今や日本の成人の約80%が肩こりに悩まされているそうです。

ですが、自分に合った枕を使っているという人はその約半数しかいません。

そして残りの約半数の人たちは、枕が自分に合ってないという自覚を持ちながらも使用しているそうです。

枕にこだわりが無いという事なのでしょうが、肩こりを持っている人には是非、どのような枕が肩や首に負担をかけるのか知っておいて欲しいと思います。

 

柔らかすぎる枕

私たちは、たとえ睡眠中でも頭部を守るという本能的な機能が働き続けています。

そして、頭部を支えて安定させるのは首や肩周りの筋肉です。

枕には本来、その首を支えるという役目があります。

ですから、もし枕が柔らかすぎたら首を支えることが出来ず、支えてもらえない首は頭部を安定させるために力が入ります。

それは首だけに留まらず、肩周りの筋肉までもが力を入れた収縮状態になるのです。ですがその状態を長く続けるのは難しくなり、やがて頻繁に寝返りを打つようになります。

その結果、眠りは浅くなって疲れも抜けず、余計な力を入れた事によって肩こりも起こってしまいます。

また、柔らかすぎる枕では頭部が深く沈み込みます。

すると頭部は不安定になり、首や肩周りの負担はさらに大きくなります。

そして寝返りを打たざるを得なくなるのですが、もし枕が柔らかすぎる上に大きかったら、枕に沈み込んだ状態では思うように寝返りも打てません。

寝返りを打ち過ぎるのは睡眠の妨げとなりますが、寝返りを打てないと筋肉の疲労が溜まって血流も悪くなってしまいます。

つまり、肩こりや首の痛みがますます酷くなる可能性があります。

 

硬すぎる枕

枕は、後頭部から首元にかけての全体を支えなければなりません。

そうでないと、重い頭部を支えている首や肩周りにかかる負担が大きくなるからです。

ですが、クッション性のないような硬すぎる枕では、頭部と枕の接地面が少ないため頭が不安定になり、柔らかすぎる枕と同様、無意識に頭を支えようとする首や肩周りに必要以上の緊張を強いる状況になってしまうのです。

この場合もやはり睡眠を妨げる事になります。

あまりに長い期間その状況が続くと、慢性的な睡眠不足となり、不眠症や睡眠障害にまで発展するかもしれません。

 

高すぎる枕

枕が高すぎると頭部が前傾した状態になります。

いわゆる顎を引いたような、立っている時に頭だけを下げたような姿勢です。

この姿勢になると首の後ろが伸ばされるため、最初のうちは気持ち良く感じるかもしれません。

ですが顎を引いている事で気道が圧迫され、時間が経つにつれて次第に呼吸が苦しくなってきます。

気道の圧迫は、いびきや睡眠時無呼吸症候群といった睡眠障害の引き金にもなります。

首から肩周りの筋肉も徐々に緊張していくため血行が悪くなり、眠りも浅くなってしまうので疲労感も抜けにくくなります。

 

低すぎる枕

逆に枕が低いと顎が上がります。

顎が上がる事で首は反り返った形になり、枕という支えもなく不安定になるため、首や首周りの筋肉はずっと緊張したままという状態が続いてしまうのです。

そのような睡眠では、明らかに肩こりが悪化する一方ですね。

また、枕が低いと頭も低くなるので、血液が頭に流れ込みやすくなります。

すると脳への刺激が増えてしまい、なかなか寝付けなくなってしまいます。

寝付きが悪いまま放っておくと、いずれ入眠障害という睡眠障害になってしまう危険性もあります。

顔がむくんだり、寝付きの悪さを感じたりした場合は、枕が低すぎるのが原因かもしれません。

 

寝返りをしにくい枕

硬さも高さもちょうど良く、正しく枕を当てて仰向けに寝た時に首のラインが理想的なカーブを描いていたとしても、寝返りがしにくい枕は良い枕とは言えません。

睡眠中に寝返りが打てず長時間同じ体勢いると、首や肩周りにずっと重力がかかり続けるため筋肉が疲れてしまい、血行も悪くなります。

人間は一晩で約30回もの寝返りを打つと言われていますので、逆にそれだけの回数寝返りを打たなければ首や肩への負担が大きくなるという事です。

寝返りがスムーズに行える枕の理想的なサイズは、肩幅の1.7倍ほどだと言われています。

適度な硬さ、適度な高さ、適度な大きさの、自分に合った枕を見つけましょう。

 

理想的な寝姿勢

理想的な寝姿勢

 

理想的な寝姿勢とは、正しい立ち姿を仰向けになった時にも再現できている状態です。

つまり、立ったままの姿勢をそのまま横に倒すイメージですね。

この姿勢なら首も真っ直ぐになり、頸椎と背骨への負担も最小限に抑えられ、リラックスした状態で睡眠をとる事が出来ます。

仰向けの理想的な寝姿勢のポイントとしては、まず、肩口から頭への傾斜が10~15度である事です。

この角度であれば、首は自然なカーブを描くため頸椎への負担が抑えられます。

そして顔が5度前後の傾斜である事も重要です。

つまり、顎を引き過ぎず上げ過ぎず、おでこや鼻から顎にかけてだいたい5度ぐらいの傾斜が望ましいという事です。

気道を圧迫する事なく楽に呼吸ができる姿勢となります。

ただ、肥満気味の人や睡眠時無呼吸症候群の傾向がある人は、顔の傾斜を無くした水平状態の方が、気道の確保が出来て良いかもしれません。

やや顎を上げ気味にする方が気道の通りが良くなり、いびきも軽減されて楽に眠れます。

また、横向きの理想的な寝姿勢は、頸椎と床が真っ直ぐ平行になっている状態です。

横向きに寝転んだ時にこの姿勢であれば、頸椎にも背骨にも負担がかかりにくい、自分に合った枕を使っていると言えます。

なお、これらの寝姿勢が理想的だというのは、眠ってしまうまでの話です。

この姿勢で寝付く事が出来ればOKという事で、眠ってしまえば何度も何度も寝返りを打ちます。

寝返りには日中の身体のズレを修正する働きがあるとも言われていますので、無意識であっても身体に最適な姿勢をとってくれることでしょう。

 

自分の身体に合った枕の選び方とは?

枕を選ぶ時にもっとも重要なのは、お店に行って実際に試してみることです。

首の形や肩幅などには個人差がありますので、自分の身体に合うかどうかは寝てみなければ分かりません。

触った感触と頭を乗せてみた感触も違ってきます。

頭の沈み具合や首元のカーブなど、実際に試してみなければ分からない事が多いのです。

くれぐれも店員さんのオススメを鵜呑みにせず、自分で使ってみた感触を優先してください。

 

枕を選ぶ時のポイント

枕を選ぶ時のポイント

1,素材の硬さ

枕の硬さは使用されている素材によって変わってきますので、
肩こりで悩んでいる人にはある程度の硬さがある素材がオススメです。

一般的にかなり硬めだと言われているのは、
そばがら・プラスチック粒のパイプ・高反発ウレタンの枕です。

その次に硬めなのは、
ビーズやひのきチップの枕です。

低反発ウレタンはそれより少し柔らかめになりますが、気温や室温によって硬さが変わりますので注意しましょう。

それよりさらに柔らかいのは羽毛や綿などの枕で、柔らかすぎて沈む感じがするようです。

頭を乗せた時はとても気持ちが良くゴージャス感もありますが、「肩こりになりにくい枕」という観点からはオススメできません。

ですが、最近ではさまざまな素材が組み合わさって出来ている枕も多くありますので、見た目だけでなく、どんな素材が使われているかを必ず確認してください。

また、通気性や吸湿性の良さは睡眠の質にも影響を与えるため、枕を購入する際の大事な条件となっています。

そういう面から言えば、アレルギーの心配がない人には「そばがら」がオススメです。

ただし、そばがらは天然素材なので、半年から1年ほどと寿命が短いのが難点と言えます。

 

2,枕の高さ

枕の高さも、使われている素材によっては沈み込む場合がありますので、見た目だけでは決められません。

ですから、実際に店頭で横になって試してみましょう。

仰向けに寝転んだ時の目線の位置で、枕の高さが適切かどうか判断できます。

正しい方法で枕を当ててみて、目線が真上よりやや下に向かっていれば、その枕の高さは適正という事になります。

もし目線が自分の足の上の方に向いていたら、その枕は高すぎます。

逆に、目線が真上より後ろに向かっていれば低すぎる状態です。

横向き寝の場合は目線の位置は参考になりませんので、壁を見たりして首が真っすぐになっているか確認しましょう。

もし自分で判断しづらい場合は、プロの販売員さんにチェックしてもらうのもいいですね。

 

3,枕の形

肩こりに悩まされている人は、後頭部から首、肩口にかけて全体を支えてくれる枕を選びましょう。

また、首筋を支える場所のカーブにも注目してください。

ちょうど良い高さとカーブでないと、かかる負担が大きくなる場合もあります。

そして、後頭部の丸みを自然に受け止められるような、少しくぼんだ形の枕を選びましょう。

頭を包み込んでしまうような枕は、フィットしすぎて寝返りが打てなくなります。

寝返りには身体中の血液を活性化させる働きがありますので、寝返りが出来なければ血流が悪くなって肩こりをさらに酷いものにしてしまいます。

首の痛みや腰痛につながる事も考えられるため、頭を包み込むような枕は絶対に使わないでください。

大きさとしては、寝返りを打っても頭が落ちないで、肩先までをしっかり支えてくれるサイズが望ましいですね。

目安として、左右に頭3個分ほどのスペース、横幅が60cm以上で奥行きは40cm以上となります。

 

自分で肩こり対策!タオル枕の作り方

もしも今使っている枕が柔らかすぎたり低すぎたりしているなら、肩こり対策として自分で枕を作ってみましょう。

旅行先などでも活用できますので、是非試してみてください。

用意するものは、バスタオルが1枚と、ひもを2本です。

まず、バスタオルを縦半分に折ります。

次は横向きに半分に折ります。

長い辺を端からきつく巻いてきます。

きつく巻く事で高反発な枕になります。

巻き終わったら、両端をひもで結んでタオル枕が崩れないようにすれば完成です。

このタオル枕は首の下に当てて、マットレスと首の間のすき間を埋めるように使用してください。

タオル枕が高すぎる時はバスタオルを巻くのを途中でやめて、低いと感じたらタオルをもう一枚重ねて高くしましょう。

ただし、実際にタオル枕を使ってみて違和感を覚えたら、すぐに使用を止めてください。

また、頸椎症・頸椎ヘルニア・頸椎椎間板ヘルニアなどの病気を持っている人は、ご自分の症状に合った専用の枕を使用してください。

 

まとめ

まとめ

 

枕には、頭を受け止めるだけでなく、肩や首に負担がかからないように支えるという大事な役割があります。

つまり、自分に合った枕を使うという事は、肩や首の負担を最小限に抑えるという事でもあるのです。

肩こりで日々つらい思いをしている人こそ自分の身体に合った枕を使って、少しでも肩こりが軽減されればと思います。

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