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更年期の不眠症の原因と対策7選!

  • 最終更新日:2017.03.15
  • 公開日:2016.12.26

女性は40代後半から50代前半の更年期の時期に月経が終わることによって、今まで健康面で元気だった人も突然体の不調を訴えるということがあります。

これを更年期障害と言いますが、急に体が火照ってのぼせたり、めまいが起こったり、肩コリが酷くなったりすることもありますし、精神的にうつの状態になりやすく心身共に非常にデリケートな時期であると言えます。

更年期障害の症状の一つに不眠症というものがあり、夜になってもなかなか眠れなかったり、寝てもすぐに目覚めたり、何度も夜中に起きてしまうというようなことが頻繁にあり、ぐっすり眠れるといういわゆる「良質の眠り」ができにくくなります。

不眠の状態が続くというのは体にとっても心にとっても非常に辛く、苦しいものです。

どうすれば更年期の不眠症を緩和することができるのでしょうか?

更年期の不眠症の原因と対策を考えていきましょう。

 

 

更年期障害とは

更年期というのは女性の場合、閉経が起こる前後の約10年間ほどを言います。

閉経する年齢というものは個人的な差がありますので具体的な年齢ははっきりしませんが、日本人の女性の場合、50歳前後に閉経する人が多いことから45歳から55歳ころまでを更年期と言います。

女性の体はエストロゲンとプリゲステロンという2つの女性ホルモンのバランスによって影響されることが多いのですが、更年期の時期に起こる体の不快な現象はこの女性ホルモンの「エストロゲン」と深い関係があります。

エストロゲンは10歳前くらいから卵巣で徐々に分泌され始め、35歳くらいで分泌のピークを迎えますが、その後40代半ばになると減少のスピードが一気に加速していきます。

今まで保たれていた女性ホルモンのバランスがエストロゲンの急激な減少によって崩れていくことに脳や体が対応できずに体調を崩すというのが更年期障害と言うものです。

更年期になっても体調不良をほとんど感じないという人もいますが、日常生活にも影響を及ぼすほど重い症状に苦しむ人もいます。

よくある更年期障害の症状としては、体の倦怠感、疲労感、のぼせ、ほてり、多汗、たちくらみ、耳鳴り、動悸、めまい、手足のしびれ、関節の痛み、頭痛、肩コリ、体のかゆみ、肌の乾燥、イライラ、不安、うつなどがあり、なかなか眠れないという不眠を訴える人も多いのです。

 

更年期による不眠症の原因

女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が40代半ばで急激に減少することによって、女性ホルモンのプロゲステロンとのバランスを崩してしまうというのが更年期障害の主な原因ですが、更年期における不眠症も同じようにこれらの女性ホルモンのバランスの崩れが原因で起こります。

女性の体は女性ホルモンのバランスによってコントロールされており、この女性ホルモンは眠気をコントロールする睡眠中枢にも大きな影響を与えています。

そのため、更年期になるとなかなか夜になっても眠れないという入眠障害や夜中に何度も目覚めてしまうという中途覚醒などが起こりやすくなります。

中途覚醒型不眠に悩む人の原因は主に更年期障害による、のぼせやほてりが原因である場合が多いです。

また、更年期にはトイレが近くなるということもあり、頻繁に睡眠を中断することも原因の一つです。

さらに、日頃からストレスやイライラ、不安などを抱えていると更年期障害によってさらに悪化するする危険もありますし、眠れないという不眠症の状態が不安や不満の原因になってさらに症状が悪化するという場合もあります。

このように不眠症であることが不眠の原因になるという悪のスパイラルに陥ると、不眠症だけでなく体調にも影響が出てきますので更年期の不眠症を無視してはいけません。

 

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更年期障害によって起こる不眠症の対策

人間にとって脳や体を休息させるための睡眠が充分にとれないということは非常に辛いことで、心身ともに機能が低下していきます。

逆に不眠症を解消することによって心身の状態が一気に良い方向に向かうという場合もあるのでしっかり不眠症と向き合って対策をすることが大切です。

 

1,冷えをとるために入浴する

更年期になると血のめぐりが悪くなり、血行不良からくる「冷え」に悩む人もいますが、冷え体質を改善することで不眠を解消できます。

体の末端である足先や手先まで血流をよくすることで体全体が温まります。

体を温かくすると体は体外に熱を放出しようとして体温を下げようとすることで眠気が自然とやってきます。

なかなか寝付けないという入眠障害の人は就寝前にしっかり体温を上げるようにしましょう。

このため、就寝の1時間ほど前に入浴して体を芯から温めることが効果的です。

熱いお湯に短時間入るよりも、38度から39度ほどの少しぬるく感じるほどの温度のお湯にゆっくり浸かりましょう。ゆっくり入浴することで体が温まるだけでなく、精神状態も安定していきます。

イライラした状態ではすっと入眠することはできません。入浴中に足裏などをマッサージするとより血行が良くなるので体が温まります。

入浴後は湯冷めしないように気をつけて、せっかく温まった体が冷えないように早めに就寝しましょう。

 

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2,中途覚醒の人は湯たんぽを使う

夜中に体が寒くなって何度も起きてしまうという中途覚醒に悩む人は、湯たんぽを用意して布団の中を朝まで温めるようにしましょう。

湯たんぽがない人は電気毛布でもかまいませんし、腰などにカイロをあてるのもよいでしょう。

靴下を履いて眠る人もいますが、靴下で足先まで包んでしまうと体が熱を放出するところがなくなってしまうので、レッグウォーマーなどで足もとを温めるとよいでしょう。

首周りの冷えが気になる人はネックウォーマーなどを利用すると布団から出ている部分までしっかり温められます。

 

3,温かい飲み物を飲んで寝る

眠る前にお腹の中から温まっておくために、ホットミルクやホットココア、ホットジンジャーエールなど温かい飲み物を飲んで寝ると体も温まりますし、気分もリラックします。

更年期の時期は日常生活の些細なことでも不安になったり、心配になって不眠症を悪化させます。

眠る前はあまりクヨクヨしないで穏やかな気分にすることも不眠症には効果的です。

コーヒーや紅茶や日本茶も夜に飲むとホッと一息気分はリラックスできるのですが、これらの飲み物にはカフェインが入っているので睡眠前の飲み物としては向きません。

また、眠れないということで、日本酒やウィスキー、ワインなどのアルコールを少しだけ寝酒として飲む人がいますが、アルコールを摂取して眠ると眠気が出ると言う行為は、入眠はよくても血中のアルコール濃度を下げようとして体が休息できません。

そのため中途覚醒の状態になりやすく、質の良い睡眠をとることができませんので注意しましょう。

更年期の頃には夜に寝ていてもトイレに何度も目覚めてしまうということもありますので、眠る前に温かい飲み物を飲む場合でも量は少なめに抑えましょう。

 

4,アロマを利用する

就寝前に精神を落ち着かせてリラックする状態を作ると言うことは不眠症対策には肝心です。

このため、心身ともにリラックスできるアロマを利用することが効果的です。

不眠を解消するためのアロマはいろいろありますが、ラベンダー、ペパーミント、イランイラン、ローズオットー、パチュリなどは有名です。

アロマポットなどで部屋に香りを広げるのも良いですし、お風呂のお湯に香りをつけるのも良いでしょう。

アロマの香りも好みがあるのでアロマの専門店に出向いてみて自分にあった香りを見つけてみましょう。

専門のスタッフに聞いてみると不眠症に効果のあるいろいろなアロマオイルを紹介してくれます。

 

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5,漢方を利用する

不眠症を解消するためにドラッグストアに行けば、睡眠導入剤が簡単に手に入りますし、医療機関を受診すると比較的簡単に睡眠薬を処方してくれます。

このような薬の力を借りることによって不眠の悩みがすぐに解消される場合も多いのですが、薬の服用に抵抗のある人は漢方薬を利用して不眠を解消するのも良い方法です。

漢方薬は薬の副作用もありませんし、心身のバランスを調和させながら本来あるべき状態に近づけてくれます。

漢方薬での治療は、更年期障害を緩和しつつ、不眠症にも効果があるという漢方の配合によって治療をします

。また、その人の症状のタイプを細かく分析して処方を考えます。

不安や心配による不眠や決断できない、驚きやすいという人は、精神的に疲れていているために鎮静効果が必要なので、三棗仁湯(さんそうにんとう)や加味帰脾湯(かみきひとう)などが効果的です。

何だかイライラして眠れないと言う人には、抑肝散(よくかんさん)や抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)を、悪夢をよく見てしまう人には、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)や桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)、肉体的な疲労には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)が効果的です。

このほか、いろいろな漢方がありますので、漢方薬局に相談したり、漢方専門の医療機関がありますので受診してみるのもよいでしょう。

現在睡眠薬などを利用して不眠を解消していると言う人も漢方を服用することで睡眠薬に頼らずに眠ることができるようになります。

更年期による不眠は心身のバランスを整えることが大切です。

 

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6,体を動かす

日中にしっかり体を動かして体温を上げることによって体は就寝時間になると体温を下げようとします。

体温がしっかり下がり、1日のうちで高温時間と低温時間のリズムが出来ることで質の良い睡眠をとることできます。

このため、更年期の時期は積極的にスポーツしたり、体を動かすことを意識的に行うことが大切になってきます。

何となく体がだるいので家にじっとしていては、体温のリズムができません。

また、心地よい疲労感があると体は休息を必要としますので、夜にしっかり眠れるようになります。

難しい運動にチャレンジする必要はありません。ウォーキングでもちょっとしたストレッチでもかまいません。

若い頃にしていたスポーツを復活させてみるのも良い方法です。

 

7,開放的な気分にする

更年期世代になるとホルモンバランスが崩れるために、ちょっとしたことで不安になったり、イライラしたり、心配したり、自己否定したり・・・と気分が落ち込むことがよくあります。

これが酷くなるとうつ状態になるのですが、うつなど精神的な問題に発展すると不眠症はもっと酷くなります。

落ち込みがちな時期ですが、気分を開放して明るくしたり、リラックスしたり、友達と大笑いするということが非常に重要になってきます。

気を使わない人の中で自分を開放してみると気分も晴れます。

なかなか家を出られないと言う人は楽しい映画や悲しい映画を見たりして笑ったり泣いたりしても効果的です。

好きな趣味に打ち込むのも良いでしょう。気分を開放することで自律神経が整い睡眠の質も良くなります。

 

 

男性にも更年期の不眠症が増えている

更年期障害というのは女性特有の悩みであると思っている人がまだまだ多いのですが、実は男性にも同じような症状を感じている人が増えています。

男性の更年期障害は男性ホルモンであるテストステロンの減少が主な原因とされています。

女性ホルモンは40代半ばで急激に減少しますが、男性ホルモンのテストステロンは20歳をピークに緩やかに減少していきます。

女性のように突然更年期障害に悩むと言う人は少ないですが、テストステロンの減少や仕事上のストレスや過労、性格、ビタミン不足などから女性の更年期の時期に同じように体調を崩すことがあります。

更年期障害になると自律神経のバランスが崩れることで副交感神経も乱れ、不眠症になってしまいます。

男性が不眠症になるとテストステロンの分泌が悪くなるのでどんどん悪循環に陥りやすくなります。

特にうつの症状があらわれる場合が多く、うつと不眠は互いに大きく影響しあうので深刻な不眠症になることがあります。

男性更年期は放置せずに、医療機関を受診して男性ホルモンの補充をして自律神経のバランスを整えましょう。

 

更年期には終わりがある

更年期の時期は心身ともに不快な時期が続きます。

長い人は10年以上もそのような時間を送ることもありますが、女性の場合閉経に伴い崩れたホルモンバランスが整ってくることで徐々に更年期障害は解消されていきます。

その頃になれば更年期の不眠からも開放されていき、また元のように質の良い睡眠がとれるようになります。

上手に更年期による不眠を和らげながら辛い不眠の時期を乗り越えましょう。

 

まとめ

更年期の時期は心身ともに不快な時期が続きます。

長い人は10年以上もそのような時間を送ることもありますが、女性の場合閉経にともなって徐々に崩れたホルモンバランスが整ってくることで更年期障害は解消されていきます。

これに伴って更年期の不眠からもいつかは開放され、また元のように質の良い睡眠ができる日がきます。

上手に更年期による不眠を和らげながら辛い時期を乗り越えましょう。

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