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知っておきたい「睡眠」と「光」の関係~眠りに最適な明るさとは?

  • 最終更新日:2018.11.15
  • 公開日:2017.02.08
知っておきたい「睡眠」と「光」の関係~眠りに最適な明るさとは?

太陽が昇り朝日を浴びて目覚めたり、月明かりを感じながら眠りに付くという自然のままの生活を送りたいと思いながらも、現代人はなかなかそのような環境にないという人も多いはずです。

深夜まで働いたり、昼まで眠っていたりという不規則な生活を続けているとぐっすり眠れない、夜になっても眠気がないという身体になってしまい不眠症の原因になります。

人間にとって太陽の光と言うものは身体のサイクルを整えるためにも重要で、人間の睡眠と光には深い関係があるとされています。

人間は光を浴びることで睡眠にどう影響するのでしょうか?

また、睡眠に最適な明るさというものはどのようなものなのでしょうか?

一緒にみていきましょう。

光と睡眠と体内時計の関係

光と睡眠と体内時計の関係

睡眠と光には非常に深い関係があります。

人間には生まれつき、体内時計が備わっていますが、その体内時計というのは本来1日25時間ほどのサイクルで回っています。

しかし、生活は1日24時間というサイクルで回っていますので、体内時計を調整して一日のサイクルを合わせなければ、徐々にそのサイクルが狂ってしまい朝に起きて夜に眠るという一見普通の行動ができなくなります。

そこで25時間ほどの体内時計を24時間という一日のサイクルに自分自身で調整し生きているのです。

従来人間は、太陽の光を浴びて目覚め、太陽が沈むと眠るという生活をしてきましたが、文明が進み、そのような自然の流れに身を任せた生活を送ることができなくなってきています。

ほとんどの人は太陽からの光だけでなく、色々な光を浴びて生活しており、多くの人は必要以上に長時間様々な光に当たっているはずです。

しかし、この現代の生活こそが、徐々に体内時計を狂わせてしまい夜に眠れなかったり、昼間に眠くなったりという不眠の原因を作っています。

光で体内時計を正常に動かす

光で体内時計を正常に動かす

光と体内時計には密接な関係があります。

1日のサイクルである24時間と本来人間が持っている体内サイクルである25時間を徐々に合わせていく役割をしているのが光です。

人間は光を感じると目の網膜が脳の視交叉上核という部分に信号を送ります。

脳の中での光の情報は体内時計を司る器官に働きかけ1日のサイクルを24時間に合わせるように体内時計の時間をリセットするのです。

体内時計を進めたり、遅らせたりするのが実は光なのです。

朝方は一般的に人間の体温は低いですが、明け方に明るい光を浴びることで体内時計は正常に時間を刻みはじめ、体温を上げてくれます。

明け方に光を浴びることで、体内時計は、時間を正確に刻むことができるのです。

つまり、この明るい光を浴びる時間が後退してしまうと、体内時計は必然的に遅れを取ることになりますので、眠らなくてはならない時間になっても眠ることが難しくなると言う訳です。

早起きと光を浴びることこそが体内時計を正しく動かし、質の良い睡眠をとるためのポイントと言えます。

メラトニンの分泌は光がカギ!

メラトニンの分泌は光がカギ!

睡眠ホルモンと言われるほど睡眠と深い関係にあるのがメラトニンというホルモンです。

メラトニンが脳から分泌されることによって眠気が起こり睡眠へと導いてくれます。

このためメラトニンが夜に分泌されにくい状態になっている人は眠れないという不眠症になってしまうのです。

メラトニンは通常夜に分泌され、昼間には分泌されません。

朝に朝日を浴びたり、照明による光を浴びて起きるとそこから14時間から16時間後にメラトニンが分泌され眠気が出るようになっています。

朝起きる時間によって身体が自然に眠りを求める時間が客観的にもわかると言うことです。

朝に遅く起きたり、光を浴びずに真っ暗な部屋などにいると身体は朝になったことを認識できません。

そのため時間帯は夜であっても眠気を感じることはありません。

また、メラトニンは明るい光の状態では分泌されません。

夜になっても明るい照明にずっと当たっていると脳が夜であることを感じることができないためメラトニンが分泌されずに眠れないという症状に陥ります。

部屋を暗くすると眠くなる

睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌するためには、朝にしっかり起きて太陽の光を浴びることが大切ですが、夜になってもずっと明るい光を浴び続けていると、脳は夜になったということを認知しにくくなるので、なかなかメラトニンが分泌されずに眠気が起きません。

夜になっても明るい電気をつけた部屋で過ごすと眠れなくなるのは、光を浴びることによってメラトニンの分泌が後退してしまうことが原因です。

朝にしっかり光を浴びて、夜には暗くした部屋で過ごすということが大切になってきます。

眠る段階で部屋を暗くしても良いのですが、眠る30分から1時間前から少し薄暗い明るさの部屋の照明にしておくと眠りに入りやすくなります。

ブルーライトの光は眠りを邪魔する

ブルーライトの光は眠りを邪魔する

現代人は一日中スマホやパソコンなどのIT機器を使っていますし、LED照明の普及に以前よりもブルーライトという光を長時間浴びることが多くなりました。

ブルーライトというのは人間が感じることのできる光の中でも波長が短くエネルギーが強く、広い範囲に広がりやすい光とされています。

以前はブルーライトが目の疲労や網膜への悪影響が懸念されていましたが、最近ではブルーライトを夜、長時間浴び続けることによって脳が夜を認識できずに、眠気そのものを遠のけてしまうことが問題となっています。

電子機器を使用することによって光が睡眠を邪魔してしまうだけでなく、脳も興奮状態になるため寝つきが悪くなり、熟睡することができず、中途覚醒になるケースもあるようです。

特に学生などの若年層では、ブルーライトを夜に長時間浴びてしまい、不眠症になる症例が増えています。

ブルーライトも夜浴びるとメラトニンの分泌を抑制しますので、電子機器を使うことが習慣になっている人はそれが不眠症の引き金になっているという認識を持つことが大切です。

睡眠のための適切な光の明るさ

睡眠のための適切な光の明るさ

人間の体内時計と睡眠ホルモンは光と非常に深い関係があります。

光を浴びる時間やタイミングも重要ですが、どれぐらいの明るさの光をどのタイミングでどれぐらい浴びるかということが、体内時計や睡眠ホルモンを適切にコントロールするためには重要です。

朝にはしっかり光を浴びて、夕方から就寝時にかけては徐々に照明を暗くして身体のリズムと一日のリズムを合わせることが大切になってきます。

就寝前1時間の光の明るさ

就寝前1時間の光の明るさ

スムーズに入眠するためには寝る時の光だけを気にかけるのではなく、眠る1時間ほど前から準備を始めることが大切です。

睡眠ホルモンであるメラトニンは500ルクス以上の光を感知すると分泌が抑制されますので、寝る前をリビングなどで過ごす人は照明器具など非常に明るい光を出すものにも注意しましょう。

今はLED照明が普及していますが、LED照明はブルーライトと呼ばれる波長の短い青白い光でメラトニン分泌を抑制させると言われています。

このため、青白い光のLED照明や蛍光灯ではなく、暖色系の薄暗い照明や間接照明を選ぶと良いでしょう。

室内の間接照明ならば150から500ルクスまでの明るさになるものを選びましょう。

また、照明器具によってはタイマーなどで徐々に光を弱くしたり、色を調整できるものもあるので便利です。

寝る直前まで強い直接照明を浴び続けるのは避けましょう。

また、光は照明だけではありません。

スマホやパソコンなどからも強いブルーライトが出ています。

周囲が暗くてもブルーライトが出ている画面を長時間見続けることでメラトニンの分泌が悪くなりますし、スマホやパソコンなどを寝る前に操作していると脳が興奮状態になって、いつまでも睡眠モードに入ることができません。

寝る前にはゆっくりリラックスしながらSNSなどを楽しみたいところですが、就寝前1時間は自分自身で禁止するくらいの強い気持ちを持って遠ざけることが必要でしょう。

就寝前に何となくコンビニに行ったり、深夜営業をするスーパーに行くのが習慣になっているという人もいるかも知れませんが、コンビニなどの照明は深夜でも非常に明るい2500ルクス以上の光があります。

就寝前のコンビニなども極力避けることが大切です。

小さな子供を夜遅くにスーパーなどに連れて行くとそれだけで眠れなくなる恐れがありますので十分注意してくださいね。

就寝時の光の明るさ

就寝時の光の明るさ

就寝する部屋はいつもどんな明るさですか?

真っ暗ですか?

それとも豆電球は付けておく派ですか?

これは人によって違いますが、真っ暗な部屋よりも少し明るい程度の明るさは本来人間が安心して熟睡できる明るさだといわれています。

具体的な数字で言うと0.3ルクス程度ですがこれは何となく部屋の様子が見える程度の明るさで、ちょうど月明かり程度が就寝時の理想的な明るさです。

都会に住んでいると月明かりなどなかなか感じることができないでしょうが、照明器具の小さい豆電球を付けた明るさやベッドの下に暖色系の間接照明を付けた明るさほどがちょうど良い明るさです。

照明を全部消して、外からの光も入ってこないように遮光カーテンをして寝る方が良く眠れるという人もいますが、人間は本能的に真っ暗よりも敵から身を守るために就寝時も火を小さく付けた状態で眠っていました。

そのことから、周りがうっすら見える程度の明るさの方が安心できるとされていますので、真っ暗にしているのに眠れないという人は少しだけ照明を残して眠ってみるのも一つの方法です。

また、布団に入ってスマホなどをいつまでも操作している人もいますが、いくら周りが暗くても脳に信号を送る目がブルーライトを感知しているのでメラトニンの分泌は抑制されてしまい、熟睡することができませんので注意しましょう。

夜中にトイレなどで部屋を出ることもあると思いますが、出来ればその際にも、廊下やトイレの照明器具の光も優しい暖色系の光にすると目が完全に覚めることなく再び深い睡眠に入ることができます。

廊下やトイレは青白い光の照明を止めて間接照明や薄暗い光に調節しましょう。

起床時の光の明るさ

起床時の光の明るさ

しっかり眠るためには朝にしっかり強い光を浴びて脳に朝を認知させることが大切です。

朝が来たことを脳が感知するためには、起床後3時間以内には太陽の光などを意識的に浴びるようにしましょう。

遮光カーテンなどが普及していますが、人間は本来朝日と共に行動し夕日が沈むことで1日を終えていたように、太陽の光を感じることが大切ですので、遮光カーテンで朝になったことも分からないほど暗い状態を保つのではく、できれば朝の光が感じ取れる材質のカーテンをつけると良いでしょう。

朝一番から非常に強い光を感じると目が痛くなったり、頭が痛くなるという人もいますが、朝浴びる光としての理想は、曇りの日の太陽の光程度の強さの光です。

ガンガンに強い夏の太陽の光を浴びる必要はありません。

また、太陽の光でなくても照明で2500ルクス以上の光を浴びていれば脳は朝を感知します。

この特性を利用した「光目覚まし」といわれる商品も出ていますので、朝すっきり起きられない人にはお薦めです。

睡眠障害と光療法

不規則な生活をしていたり、睡眠をしっかりとれていないという状態が続いてくると睡眠障害となり、自分の力だけでは狂った体内時計をもとに戻すことができないといった深刻な状態に陥っている人が年々増加しています。

このような状態の人を治療する方法としてあるのが光療法という方法です。

光療法は目に2500ルクスよりも強い光を感じさせて脳にその情報を伝え、狂った体内時計をリセットし、生活にリズムをつけてメリハリの効いた生活を取り戻す治療法です。

光療法を実践している医療機関はまだまだ少ないですが、自分自身では体内時計をコントロールできないという人は専門家のいる医療機関を受診することをおすすめします。

まとめ

まとめ

人間の睡眠には光が大きく関係しています。

人間本来の体内時計は25時間周期であるのに対して、一日は24時間周期で時を刻んでいるので、地球の1日を無視して暮していると徐々に体内時計は狂ってきて昼夜逆転するような生活になってしまうのです。

そのような状態を避けるためにも朝からしっかり起きて太陽の光を浴び、夜は徐々に暗くして就寝の準備をするということが大切になってきます。

朝に強い光を浴びることで脳は朝を感じとり、それから14~16時間後に眠気が出るようになっています。

夜に睡眠ホルモンといわれるメラトニンを十分に分泌させることで入眠がスムーズになったり、熟睡することができるのです。

ですが、メラトニンは明るい光を浴びてしまうとまた昼間だと勘違いしてしまうために分泌が抑制されてしまいます。

夜は明るい光を浴び続けないよう心がけましょう。

就寝する時間を決めたら、その1時間ほど前から徐々に照明の明るさを落としていきメラトニンの分泌を促しましょう。

また、就寝時の部屋は真っ暗も良いですが、眠れないと言う場合には、何となく周りの様子が分かる程度の光を点けて眠ってみると良いでしょう。

しっかりと熟睡するためにも光を浴びる時間と明るさに着目してみましょう。

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