
子供がいない新婚時代は夫婦で同じベッドに寝ていたという夫婦も子供が産まれると二人で寝るという睡眠の形が変わってきたという人は多いと思います。
寝る時は夫婦一緒に寝る方がいいのでしょうか?
夫婦が一緒のベッドに寝ることのメリットとデメリットを調べてみました。
この記事の目次
結婚年数が多いと別の部屋で寝る人が多い
結婚当初は2人で同じベッドに寝ているという夫婦が多いという結果があります。
日本国内の住宅事情も大きく関係していると思いますが、新婚当時はダブルベッドで2人で寝ている人が半数以上で、その次に多いのが同じ部屋にシングルベッドに分かれて寝るというパターンです。
この形が崩れるのは子供が生まれた辺りからです。
日本の場合、両親と子供が川の字になって眠るということが今でも一般的で、この場合、ダブルベッドが狭く感じる人は同じ部屋にシングルベッドをもう一台入れて旦那さんがそこに寝たり、ダブルベッドの横にベビーベッドを入れて子供を寝かすことが多いようです。
また、子供が複数になるとダブルベッドに上の子を一緒に寝かせて、下の子はベビーベッドに寝るという人もいます。
夫婦と子供が一緒に寝るのが普通の感覚なので違和感はありませんが、子供の夜鳴きやミルクの世話で夜中もバタバタすることが多くなります。
そのため旦那さんが睡眠不足になってしまうのを避けるために、お母さんと子供が同室で、旦那さんだけ別室へという流れになる家庭もあります。
また、子供が大きくなって1人で眠れるようになっても再び夫婦が同じベッドで眠るようにならないパターンも多く、夫婦それぞれが別室で眠るようになる傾向があります。
もちろんいつまでもダブルベッドで2人揃って眠っている夫婦もいますが、最近の傾向では、結婚年数が多い夫婦は徐々に寝室まで別にすることが増えています。
夫婦が一緒にベッドで寝ることのメリット
1,ストレスが減る
睡眠の大敵はストレスです。
心理的ストレス、心配事、不安、悩みというものがあると脳がリラックスできずに休息できないので睡眠の質が悪くなります。
このストレスを取り除いたり、緩和することが睡眠にとっては不可欠ですが、夫婦で一緒のベッドで寝ていると恋愛ホルモンのオキシトシンが増加し、ストレスホルモンのコルチゾールが減少するということが分かっています。
大好きな人と一緒に眠ると安心感や幸福感が生まれるので気持ちがリラックスできるということです。
しかし、これはラブラブの仲の良い夫婦関係にある夫婦の話で、夫婦の仲があまり良くないという二人はストレスが減少するどころか、ストレスが増加することもあります。
2,信頼関係が深まる
夫婦が一緒のベッドにいると今日一日の出来事を話したり、最近思っていることや心配事を話します。
リビングルームでも話せることですが、一緒のベッドで寝ている時にパートナーに話を聞いてもらったり、逆に耳を傾けていると今までよりももっと信頼感が高まります。
ベッドでの会話をピロートークと言いますが、ピロートークでも幸福感が感じられるとオキシトシンが分泌されます。
オキシトシンが分泌されると脳の疲れをしっかり癒すことができますし、精神を安定させて幸福感を覚えます。
睡眠時に幸福感を味わいながら眠れるということは人間にとって非常に大切なことです。
3,光熱費を抑えられる
ダブルベッドでコンパクトに夫婦で眠ることで光熱費が抑えられます。
夫婦で個室を持つと夜間の光熱費は2倍かかってもおかしくありません。
光熱費の節約を考えると夫婦は少なくとも同室で眠る方が良いでしょう。
4,相手の異変に気がつく
ダブルベッドに一緒に寝ていると夫婦共にお互いの異変に気がつきやすいというメリットがあります。
歳をとると健康上色々な問題が出てくるのは自然のことですが、パートナーが夜中に突然何かの発作を起こしたり、病気の症状が出て苦しんでいた場合などは横で寝ているだけで異変に気が付きます。
すぐに救急車を呼んで対応が早かったために命拾いしたということは珍しいことではありません。
夜中に大きな発作を起こして苦しいと訴えても別室で寝ているパートナーに知らせることができずに、朝になってしまうことで最悪の場合は命を落とすことにもなります。
独り暮らしをしているならば仕方がないかもしれませんが、同じ家に夫婦で住んでいても異変に気がつくことができなかったとなると後悔しか残らなくなります。
睡眠時間は意外と長い時間ですので、その間1人になることは家の中でいても、独り暮らししていることと同じ状況になってしまいます。
5,病気や睡眠中の異変に気が付ける
●睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まってしまう病気です。
医学的には10秒以上気道の空気の流れが止まった状態を無呼吸と言いますが、このような状態が一晩で7時間睡眠するという人で30回以上、または、1時間に5回以上あることを睡眠時の無呼吸と言います。
睡眠時無呼吸症候群というのは軽視していると取り返しの付かないことになるので日頃から注意しておく必要があります。
睡眠時に呼吸が長い間止まっているにも関わらず、本人は眠っているのでその事に気がつきません。
色々な症状がありますが、寝ている間はいびきをかく、いびきが止まりしばらくすると大きな呼吸と共にいびきをかき始める、息苦しそうにしている、むせる、寝汗をかく、夜中に何度も起きるというようなものです。
睡眠中に本人は眠っているつもりでも、睡眠の質は悪いので、朝起きてもすっきり起きられませんし、熟睡感がありません。
また、頭が痛かったり、体が重く感じたり、のどが渇いたりします。
仕事に行っても眠気が残りますので集中できませんし、疲れやすいという状態になります。
睡眠時無呼吸症候群は30代~60代の働き盛りの男性がよくなる病気ですが、女性でも閉経後の女性によくある病気です。
もしパートナーが一緒に寝ていたら呼吸が止まっていたり、いびきが酷くなっているときは起きた時に注意できますし、病院に行くように促すこともできます。
●レム睡眠行動障害
パートナーの寝言が気になるという人がいますが、寝言が激しいとレム睡眠行動障害という病気の可能性がありますので注意をしてあげましょう。
レム睡眠行動障害というのは、睡眠中に激しく寝言を言ったり、叫んだり、暴れるような症状があります。
もしパートナーにそんな症状があるとびっくりしてしまいますが、このような症状は脳や脊髄の中枢神経系の病気である可能性があります。
本人は眠っているので自覚はありませんが、夢の中の場面を実際に行動してしまうこともあります。
少しの寝言ならば我慢もできますが、頻繁に大声で怒鳴ったり、暴れたりすると家族はストレスが溜まりますし、関係も悪くなります。
しかし、レム睡眠行動障害がパーキンソン病やレビー小体型認知症などの初期症状である場合があるのでできるだけ早く病院を受診してもらうようにすることが大切です。
●歯ぎしり
歯ぎしりはかなり激しい音を鳴らしていても、本人は全く分かっていないのが一般的です。
歯ぎしりの原因は一般的にストレス、不安、逆流性食道炎、睡眠時無呼吸症候群、アルコール、カフェイン、タバコなどが原因とされていますが、レム睡眠行動障害が隠れていることもあります。
マウスピース治療などを行わないと歯がボロボロになってしまうので、できるだけ早く歯科を受診したり、睡眠外来で歯ぎしりの本当の原因を突き止めることも大切です。
夫婦が一緒に寝る時のデメリット
熟睡できない
夫婦で同じベッドに眠っていると、大好きなパートナーであってもなかなか熟睡できないという悩みがあります。
夜中に寝言を言われたり、歯ぎしりやいびきが酷くなると熟睡どころか睡眠妨害にもなります。
男性よりも女性の方がこのような症状のあるパートナーに対して不満があるようで、女性が男性に別々に寝て欲しいと言い出すことが多いようです。
女性は別々の部屋で眠れるようになると、熟睡できるようになったという自分の満足度が上がるようです。
また、男性も夫婦で一緒のベッドに寝ていると熟睡度が実際に下がるというデータがあり、夫婦が一緒のベッドで寝ている男性ほど起きている間の仕事の質が落ちるということも言われています。
実際、子供が産まれてから子供の夜鳴きで翌日の仕事に差し障りがあるので別に寝たいと言って部屋を別にする男性もいますし、女性の方から男性に申し訳なくて別の部屋にしてもらったということもあります。
夫婦で一緒のベッドに寝ても、全くストレスなく熟睡できるという人もいますので個人差があります。
夫婦が一緒に寝ないときのメリットは?
気を使わなくていい
夫婦でも睡眠時間くらい自分のペースで好きなように眠りたいと思う人はいます。
相手の睡眠を邪魔するので寝返りできなかったり、トイレに行きたいのに気を使うのでは疲れてしまいます。
1つのベッドに眠っていると夜中にスマホの明かりがついただけで起きてしまう人もいますし、布団を取られたりすると寒くて眠れません。
しかし、別のベッドに寝ているだけで自由に寝返りを打てますし、夜中にちょっとスマホをいじっていても相手が眠っていれば問題ありません。
生活のリズムを合わせなくて良い
起床時間や就寝時間は家族の中でも非常に差があるので、同じ家に住んでいながら全く生活時間が合わないので会えないということもあります。
早く起きて家事をしたい、子供は早く学校に行かせる必要があるが、パートナーは夜勤なのでゆっくり寝かせてあげたいというような場合は、全く部屋を別室にすることで家族みんなが快適に過ごすことができます。
子供が病気のときなどは仕事のあるパートナーに移る危険もあるので、全く別室にして寝ると安心です。
自分に適した環境で眠ることができる
1つの部屋で眠っているとシングルベッドでもダブルベッドでも、好きな室温や湿度が相手と違うことでなかなか眠れないということがあります。
例えば、夏のエアコンの温度設定など夫婦で好みが違うため、ケンカになったことはありませんか?
暑いと言う感覚が違うために1人の適温に合わせると、もう1人は自分の好みの室温ではない環境で眠る必要があります。
照明の好みの違いもあります。
真っ暗でないと眠れないという人もいれば、ほのかに明るい光が必要という人もいます。
このような室内の環境は夫婦が一緒に寝ていると余程好みが合っているか、片方が我慢しない限り自分好みの変えることができません。
1人の時間と空間が得られる
夫婦であっても24時間同じ空間にいることで疲れてしまうこともあります。
眠っている時や一人になりたいときくらい誰にも邪魔されない空間で寝たい、過ごしたいという人が多くなってきています。
住宅環境が整うならば夫婦でも個室にして眠る場所も全く別にすると新鮮な感じもします。
ベッドで寝るよりも畳で寝たいという人もいるでしょうし、夜更かししたい、早起きしたいなど就寝時間の自由もあります。
テレビや映画や音楽は1人で楽しみたい、自分の趣味で部屋を飾りたい、夫婦でも見られたくないこともある・・・というような問題は全て自室で眠ることで解決します。
夫婦でありながら自由な空間と時間を与え合って、お互いを尊重した生活ができると充実した毎日になったという人もいます。
もちろん、いつまでもずっと同じ空間で過ごしたいという夫婦もいるので個人差がありますが、全く別の空間で眠ることで自分らしく生活できるようになります。
夫婦で話し合って決めるのが大切
夫婦で同じベッドに眠ることに対してはメリットもデメリットもあります。
夫婦としての年月を重ねていくことで2人の関係性も家族構成も変わってきます。
どの方法が良い、悪いということはありません。
夫婦によって考え方も価値観も全く違うのですから、2人が納得できる形をとるというのが大切なことです。
一緒に寝るか、別に寝るか、寝室まで分けるかということは2人で良く話し合って決めるのが一番です。
一方が無理やり自分の価値観を押し付けることなく円満に解決することがポイントと言えるでしょう。
例え、部屋を分けたとしてもその後の関係が以前よりも良くなったというならば、その方法はその夫婦にとってベストな選択ということになりますよね。
まとめ
夫婦は一緒のベッドに寝ると安心感があったり、信頼関係が深まったり、コミュニケーションを取ることができたり、相手の健康面への気づかいができますが、デメリットとしてはお互いに熟睡できないというケースがあること。
もちろん、パートナーと一緒に寝ていても熟睡できるという人もいますが、自由な時間や空間が得られるということで別のベッドで寝たり、全く部屋を分けて寝るという夫婦が増えています。
どちらが正解かということはありません。
2人でしっかり話し合ってお互いにとって最良の方法を探しましょう。