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寝汗をすごい大量にかくのはナゼ?5つの原因と対策まとめ

  • 最終更新日:2018.06.24
  • 公開日:2018.02.27
寝汗をすごい大量にかくのはナゼ?5つの原因と対策まとめ

睡眠中の汗は、眠りにつくために脳の温度を下げるという働きがある大事なものです。

しかし、あまりにひどい汗では気持ち悪くなりかえって目が覚めてしまいますね。

まして夏場にはそれほど寝汗をかかないのに、冬になるとなぜかパジャマや布団がベトベトになるほどの寝汗をかく場合、それには何かしらの原因があるのです。

では、寝汗がすごい原因とは何でしょう。

自分の寝汗の原因をしっかり理解して、そのための対策を知っておきましょう。

寝汗とは

寝汗は私たち人間にとって自然なことで生理現象です。

眠りにつく時に、汗をかいて深部体温や脳の温度を下げて寝つきやすくしているのです。

そして睡眠によって身体と脳は休息することができ、修復と回復を行っています。

健康な大人で1晩に約200mlもの汗をかき、深部体温は1.5℃も下がる、というのが正常な寝汗です。

ですが、目が覚めてしまうほど寝汗をかいたり、パジャマや寝具が濡れるほどの寝汗は、明らかに何か原因があると思われます。

ひどい寝汗は睡眠の妨げとなり、それが毎日続けば不眠症や睡眠障害を引き起こす要因ともなりかねません。

寝汗で悩んでいる方は、原因を探って早めに改善することをお勧めします。

 

寝汗がすごい多くなる5つの原因と対策

寝汗が通常より多い場合に、考えられる要因はいくつかあります。

それぞれの原因と対策についてみていきましょう。

 

【原因01】身体の温めすぎ

身体の温めすぎ

 

とくに冬場に多いのですが、寒いからと寝る直前にお風呂に入って、すぐに布団に潜り込む方がいます。

また、こたつの中にずっと入っていて身体が温まっている状態のまま就寝する、寝る部屋を暖房器具で温めすぎている、こんな方も少なくないようです。

眠るためには体温を下げる必要があり、そのために汗をかくのです。

もしも身体が温かいままだったら、もっと体温を下げなければなりません。

つまり、より多くの汗をかかなければならないということです。

身体を冷やさないのはいい事なのですが、あまりに温めすぎて寝る時まで体温が高いままではひどい寝汗の原因となってしまいます。

 

< 対 策 >

まず、お風呂に入るのは寝る1時間前までにしましょう。

入浴後は体温も脳の温度も高いので、そのまま布団に入ってしまうと身体はたくさんの汗をかいて体温を下げようとするため熟睡できなくなってしまいます。

42℃以上の熱いお風呂に10分以上浸かる習慣がある場合は、体温と脳の温度が高いままの状態がさらに長く続きます。

スムーズな寝つきと熟睡のために、熱いお風呂が好きな方は寝る3時間前までに入浴を済ませましょう。

そして、こたつの中にずっと入ったままで身体を温めすぎないこと、寝室の暖房は適温に設定することも忘れないでください。

 

【原因02】ストレス(精神的刺激)

寝汗がひどい原因は、ストレスや精神的なものが多い傾向があります。

 

寝汗がひどい原因は、ストレスや精神的なものが多い傾向があります。

現代においてストレスがまったく無いという人はまずいないでしょうが、過度なストレスは自律神経を乱す元となり、交感神経と副交感神経がうまく切り替えられずに体温調整にも支障をきたすことがあるのです。

冬場になると寝汗がひどくなる場合は、日照時間が短くなるため精神的に不安定になっている可能性もあります。

寝汗の他にも、気分が落ち込みやすい、疲れが溜まりやすい、なぜかイライラするなどがあれば、精神的な理由から寝汗がひどくなっているのかもしれません。

また、不安や緊張、恐怖などのストレス自体が原因となり汗が出る「精神性発汗」というものもあります。

寝汗がひどい人の中には、「また眠っている間に寝汗をかきすぎて目が覚めるかもしれない」といった不安がよりストレスとなり、悪循環を起こして症状が悪化しているケースもあるのです。

 

< 対 策 >

ストレスが原因である場合は、ストレスの元を取り除いてリラックスすることが対策となります。

とはいえ、ストレスを完全に無くすのは難しいので、なるべく寝る時のストレスを軽くしてリラックスできる状態に持っていきましょう。

リラックスする方法として効果的なのは入浴ですが、冬なら足湯がオススメです。

足湯にはリラックス効果とともに自律神経を整える効果もあると、山梨大学医学部付属病院の研究チームにより報告されています。

足湯の方法は、42℃前後の少し熱めのお湯にくるぶしまで足を入れるという簡単なものです。

両足が入る大きさのバケツにお湯をいれるだけで、リビングでテレビを見ながらでも、自室で本を読みながらでも手軽に行えます。

10分ほど足を浸けておくだけでも身体全体がポカポカと温まってリラックスできます。

寝る1時間前に足湯をすれば、体温調節も寝つきもスムーズになりますよ。

そして、午前中には日光を浴びるよう心掛けましょう。

日照時間が短くなる冬は、日光を浴びることによって分泌される「幸せホルモン」の量が少なくなりがちです。

冬こそ日光浴をして自律神経を整えましょう。

朝に陽の光を浴びることで、寝つきも良くなり睡眠の質も上がります。

入眠障害や中途覚醒といった不眠症の睡眠障害にも効果があります。

寝汗をかくことが不安でストレスとなっている場合は、足湯や日光浴をした上で、パジャマや寝具を見直してみましょう。

吸汗性や吸湿性、速乾性の高いものに替えるだけで、気持ちが落ち着いて不安がなくなることもあります。

 

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【原因03】ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れ

 

女性に特有のケースとして、美肌ホルモンである「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と、妊娠をサポートする「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2大女性ホルモンのバランスの乱れが挙げられます。

 

▼更年期が原因

女性は、年齢を重ねることで徐々に女性ホルモンのバランスに変化が現れ、50代に近づく頃にはエストロゲンの分泌量が急速に減少します。

この時期を「更年期」といい、ホルモンバランスの乱れからくる症状を「更年期障害」と呼んでいます。

更年期障害の症状は人によってさまざまで、多量の発汗やひどい寝汗などが起きる人もいます。

また、最近では男性の更年期障害も珍しくなく、うつのような情緒不安定や不眠症、ひどい寝汗なども症状として報告されています。

 

▼妊娠・生理が原因

妊娠中・生理前・生理中には、女性ホルモンのプロゲステロンがたくさん分泌されるため、基礎体温が0.5~1度上がります。

眠るには体温が急激に下がる必要があるので、体温が上がったままのこの期間は睡眠の質が低下しやすいといわれており、いくら眠っても眠気を感じるのは質の良い睡眠が取れていないからなのです。

眠れはしても基礎体温は高いままなので、普段より寝汗をかきやすくなります。

なお、プロゲステロンが通常値に戻ればホルモンバランスも安定するため症状は改善されていきます。

 

< 対 策 >

ホルモンバランスの乱れを整えるには、まず生活のリズムを整えることが大切です。

不規則な生活をしていると体内時計が狂って自律神経も不安定になり、睡眠の質も悪くなってしまいます。

朝は同じ時間に起きる、夜は同じ時間に寝る、1日3食しっかりと食べる、食事時間もなるべく一定にする、散歩やウォーキングなど適度な運動をするなどを心掛けて、毎日の生活リズムを整えましょう。

また、生活のリズムが安定するとストレスが溜まりにくくなりますが、時にはストレス発散も必要です。

何もしないでリラックスできる時間を作ったり、趣味に没頭したりと、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。

そして、生活のリズムを整えるために欠かせないのが、朝起きてすぐに朝日を浴びることです。

目覚めたらまずカーテンを開けて朝日を浴びましょう。

太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされます。

そして幸せホルモンである「セロトニン」が生成され、ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質をコントロールして精神を安定させてくれます。

夜になれば、セロトニンは睡眠ホルモンである「メラトニン」へと変化して良質な睡眠をもたらしてくれます。

不眠症など睡眠障害の改善にも有効です。

質の良い睡眠は、身体にも脳にも休息を与えて修復と回復を促します。

ぐっすり眠ることができれば、ホルモンバランスの乱れからくるイライラや不安、ひどい寝汗なども和らげられるでしょう。

 

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【原因04】睡眠中に暑いと感じる不快な刺激

睡眠中に暑いと感じる不快な刺激

 

眠るのに最適な環境とは、寝室内の温度が夏は26℃前後で冬なら18℃前後、布団の中の温度は33℃度前後、湿度は寝室内も布団の中もともに50%前後です。

この温度と湿度を大きく上回ると、暑いと感じて不快になり汗が出ます。

睡眠中であれば、暑さから高くなった体温を下げるために大量の汗をかくことになり、結果的に寝汗がひどくなるのです。

寝室内の温度や湿度なら、エアコンの温度設定や除湿機能を駆使して調節することができます。

しかし寝具に関しては簡単ではなく、素材によってはいつまでも体温が下がらないことがあり、よけいに寝汗がひどくなる場合もあります。

電気毛布・電気あんか・湯たんぽ・羽毛布団・冬用敷きパッド・毛布・厚手のパジャマなど、温かく眠るためのアイテムはたくさんありますが、使い過ぎてはいませんか?

布団の中を過剰に温めると、「身体の温めすぎ」となってひどい寝汗の原因となります。

今使っているパジャマや寝具は、吸水性や吸湿性が高く速乾性のあるものですか?

汗や湿気をしっかり吸収して肌にべたつかない素材でないと、熱がこもってムレやすくなり、さらにひどい寝汗をかいてしまうかもしれません。

寝汗だけでなく「暑い」という不快感を覚えて目覚めてしまう場合には、パジャマや寝具も見直してみましょう。

 

< 対 策 >

羽毛布団は、体温から伝わった熱を逃がさないように保温することで温かくなります。

良質な羽毛ほど体温をよく吸収して暖かさを保ってくれるのです。

ですから毛布を使うなら、羽毛布団の上に掛けるか身体の下に敷くという方法が適切です。

それで充分温まりますので、電気毛布などを使ってそれ以上に温める必要はありません。

暑くなりすぎて、かえって寝汗がひどくなります。

羽毛布団ではない場合には電気毛布を使用するのもいい方法ですが、必ずタイマーを設定して一晩中温めるのはやめましょう。

また、布団カバーやシーツやパジャマなど直接肌に触れるものは、吸水性も吸湿性もある天然繊維のものにした方がいいですね。

サラサラとした風合いの素材なら肌にべたつくこともなく、より快適に眠れるでしょう。

パジャマ生地としては、シルクや綿など天然素材のものが向いています。

冬用には、パイル生地(タオル地)やガーゼ生地が吸水性・吸湿性ともに優れているのでオススメです。

あまり厚手の素材では、着たときは温かいかもしれませんが、眠っているうちに汗をかいて蒸し暑くなってきます。

寝汗を吸収してくれないパジャマや寝具だと、肌に汗がまとわりついて気持ち悪いだけでなく、安眠の妨げとなり、汗が冷たくなって風邪をひく原因にもなります。

それだけパジャマや寝具の役割は大きいのです。

一度しっかり見直して、寝汗をかいても大丈夫と思えるものを使いましょう。

 

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【原因05】アルコールの摂り過ぎ

アルコールの摂り過ぎ

 

寝る前にお酒を飲んだり、アルコールの摂り過ぎは、睡眠中のひどい寝汗につながります。

これは、アルコールを摂取することで体内にとって有害な物質「アセトアルデヒド」が発生するためです。

この有害物質を、身体は汗や尿として体外に排出しようとするのです。

つまり、お酒を飲み過ぎたら寝ている間に汗をたくさんかくのは当然のことで、夜中にトイレに起きるのも至極当たり前ということになります。

ですが、毎日のようにトイレに立っていると、夜中に目が覚める中途覚醒という不眠症になってしまう恐れがあることを忘れないでくださいね。

 

< 対 策 >

寝る前にはお酒を飲まない、早い時間でも飲み過ぎないというのが肝心です。

飲むなら就寝時間の3時間前までにして、適量に抑えておきましょう。

ちなみに、厚生労働省による「節度ある適度な飲酒」の量は、ビールなら中瓶1本(500ml)、日本酒なら1合(180ml)、ワインは1.5杯(180ml)、缶チューハイで1.5缶(500ml)となっています。

もっとも、この量は一般的なもので誰にでも当てはまるわけではありません。

あまりお酒を飲む習慣がない方、お酒が弱い方、高齢の方などは、これより少ない量が適量だと思ってください。

 

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ひどい寝汗は病気のサインかもしれない

ひどい寝汗は病気のサインかもしれない

 

上半身だけ、下半身だけ、または頭だけなど、身体の部分的に寝汗をかく場合は注意しましょう。

異常が起きている箇所は寝汗をかきやすくなるためです。

体質的なこともありますが、病気からくる寝汗ということもあり得ますので注意が必要なのです。

原因に心当たりがないのに寝汗がひどいという場合にも、病気の可能性を考えてください。

もし何日もひどい寝汗が続くようなら病院で診てもらいましょう。

寝汗以外にも、疲労感や倦怠感・めまい・吐き気・頭痛・動悸・微熱・咳やたん・口の渇き・首の腫れ・急激な体重の減少などいつもと違う症状が出ていたら、命に関わる病気が潜んでいるかもしれませんので即座に病院へ行ってください。

 

まとめ

寝汗は自然なことですが、ひどい寝汗をかくと気持ち悪くなって目が覚めたり、熟睡できなくなったり、汗が冷えて風邪をひいたりと悪いこと尽くしです。

 

寝汗は自然なことですが、ひどい寝汗をかくと気持ち悪くなって目が覚めたり、熟睡できなくなったり、汗が冷えて風邪をひいたりと悪いこと尽くしです。

その状態が長引くと、ストレスが増長されて深刻な不眠症になってしまったり、思いもよらない病気を引き起こす要因ともなりかねません。

寝汗の原因がどこにあるのかを早急に突き止めて、それに応じた対策を速やかに施しましょう。

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