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睡眠ホルモン「メラトニン」の効用と効果的な補い方

  • 最終更新日:2017.07.20
  • 公開日:2016.12.22

私たちが毎日健康的な生活を送るためには、「良い睡眠」が必要不可欠ですが、睡眠は様々な条件が重なり合って成り立っています。

私たちが眠気を感じるために欠かすことの出来ないホルモンの1つに、「メラトニン」があります。

メラトニンとは、どのようなものなのでしょうか。

また、メラトニンが正常に作用するためには、どのようなことに注意していけば良いのでしょうか。

ここでは、メラトニンについて詳しく見ていきましょう。

 

メラトニンとは

 

メラトニンは、睡眠に大きく影響を及ぼすホルモンの1つですが、私たちの睡眠の周期を司る役割を持つ「睡眠ホルモン」です。

脳内の松果体(しょうかたい)から分泌され、体内時計に働きかけることで、史睡眠と覚醒を繰り返しています。

私たちの身体は、日中の強い光を浴びることで、メラトニンの分泌が抑えられることが分かっています。

メラトニンはその後の時間の経過に伴い、夕方、日が落ちてくる頃になると分泌量が徐々に増え、体温や血圧を下降させることで睡眠の準備へと導く作用があるホルモンです。

つまり、私たちの毎日の生活リズムに合わせて、催眠作用のあるメラトニンの分泌量が、自然に調整されているのです。

一方、大人の人に比べて、赤ちゃんや小さなお子さんの睡眠時間が長いのは、メラトニンの分泌量が多いからということが分かっています。

成長と共にメラトニンの分泌量が減る上に、様々な生活リズムの変化などにより、睡眠時間も変化してきます。

大人になるにつれて、体内時計の調節機能のも低下しますので、睡眠時間が減ってきてしまうのです。

 

私たちの体内時計は「25時間」

私たちの身体の中には「体内時計」があり、1日の生活のリズムを刻んでいます。

体内時計は、脳内の「視交叉上核(しこうさじょうかく)」にあり、自律神経の調節や様々な生活のリズムを刻んでいます。

体内時計はもともと25時間周期になっていますが、毎日、朝日を浴びることでリセットされるようになっています。

睡眠ホルモンの一種であるメラトニンは、この体内時計によって分泌量や分泌のタイミングが調整されているのです。

そのため、体内時計がきちんと作用していなければ、生活のリズムも乱れてしまいますし、良い睡眠も取れないということになります。

通常メラトニンは、朝目覚めてから14~16時間後位になると分泌されてきます。

正常にメラトニンが分泌されるためにも、体内時計がきちんと働いていることが必要になるのです。

 

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>>概日リズム(体内リズム)睡眠障害の7つの型と原因と対策

 

良く眠るためには、「太陽の光」が欠かせません

日常生活の中で、太陽の恵みは様々なものがあります。

植物がより良く育つためにも、太陽の光は欠かすことが出来ませんが、私たちの健康的な暮らしのためにも、そして何よりも、より良い睡眠のためにも、太陽の光は重要な役割を果たしていることが分かっています。

私たちの身体の中には「体内時計」があり、日常生活を司っていますが、この体内時計を調整する役割を果たす「メラトニン」は、太陽の光の影響も強く受けています。

そのために、太陽を浴びないような生活を繰り返していたり、生活のリズムが乱れがちな不規則な生活を繰り返していたりすると、睡眠に作用するメラトニンが十分に分泌されることがないために、なかなか思うように眠ることが出来ないといった睡眠障害になってしまうのです。

 

室内の照明の光によっても、睡眠には変化が表れます

通常、夜に分泌量の増えるメラトニンは、白い光よりも温かみのある光の方が良いといわれています。

しかし、室内の蛍光灯の光も白っぽく明るい光の場合が多く、その上、パソコンやスマートフォンなどの電子機器の光によっても、私たちの身体は大きな影響を受けています。

睡眠に大きく関係している視床下部は、光によってメラトニンの分泌量の増減を調整していますので、夜間遅くまで強い光に当たっていることで、メラトニンの分泌が抑えられてしまい、睡眠と覚醒のリズムが乱れてしまいます。

光によって、体内時計も乱れてしまうことになるのです。

 

関連記事
>>知っておきたい「睡眠」と「光」の関係~眠りに最適な明るさとは?

 

メラトニンのその他の効果は?

メラトニンが睡眠に深い関係があることが分かりましたが、その他にも細胞の新陳代謝を促す作用や、抗酸化作用を活性化させる作用があります。

また、アンチエイジングの効果や生活習慣病の予防にも効果があることが分かっています。

メラトニンは、私たちの身体に様々な作用をもたらしているのです。

 

メラトニンはどうやって補える?

睡眠障害などにメラトニンが効果的に作用することは分かっているものの、不妊症などでお悩みの方が、メラトニンを薬などで補うことは出来るのでしょうか?

海外ではサプリメントとして、メラトニンを購入することは出来るところもあります。

しかし、日本では、メラトニンの製造や販売は認可されていませんので、購入することは出来ません。

近年では、メラトニンそのものではないにしろ、メラトニン受容体に作用する化合物として、サプリメントが販売されていますので、睡眠障害でお悩みの方には、サプリメントでも補えるようになってきました。

しかし、副作用の心配も大きくなっていますので、出来ることであれば、薬などに頼ることなく、自然体で良い睡眠を取れるようになりたいものです。

生活のリズムを改善したり、ストレスの解消を心掛けるようにしたりするだけでも効果は期待できます。何よりも、少ない時間であっても、太陽の光を浴びるように心掛けると良いでしょう。

 

サプリメントなどには、どのような副作用があるの?

メラトニンを補うためにサプリメントなどを服用することで、懸念される様々な副作用もあります。主な副作用は、

 
・吐き気や腹痛
・血圧の低下
・生殖機能の低下
・生活リズムの乱れのリスク

 

などです。

睡眠には日常生活でのストレスなども大きく影響してきます。

また、パソコンやスマートフォンなどの電子機器の明かりにも、睡眠を阻害する作用があることも分かっていますので、夜に向けて心地良い睡眠が取れやすいように、生活習慣の見直しを行なうと良いでしょう。

また、症状がひどい場合には別の原因も考えられますので、専門医を受診するようにしましょう。

 

メラトニンは食べ物からも補えるの?

睡眠ホルモンであるメラトニンは、毎日の食生活から補うことは難しいといわれていますが、唯一メラトニンが摂取できる食べ物として注目されているものが、「サクランボ」です。

しかも、甘いサクランボよりも酸味の強いサクランボの方がメラトニンも多く、さらにたくさんの量を摂取しなければなりません。

また、食べ物から直接メラトニンを補うことは出来ないものの、生成を促す役割をする食材や栄養素はたくさんあります。

主なものは、
・カルシウム
・カリウム
・マグネシウム
・炭水化物
などです。

毎日の食生活は、私たちの生活習慣にも大きく影響してきますので、たくさんの食材を使ったバランスの良い食生活も、良い睡眠を取るためには大切になってきます。

 

関連記事
>>トリプトファンを含む食品と睡眠効果とは?

 

まとめ

これまで見てきたように、睡眠には様々な要素が深く関係していますが、なかでも「メラトニン」の関係は決して軽視することは出来ません。

日常生活の中で、太陽の光(できれば朝日)を毎日浴びることで、メラトニンが分泌され、体内時計が正常に働き出すようになりますので、不眠症などの睡眠障害の解消にも効果が表れてきます。

また、光によってもメラトニンの分泌に変化が生じてしまいますので、夜間の照明などにも注意が必要になってきます。

メラトニンの分泌を促す生活を心掛け、安眠につなげていけるようにしましょう。

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