
夜更かしや徹夜などを続けていると夜型の生活になり、朝起きれないということになります。
朝起きられなくて寝坊するという程度ならよいのですが、昼と夜が完全に反対になっている昼夜逆転の生活を続けていると、健康被害も出てきますし、社会生活が送れなくなります。
仕事の都合などでどうしても昼夜逆転生活になる場合は仕方がありませんが、そうでない人はできるだけ早く対策をとって昼夜逆転の生活リズムを変えることが大切です。
昼夜逆転生活の治し方について見ていくことにしましょう。
この記事の目次
昼夜逆転生活とは?
昼夜逆転生活とは文字通り昼と夜が逆、つまり活動時間と睡眠時間が反対になって生活をしていることです。
普通の会社員などは仕事の時間が決まっている場合が多いので特殊な仕事でない限り昼夜が逆転することはありないですが、特に大学生などは比較的自由な時間が多いですし、長期の休みなどがありますので、しばらく不規則な生活をしていると気がつけば昼夜逆転生活になっている場合が多くあります。
夜遅くまでアルバイトをして、遅く帰宅してからテレビを見たり、ゲームをしたり…と朝まで自由な時間を楽しむという生活は学生生活を満喫しているかのような錯覚になりますが、徐々に普通の生活を送れなくなり、体内時計が昼夜逆転してきます。
毎日朝まで起きていると、太陽が出る頃に眠気が襲ってくるので朝から眠り出し、日中はほとんど眠っていて、午後から夕方に起きて活動し始めるという習慣が身についてしまうのです。
こうした習慣は一度定着してしまうとなかなか日中に活動するという普通の生活に戻れなくなります。
昼夜逆転生活は本人にとって自由で心地よい生活でも徐々に体調に悪影響が出てくるようになります。
昼夜逆転生活になりやすいパターン
自由な時間が多い大学生などが自分の勝手気ままに過ごしていて昼夜逆転生活に陥るというのは昔からよくある話ですが、現代社会において昼夜逆転しているのは学生以外にも多く存在します。
現代は老若男女問わずストレスの多い社会です。悩みがあったり、心配なことがあったり、ショックな出来事があったり、職場で人間関係に苦しんだりということは誰でも一つや二つは抱えているのではないでしょうか?
このようなストレスから、うつ病になったり、睡眠障害になったり、不眠症になるというパターンが多いのです。
仕事をバリバリこなす現役世代でもストレスのあまりうつ病などになり、そこから不眠状態が続き昼夜逆転してしまう人もいます。
子供でも学校や友達関係が上手く行かず家に引きこもっているうちに昼夜逆転生活になる子もいます。
また、高齢化社会になって早寝早起きのイメージのある老人にもうつ病など精神的な問題から不眠状態になり昼夜逆転している人も多いです。
昼夜逆転生活をしていると日中の活動が出来なくなるので、通常社会の生活に段々馴染まなくなり、社会とはかけ離れた孤独な生活が、また昼夜逆転生活を促進させるという悪循環に陥ります。
昼夜逆転生活で高まる9つの怖いリスク
1. 睡眠不足になる
自分の時間がたくさんある昼夜逆転生活をしている人は、日中に眠気があるときに眠れば睡眠不足にはなりませんが、日中に学校に行ったり、仕事をしている人は夜に起きているわけですから、必然的に日中に眠気が襲ってきます。
日中に眠気があると学業にも仕事にも集中できません。このようなことが原因でトラブルを起こしたり、ミスを犯しやすい状態になってしまいます。
トラブルやミスを連続することで成績が下がったり、仕事が上手くいかずに徐々に社会に馴染めない体質になっていく可能性もあります。
夜勤などでどうしても日中にしか眠れないという人などはやむを得ず昼夜逆転生活を送っていて、朝から眠りだすという生活をしている人もいますが、大多数の人が昼間に活動する生活を送っている中で質の良い睡眠を確保するということは非常に難しいことです。
日中は部屋で窓やカーテンを閉め切って眠っていても、外で人や車の行きかう音がしたり、知人からのメールや電話がかかってきたり、太陽の光が入ってきたりすることで夜眠る人に比べて浅い睡眠をとることになり、結果的には睡眠不足になってしまいます。
2. 不眠症になりやすい
人間は夜行性の動物ではありません。
本来太陽が昇ると活動をはじめ、太陽が沈むと休息をとるように体が作られています。日中に太陽の光を浴びるとセロトニンというホルモンが分泌されます。
このセロトニンというホルモンは人をストレスから守ったり、精神の安定に作用するホルモンです。
朝に起きて行動し、太陽の光を浴びることによりセロトニンが分泌されてうつ病やパニック障害から守ってくれます。昼に行動し、夜に眠る生活をしていると、夜になるとこのセロトニンを原料としてメラトニンというホルモンが分泌されます。
メラトニンというホルモンは眠りには非常に重要なホルモンです。日中にしっかり活動することで夜にしっかり睡眠をとり、休息をするホルモンが分泌されると考えて良いでしょう。
深い良質の眠りをとることで、体の中の傷ついた細胞を治したり、日中に発生した体のサビである活性酸素を除去し、外部からの異物を排除します。メラトニンの分泌が不足すると不眠症に陥り、睡眠障害になります。
太陽の光を浴びずに部屋を閉め切って眠っていると体内のセロトニンが不足し、やがてメラトニンも不足し夜も昼も眠れないという不眠症になってしまいます。
3. 体内時計が狂う
人間の体は非常に良くできていて、規則正しい生活をし、太陽の光を浴びることによって365日、毎日規則正しく体内時計が作動し、健康な生活を送ることができるようになっています。
規則正しく朝に寝て夜に起きるという生活をしていると体内時計も狂わないのではないかと思いますが、人間の体内時計は基本的に24時間10分でサイクルが組まれているので、長い期間で考えると、10分ずつ体内時計が狂うことになります。
10分の体内時計の調整をしているのが太陽の光なので、昼夜逆転の生活をし続けていると知らず知らずのうちに体内時計が大幅に狂い、自分の力だけではなかなか戻せなくなるのです。
4. 自律神経のバランスが悪くなる
自律神経には交感神経と副交換神経があります。
これら2つのバランスが取れているとしっかり活動し休息をとることができますし、健康面でも調子が良くなったり、ホルモンの分泌がよくなり体調も整います。
夜行性ではない人間が昼夜逆転生活を送っていると体内の自律神経のバランスが乱れ、免疫力まで下がるので虚弱体質になってしまいます。
5. 何となく体調が悪い
太陽の光を浴びないことでセロトニンが不足すると、眠れなかったり、逆に変な時間に寝すぎたり、過食や拒食、食欲不振、便秘や下痢などの胃腸の状態が悪くなったり、常に疲れがとれずに倦怠感があったり、頭痛に苦しむことがあります。
6. 太りやすくなる
昼夜逆転生活の人で、夜になると外に出てしっかり運動するという人はいますか?
昼夜逆転している人の多くは夜に仕事をしている人以外はどちらかというと運動不足である場合が多いのではないでしょうか?
また、太陽の光を浴びないのでセロトニンも不足しますが、このセロトニンというは食欲を抑える効果があります。
セロトニンが不足すると食べても満腹感がなくなったり、過食状態になる場合があるので太りやすい体質になります。
太っていると成人病など病気のリスクも高まりますので危険です。
7. 老化の原因になる
美容のために眠ると効果的であるというゴールデンタイムは夜の10時ころから夜中の2時頃までと言われます。
この時間帯にしっかり良質の睡眠をとることでダメージを受けた肌や体内の器官の修復をおこなうホルモンが多く分泌されるのです。
女性ホルモンというものは女性の健康だけでなく美容にも大きく関わってくるホルモンです。
女性ホルモンだけでなく成長ホルモンなども適度な時間に良質の睡眠をとることができないと分泌量が減りアンチエイジングできない、すなわち老けるということになります。
8. うつ病のリスクが上がる
昼夜逆転の生活というのは人と間逆の生活をしているということなので社会とのつながりが徐々になくなってきます。
また、太陽の光を浴びないのでセロトニンというホルモンが不足してきますが、セロトニンは精神を落ち着かせたりする作用もあるので昼夜逆転生活をするだけで精神不安定な状態に陥りやすい体質になります。
これらのことで気分が何となく落ち込んだり、不安になったり、悲観的になったり、やる気が出なくなったり、イライラしたり、怒りが湧いてきたりして、最悪の場合はうつ病を引き起こしてしまいます。
セロトニンは男性に比べて女性のほうが減少しやすいというデータもあります。
9. 骨が弱くなる
太陽の光を浴びると体内でビタミンDが作られます。昼夜逆転生活をしていると太陽の光を浴びないのでビタミンDが不足していきます。
ビタミンDが不足すると骨の密度が低くなり、骨がもろい状態になるので骨粗しょう症や骨軟化症などになったりするリスクが高まります。
骨軟化症というのは骨が柔らかくなる病気で、体重を足の骨が支えきれずに骨が曲がり、O脚やX脚になる可能性が出てきます。
昼夜逆転の生活で骨にまで影響が出るのは非常に怖いことです。
昼夜逆転生活を治す方法5選!
1. 照明を暗くする
夜に目が冴えて、朝に眠くなるというのは睡眠障害です。
昼夜逆転が原因の睡眠障害を治すには、体内の体内時計の狂いを修正するために体に浴びる光を調整することが大切です。
夜に明るい光を大量に浴びると体はまだ昼間だと勘違いするので眠気が出ません。
夜はあまり強い光を長時間浴びないことが不眠症改善には重要です。
日本では蛍光灯や明るいLEDを照明で使用している家庭も多いですが、夜は少し赤味を帯びた暖色系の照明を利用すると入眠が自然にできるようになります。
できれば眠る3時間くらい前には薄暗い光に変えて脳を落ち着かせましょう。間接照明などは柔らかい光になりますのでリラックスした雰囲気になります。
2. 夜に電子機器を使用しない
若い人を中心に、1日中スマホから離れられない人が増えています。
スマホを使用することは楽しみがたくさんありますし癒しの時間でもありますが、脳に対する刺激が強く夜に使用すると神経が落ち着かず、興奮状態になります。
脳が興奮している状態ではなかなか眠る事ができないのは当然ですので、昼夜逆転生活を治すには夜にスマホやパソコン、ゲーム機、テレビなどの使用はできるだけ避けましょう。
3. 夕食を規則正しく取る
食事の時間は体内時計を決める重要な要素でもあります。
仕事などで遅く帰宅するなどなかなか理想の時間に毎日夕食を食べることは難しいかもしれませんが、できるだけ規則正しく食べるようにします。
就寝予定時間の3時間ほど前に夕食を済ませておくと、消化が終わった後に就寝することになるので体がしっかり休息を取ることができます。
眠る直前に夕食を取ると体や脳が睡眠に集中できずに疲れをしっかり癒すことができません。
また、コンビニのお弁当や外食が続くと炭水化物過多になってたんぱく質不足になりますので、できるだけバランスの良い食事をしましょう。
4. アルコールとカフェインを口にしない
夜に眠るためにアルコールの力を借りて眠るという人がいます。
確かにアルコールを体内に入れると眠くなって入眠しやすいという事実がありますが、眠る前に血中アルコール濃度を高くするとアルコールを体外に出そうと脳や体が反応するのでしっかり休息を取ることができずに、夜中に何度も起きる中途覚醒の状態になってしまいます。
アルコール摂取は一見眠るためには良さそうに見えますが、実は逆効果ですので飲まないようにしましょう。
また、コーヒーや日本茶などは夜に飲むと癒しになりますのでどうしても飲みたくなりますが、カフェインが脳を興奮させて眠れなくなります。
不眠症を治すために、夜眠る前はカフェインレスの飲み物を飲みましょう。
5. 就寝時間を意識する
昼夜逆転生活を治すにはまず本人の自覚が大切です。
最初は辛いかも知れませんが、朝に起きて太陽の光を浴びることを意識しましょう。夜も早くには眠れないかもしれませんが、規則正しい時間に布団に入り眠る努力をしましょう。
体内時計を修正することが大切であることを理解し、眠たくないと思っても電気を消して就寝することが大切です。
まとめ
昼夜逆転の生活を送っている人の場合、今は表面上特に問題がなくても、いずれ体調が悪くなったり、精神が不安定になったりという状態になってしまう恐れがあります。
昼夜逆転しているという自覚があるならば、出来るだけ早く体内時計を正常に戻すための規則正しい生活を送るようにしましょう。
最初は上手く行かなくても毎日日中にしっかり太陽の光をあびて生活していると、徐々に昼夜逆転の生活を治すことができますので、努力を重ねていきましょう。