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味噌汁を飲むとよく眠れるってホント?!飲むなら朝と夜どっち?

  • 最終更新日:2018.11.08
  • 公開日:2018.05.22
味噌汁を飲むとよく眠れるってホント?!飲むなら朝と夜どっち?

私たち日本人にとって味噌汁は非常に馴染みの深い食べ物ですが、味噌汁を飲むことで眠れないという不眠の悩みを解消できるということをご存知でしょうか?

味噌汁には私たちの睡眠にとって欠かせない成分が含まれています。

眠れない時は味噌汁を飲んでぐっすり眠りましょう。

味噌汁の成分

味噌汁の成分

味噌は大豆を原料とした発酵食品です。

大豆を発酵させることで本来大豆にはないアミノ酸やビタミン類が生成されるので、味噌は栄養がたっぷり入った健康食品になるのです。

大豆は本来植物性タンパク質が豊富な食品とされていますが、酵素によって分解されてアミノ酸とビタミン類が多くできます。

アミノ酸は生命を維持するために非常に重要な栄養素で味噌の中には、必須アミノ酸8種類(バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン、ヒスチジン)が全て含まれています。

私たち人間は、たった20種類のアミノ酸から構成されていますが、アミノ酸には体の中で作ることができない必須アミノ酸と体の中での作ることができる非必須アミノ酸があります。

味噌汁には体で作られることのできない必須アミノ酸が全て含まれているというのですから、睡眠効果の前に健康に生きていくために是非食べたいものの1つと言えるでしょう。

また、ビタミン(B1、B2、B6、B12、E、K、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ピオチン)や無機質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン)一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、食物繊維なども含まれています。

睡眠に有効な栄養素

睡眠に有効な栄養素

では、みそ汁に含まれる栄養素とその睡眠効果についても、詳しく見ていくことにしましょう。

トリプトファンの睡眠効果

トリプトファンという栄養素は必須アミノ酸で体内では生成されない栄養素です。

トリプトファンは体内に摂り込まれるとナイアシンという物資になったり、脳内神経伝達物質であるセロトニンの材料となります。

セロトニンは眠気を起こすために必要なメラトニンという物質を作るために必要な材料です。

・睡眠に不可欠なメラトニンを作り出すためにはその材料であるセロトニンが必要
 ↓
・セロトニンを作り出すためにはトリプトファンが必要
 ↓
・そのトリプトファンを体内に食品から摂り込む必要

という仕組みです。

トリプトファンを多く含む味噌汁

トリプトファンは体で作ることのできない必須アミノ酸であるので食品から摂取することが大切です。

トリプトファンは食品のタンパク質に多く含まれていますが、その代表的な食材が味噌と言うわけです。

トリプトファンをしっかり食品から体内に摂り入れないと、睡眠に不可欠なセロトニンもメラトニンもできないので良い睡眠が取れません。

メチオニンの鎮静効果

メチオニンは必須アミノ酸で、味噌に含まれています。

メチオニンはトリプトファンと同じように体内では生成できないので食品から体内に摂り入れるしかありません。

メチオニンには、肝機能を高める働き、アレルギー症状を緩和する働き、うつ状態を改善する働きヘアケア効果、疲労回復効果など様々な働きがあります。

メチオニンは体内に入ると神経伝達物質に変わることでうつの症状を緩和させます。

メチオニンには鎮静効果もあるために、悩みや不安や心配事があってなかなか寝付けないという人が摂取することで、気持ちを落ち着かせて眠りやすくする効果があります。

グリシンは深部体温を下げる

味噌汁に含まれている非必須アミノ酸『グリシン』には体の奥の深部体温を下げる効果があります。

睡眠は体温と非常に関係が深く、体温が下がらないと睡眠の状態にはなりません。

人間の体温は行動している日中に高くなり夕方になると徐々に体温が下がってきますが、入眠するときは体の奥の深部体温が一気に下がることでスムーズに眠りの状態になり、体温が高いときと眠りについた時の体温差が大きいほど深く質の良い眠りになるとされています。

同じ眠りでも体温差が少ないと浅い眠りになるので、グリシンによって深部体温が一気に下がると良く眠れるようになります。

レシチンの鎮静効果

レシチンは体の中のひとつひとつの細胞の細胞膜を作る不飽和脂肪酸ですが、神経疲労を回復させて脳の働きを助けることで鎮静効果があると言われています。

このため、レシチンは精神安定剤にも使われていますし、イライラした気持ちを抑えて落ち着いた気持ちにさせることができます。

このことからも味噌汁を飲むことで高ぶる気持ちを抑え、心穏やかに眠る効果があると言えるでしょう。

夜に味噌汁を飲む場合

夜に味噌汁を飲む場合

味噌汁をいつ飲むと良いのか?味噌汁を夜に飲むのか朝に飲むのかで期待できる効果も異なります。

何となく眠れないなと感じる時、夜に味噌汁を飲むことで睡眠効果が得られます。

鎮静効果が期待できる

味噌汁には鎮静効果のあるメチオニンやレシチンが入っているので、日中に仕事や勉強で脳が非常に活動的になって興奮状態が続いているときなどは、脳の活動を抑制するため効果があります。

リラックス効果

眠る前に温かい飲み物を飲むことで、体や気持ちがリラックスするということもあるので、温かい味噌汁を体内に入れることは良いことです。

味噌汁に限らず温かい飲み物であれば安眠効果があります。

しかし、コーヒーや日本茶のようにカフェインが含まれているものや、アルコールを眠る前に飲むと睡眠を妨げる危険がありますので注意しましょう。

夜に味噌汁を飲むリスク

鎮静効果やリラックス効果のある味噌汁を夜に飲むということは睡眠の質を良くする反面、リスクもあるので注意が必要です。

深く質の良い睡眠を取るためには、就寝前3時間までには夕食を食べ終えていることが大切です。

人間は食べ物が体に入ってくると内臓の消化活動が激しくなります。内臓が食べ物の消化をしているので、体の奥では活動が続いているにも関わらず就寝すると体の深部の体温が下がりません。

内臓が動いているということは、それをコントロールしている脳も活動していることになります。そのため、眠ることができても熟睡することができず、質の悪い睡眠になります。

食べた直後に寝ない方がいいということはよく言われますが、内臓が活動していることで良質の眠りができないからです。

このような場合は、睡眠時間は取れていても眠りの質が悪いので朝すっきり起きることができませんし、何となく疲労感が残ります。

ですので、夜に味噌汁を飲む場合は就寝前3時間を目安にして飲むようにしましょう。夜食として何か食べようという場合は、消化の良いものを少しだけ食べるようにします。

温かい飲み物を飲むことは安眠につながりますので、具のない温かいスープを少量飲むのが良いかもしれません。

朝に味噌汁を飲む場合

朝に味噌汁を飲む場合

メラトニンを増やしたいなら朝に味噌汁

何となく最近良く眠れないと感じていたら味噌汁を朝に飲むと効果的です。

「夜の睡眠のことなのになぜ朝に飲むの?」と疑問がわくかもしれませんが、睡眠に必要なメラトニンを夜にたくさん分泌させるためには、朝に味噌汁を飲んでトリプトファンをたくさん体内に摂り込むことが大切になってきます。

味噌には必須アミノ酸であるトリプトファンが豊富に含まれています。

睡眠ホルモンと言われているメラトニンにはセロトニンという物質が必要になり、セロトニンを分泌するにはトリプトファンが必要です。

しかし、味噌汁からトリプトファンを摂り入れてもすぐにメラトニンになるわけではなく、ある程度の時間が必要になります。

このため、夜にしっかりと睡眠ホルモンのメラトニンを分泌するためには時間を逆算して考えると、朝に味噌汁を飲んでトリプトファンを体内に摂り込むのが効率的だと言う訳です。

朝食で飲んだ味噌汁のトリプトファンが12~14時間の時間を経てメラトニンになり、就寝時間に合わせて自然に眠気が出てくるという理想的な睡眠が取れるようになります。

トリプトファンとビタミンB6

睡眠ホルモンのメラトニンを生成するためにはトリプトファンも重要ですが、同時にビタミンB6を摂取することが大切です。

メラトニンの生成に必要な材料を同時に朝食で体内に摂り込んでおくと、質の良い睡眠ができるということです。

良質な睡眠には、栄養を考えた朝食の存在が重要です。その大きな役割を果たすトリプトファンを多く含む食品としては、味噌を初めとする大豆製品です。

味噌の他にも納豆、豆腐、豆乳などがあります。また、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、卵や魚、アーモンドやクルミなどのナッツ類、ゴマ、ハチミツ、バナナ、白米などです。

ビタミンB6を含む食品としては、魚類、ニンニク、レバー、鶏肉などです。

このようなトリプトファンとビタミンB6を含む食品から朝食のメニューを考えて食べることが、睡眠ホルモンのメラトニンをたくさん分泌するために重要です。

ご飯、味噌汁、焼き魚、ゆで卵、納豆と言った和食の朝食メニューを食べることで、簡単に大切な栄養素を補給することができますが、朝は洋食という人も豆乳やヨーグルトやバナナなどから摂り入れてみると良いでしょう。

大切なことは夜に睡眠ホルモンのメラトニンを分泌するために、朝にその材料になるトリプトファンやビタミンB6を同時に摂取することです。

朝に味噌汁を飲むだけでは安眠できない

睡眠ホルモンのメラトニンを分泌するために朝に味噌汁を飲むのは効果的ですが、それだけでは質の良い睡眠は期待できません。

メラトニンの材料となるのがセロトニンですが、セロトニンはトリプトファンを取ればたくさん分泌されるものではありません。

セロトニンを多く分泌するためには、朝に朝日を浴びてしっかり起きる、適度な運動をする、活動をすることが大切です。

朝に起きて太陽の光を浴びて、味噌汁などの食事をしっかり咀嚼して食べて、仕事や勉強をし、適度に運動することで夜になると睡眠に必要なメラトニンがたくさん分泌されます。

味噌汁はインスタントでも大丈夫!?

味噌汁はインスタントでも大丈夫!?

毎日仕事で忙しいので味噌汁を作る時間がないという人もいるかもしれませんが、味噌汁は手作りでなくても大丈夫です。

普通のインスタント味噌汁でもしっかりと味噌の栄養素を体内に摂り込むことができます。

また、最近のインスタントの味噌汁は具材も様々でお湯を注ぐだけで、手作りと変わらない質の高いものがたくさんあります。

インスタント味噌汁でもいいので味噌汁を積極的に飲むようにしましょう。

安眠のためにはどんな味噌汁がいい?

安眠のためにはどんな味噌汁がいい?

味噌汁を飲むだけでも安眠効果がありますが、もっと安眠効果を出すために味噌汁の具材にも気を配ってみると効果が断然アップします。

睡眠ホルモンのメラトニンをたくさん分泌するためにはトリプトファンをたくさん摂り込むことが重要ですので、味噌汁の具材もトリプトファンがたくさん入ったものを利用すると良いでしょう。

大根はトリプトファンが多いだけでなく、食物繊維が豊富ですので腸内環境を改善するのにも適しています。大根の葉も非常に栄養価が高いですのでぜひ具材として取り入れてみましょう。

また、豚肉もトリプトファンが多く含まれています。

豚肉と味噌汁というと豚汁ですが、根菜類がたくさん入っているので栄養価が高く、豚汁とご飯だけでも充分睡眠に適した食事になります。

豚汁もできれば朝食で食べる方が睡眠にとっては効果が出やすくなります。

トリプトファンが豊富な野菜としては、ほうれん草、もやし、キャベツ、玉ねぎ、なすび、ピーマン、にんじん、レタス、トマト、かぼちゃなどがあり、色々な具材を組み合わせてトリプトファンを美味しく味噌汁で体内に摂り入れるようにすると、無理なく続けられます。

まとめ

何となく眠れないと感じている人は、味噌汁を飲むことで睡眠の質が上がります。

何となく眠れないと感じている人は、味噌汁を飲むことで睡眠の質が上がります。

味噌汁にはたくさんの栄養素が入っていますが、特に睡眠に必要な睡眠ホルモンであるメラトニンの材料になるトリプトファンがたくさん含まれています。

メラトニンを夜に分泌するためにはトリプトファンを含む味噌汁は、できるだけ朝食で食べることが効果的です。

夜に味噌汁を飲むと、鎮静効果やリラックス効果があるので効果的ですが、夕食で睡眠のために味噌汁を飲む場合は、就寝時間の3時間前には食べ終わるようにして消化ができてから眠るようにしましょう。

忙しい毎日を送っている人はなかなか毎日手作りで味噌汁を作ることができないかもしれませんが、インスタントの味噌汁でも同じような睡眠効果を得られるので積極的に味噌汁を飲むようにしましょう。

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