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帰国後では遅い!?時差ボケ症状の対策と予防法・解消法10選

  • 最終更新日:2017.06.15
  • 公開日:2017.06.14
帰国後では遅い!?時差ボケ症状の対策と予防法・解消法10選

楽しい旅行を満喫して戻ってきたのに時差ボケで体調がすぐれない、仕事で海外出張から戻るといつも時差ボケで苦しめられる、そんな方も多いことでしょう。

シャンとしなければと思っているのに身体がどうしてもついていかない時差ボケは辛いものです。

眠りたいのに眠れなくなり、寝てはいけないのに眠くなる、そんな症状は一週間ほどで自然に治まるのですが、出来れば早く治したいですね。

ということで、時差ボケが起きる原因、時差ボケの予防と対策をわかりやすく説明していきましょう。

そもそも「時差ボケ」とは?

そもそも「時差ボケ」とは?

 

時差ボケとは、睡眠医学では「時差障害」と呼ばれています。

国際的な診断基準では、

 

1,ジェット旅客機に乗って、少なくとも3時間以上の時差がある場所へ旅行したときに不眠や過眠を自覚する場合

 
2,旅行から戻った後の1~2日以内に日中の心身の機能が落ちたり、全身にだるさがあったり、胃腸障害などの身体の症状が出る場合

 
3,その睡眠障害は他の睡眠障害や内科・精神科的な病気または薬物の使用などでは説明がつかない場合

 

の3項目が当てはまるケースを時差障害、いわゆる時差ボケであると判断されます。

つまり、人間の体内の器官は本来規則正しいリズムで働いていますので、時差によってこのリズムを乱されて体調に支障をきたしてしまうのが時差ボケということです。

 

「時差ボケ」による症状とは?

「時差ボケ」による症状とは?

 

時差ボケの症状って眠くなったり眠れなくなったりするだけじゃないの?と思われている方も多いかもしれません。

ですが実は、時差ボケが与える悪影響はそれだけではないのです。

時差ボケからくる症状で一番多いのはもちろん睡眠障害です。

それは、飛行機で海外を飛び回るのに慣れているであろうパイロットでも同様で、約90%のパイロットが時差ボケによる何らかの症状を訴えていました。

そしてその中の67%のパイロットやCAは睡眠障害に悩まされていたのです。

睡眠障害では、昼間に眠くなったり夜なのに眠れなくなったり、不眠状態になったりという症状がみられます。

また、充分な睡眠が取れないからか、集中力や注意力が落ちて記憶力も低下しがちです。

全身に倦怠感もあり、めまいがしたり頭痛がすることもあります。

時差ボケは胃腸にも影響する場合があり、消化器の不調から便秘や下痢を起こしやすくなったり、食欲不振になったりもします。

時差ボケの症状には個人差が大きく関わってきますので、数日間も症状に悩まされる人もいればまったく感じない人もいるようです。

ただ一般的には、時差が4~5時間以上あり飛行機に乗っている時間が短いほど、時差ボケになる確率と症状の度合いが上がると言われています。

 

「時差ボケ」になる原因とは?

「時差ボケ」になる原因とは?

 

時差ボケとは体内時計の狂いから起こるもので、体内時計が狂う原因には「外的脱同調」と「内的脱同調」の2つがあります。

 

「外的脱同調」

外的脱同調にも2種類あり、

 

1,日本よりも東へ移動する東行きフライトの場合:
日本からアメリカやハワイなどの東へ移動すると、昼間に現地へ到着することが多いため1日の周期が短くなります。

 

2,日本よりも西へ移動する西行きフライトの場合:
日本からヨーロッパなどの西へ移動すると、夕方に現地へ到着することが多いため1日の周期は長くなります。

 

人間は、1日の周期が長くなることには慣れやすいのですが、短くなることには対応しづらいようです。

ですから、旅行などで東方面に行く東行きフライトの場合は、とくに注意しなければなりません。

また、外的脱同調からくる時差ボケの症状は、帰国してすぐに表れることが多いようです。

 

「内的脱同調」

これは、体内時計によってコントロールされている体温やホルモンの分泌が、現地の時間によって乱されることです。

いつもなら眠くなって体温が下がっている時間なのに現地では昼間だったり、体内時計は昼間だと判断して睡眠ホルモンの分泌を抑えているのに眠らなければならない時間だったり、この乱れが睡眠と覚醒のリズムを狂わせてしまうのです。

内的脱同調からくる時差ボケの症状は、帰国して2~3日後に表れることが多いようです。

 

時差ボケと「メラトニン」の深い関係

時差ボケと「メラトニン」の深い関係

 

睡眠ホルモンであるメラトニンは、朝目覚めて太陽の光を浴びることで脳内の松果体によって作り出されます。

そして14~16時間後の夜になってから分泌されます。

私たちは、このメラトニンの分泌によって眠くなるのです。

ですが、本来なら分泌されて眠くなるはずの時間なのに、現地が昼間であったら眠りは先延ばしにされます。

逆に、メラトニンが分泌されない活動時間に到着して現地が夜だったら、メラトニンが分泌量に関係なく眠らなければなりません。

このように、体内時計と現地時間とのズレがメラトニンの分泌リズムを狂わせて、不眠症や睡眠障害を引き起こしてしまうのです。

 

時差ボケの予防と対策10選

時差ボケの予防と対策10選

1,出発する前から体内時計を調整しておく

日本からアメリカやハワイへ向かう東行きフライトの場合は、出発する2~3日前から早寝早起きをするようにして体内時計を調整しておきましょう。

東行きフライトの方が西行きフライトより生活時間の調整がしづらいので、日本にいる間から体内時計を現地の時間に近づけておけば、現地に到着してからの時差ボケを最小限に抑えられます。

ヨーロッパへ行く西行きフライトの場合でも、出発する数日前から遅寝遅起きを心がけることで、時差ボケを避けやすい対策になります。

 

2,帰国前から体内時計を調整するのも忘れずに

日本へ帰ってくる時にも、数日前から体内時計を調整しておきます。

帰国の際、アメリカやハワイから日本へ戻る場合は西行きフライトになりますので、数日前から遅寝遅起きをするようにしましょう。

また、ヨーロッパから日本へ戻る場合は東行きフライトになります。

時差ボケが起きやすくなりますので、数日前から早寝早起きにシフトして対策していきましょう。

 

3,腕時計を現地時間にする

飛行機に搭乗したら、まずは腕時計を到着する場所の時刻に合わせて、機内では現地時間で過ごすよう意識してください。

日本から出発するなら現地の時間に、日本に戻ってくるときは日本の時間に合わせましょう。

 

4,機内食やアルコールなど

機内食は、お腹が空いていなくてもなるべく食べるようにしてください。

機内食は到着する場所の時間に合わせて提供されるため、食べることで体内時計を調整して対策することができます。

また、お腹がふくれることで眠りやすくもなります。

そして、機内はとても乾燥していますので、時差ボケを引き起こす脱水状態にならないよう水分補給にも気をつけましょう。

眠りたい時にはアルコールを飲むのも一つの方法ですが、機内の気圧が低くなっているため酔いやすくなってしまいます。

到着してからの時差ぼけの症状が強く出ることもありますので、機内食を食べた後に少しだけ飲むなど、量にはくれぐれも注意してください。

 

5,機内ではどのタイミングで睡眠を取るか

機内では、目的地の時間に合わせて眠るタイミングを見計らうことが大事です。

東行きフライトの場合は昼間に到着することが多いので、身体が睡眠を欲していてもすぐには眠れません。

フライトの後半に睡眠を取って、長い1日に備えましょう。

逆に、西行きフライトの場合は夕方や夜に到着するため、前半で睡眠を取って後半は起きていましょう。

そうすれば、現地に着いても時差ボケを起こさずに快眠が得られます。

帰国する時はその逆になります。

日本への到着予定時間を考慮して、起きているべき時間と寝るべき時間を判断してください。

 

6,機内で熟睡するには

機内では、ジェットエンジンの音や光、体内時計の乱れなどでうまく熟睡することが難しいものですが、工夫して対策をすることで快眠が得ることができます。

まずエンジン音には、遮音性の高い耳栓を使いましょう。

多くの人が実践している方法で、手軽に簡単に、そして確実に音を遮断できます。

光に関してはアイマスクが対策としてオススメです。

目に入る光を遮ることで眠りやすくなり、睡眠ホルモンのメラトニンも分泌されます。

また、機内での時間潰しに映画を観る人も多いようですが、機内映画の液晶画面から放たれる光にはブルーライトが含まれています。

このブルーライトが目から入ることで脳が活性化してしまい眠れなくなってしまいますので、寝る前に見るのは止めましょう。

ちなみに、同じ理由からスマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどの使用も避けてください。

 

7,現地へ着いたら太陽の光やシャワーを浴びる

太陽の光には、フライトによって乱れた体内時計を調整して元に戻す力があります。

朝に到着したら太陽の光をたっぷり浴びてください。

そして少々眠くても我慢して、夜にしっかり眠れるよう活動します。

ですがどうしても眠い場合は、早い時間に2~3時間ほどの軽い仮眠を取って、その後はシャワーを浴びて身体に刺激を与えて眠気を覚ましましょう。

3時間以上の睡眠を取ってしまうと、逆に時差ボケが続く可能性があります。

夜に現地に到着したらとりあえず寝ます。

もし眠れないようならアルコールを摂取するのもいいかもしれません。

そして翌朝、朝の太陽の光をたっぷり浴びて、体内時計のズレを調整してください。

これは、日本に戻ってきた場合でも同じです。

体内時計を元に戻すには、太陽の光を浴びることがとても効果的な対策なのです。
関連記事
>>知っておきたい「睡眠」と「光」の関係~眠りに最適な明るさとは?

 

8,食事の時間で生活のリズムを取り戻す

旅行先でも日本でも言えることですが、ある程度決められた時間に食事をすることでも体内時計は調整されます。

お腹の空き具合に関係なく、朝食なら朝の9時まで、夕食も夜の9時までには終わらせたいものです。

 

9,帰国後の時差ボケ対策にメラトニンのサプリメントを摂取する

パイロットやCAなど時差ボケに悩む職種の人たちは、対策としてメラトニンのサプリメントを摂取することで時差ボケを緩和しているケースが多いそうです。

メラトニンは睡眠ホルモンと言われるほど眠りと深い関係があり、メラトニンを補うことは体内時計を修正して時差ボケを治す手段としてたいへん有効です。

ただ、メラトニンのサプリメントは睡眠薬ではないため副作用の心配も少ないのですが、だからといって飲み過ぎると翌朝まで眠気が残ってしまう場合もあります。

服用する際には充分に注意しましょう。
関連記事
>>睡眠ホルモン「メラトニン」の効用と効果的な補い方

 

10,帰国後は3日以内に体内時計の調整をする

時差ボケの症状や度合いは人それぞれですが、いずれにしても早く治すに越したことはありません。

長引けば長引くだけ症状も重篤になってしまいますので、出来れば帰国して3日以内には体内時計の調整を済ませてしまいたいものです。

そこで、医師から身体に優しい睡眠導入剤を3日分だけ処方してもらってください。

服用の仕方をしっかり聞いて、3日間だけ睡眠導入剤のお世話になりましょう。

帰国した日は、遅くても夜の10時には布団に入るようにして、寝る時間から逆算して睡眠導入剤を服用しておきます。

すると、寝つきも睡眠の質も良くなって、身体の疲れもすっかり取れることでしょう。

これを3日間続けることで、体内時計も素早く修正され、時差ボケの症状である不眠症や睡眠障害に悩まされることもありません。

 

時差ボケになりやすい人とは?

比較的時差ボケを起こしやすいのは、神経質な人や真面目な人、内向的な人だと言われています。

融通が利きにくいタイプや外交的ではない人は「社会的同調因子」が少ないと言われており、周りの環境に適応する力が弱いということのようです。

そのため、外交的で周りの環境に対して適応力が高い人より時差ボケになりやすいとされています。

もっとも、社会的同調因子が少ないからといって必ずしも時差ボケになるわけでもなく、逆もまた然りです。

とはいえ、もし自分自身で神経質・真面目・内向的のどれかが当てはまると自覚しているなら、時差ボケに対しての予防や対策はしっかり学んでおく方が無難ですね。

 

まとめ

まとめ

 

時差ボケには治療のための特効薬というものがありません。

ですから、時差ボケにならないためには、体内時計をうまく調整することがとても重要なのです。

せっかくの海外旅行が最初から最後まで楽しいものであるために、時差ボケを引き起こす要因となることは回避して、予防と対策をしっかりマスターしておいてください。

そして、普段から規則正しい生活を心がけることも大事です。

昼夜逆転しているような生活をしていると、いざ時差ボケになっても変化に気づきにくく、「これって時差ボケかも」と自覚した時にはすでに重い不眠症や睡眠障害を患っていることにもなりかねません。

日頃から規則的な、太陽の光をたっぷり浴びる生活をしましょう。

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