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ストレスと不眠症の関係とは?原因と正しい解消法

  • 最終更新日:2017.03.07
  • 公開日:2016.10.19

職場や学校での人間関係、転勤や転校、結婚や離婚、家族内の問題、親しい人との別れ、重い病など私たちの生活には多くのストレスを感じる場面が存在します。

自分で自覚出来るストレスから、自分では全く気がつかずにストレスを感じているものまで様々ですが、これらのストレスが私たちの睡眠を妨げる不眠の原因になっていることがよくあります。

不眠とストレスにはどのような関係があるのでしょうか?

また、どうすればストレスから睡眠を守ることが出来るのでしょうか?

 

ストレスと不眠の関係

 

毎日生活していると人間は様々なストレスを感じます。それらのストレスを感じることによってなかなか眠れない、寝付けないと言う経験は誰でも一度や二度は感じたことがあるのではないでしょうか?

不快なこと、嫌なこと、心配なことなどがあるとなぜなかなか眠れないという不眠につながるのでしょうか?

 

自律神経の乱れと睡眠

自律神経という言葉をよく耳にすると思いますが、自律神経というのは人間が生きていく上で呼吸をしたり、体に血液を循環させたり、体温を維持したり、汗をかいたりという無意識であっても身体が勝手に自分の意志に関係なく24時間働き続けるということを維持したり、調整したりするものです。

自律神経には交感神経と副交換神経というものがありますが、交感神経というものは、人間が活動している時などに活発に機能しています。

 

一方、副交換神経というものは人間がリラックスしていたり休憩している時に優位に働く神経です。これらの交感神経と副交換神経がバランスをとりながら心身共に健康な体を維持しています。

しかし、生活の中で、強いストレスを感じると無意識の状態にも関わらず、脳から交感神経がどんどん活発に活動するようになり、アドレナリンやドーパミンなどの脳を興奮させる物質が分泌されます。

このような状態になると脳はどんどん活動的になり、呼吸数が上がったり、心拍数が上がったり、体の筋肉が緊張してくるので眠気がなくなってきて眠れなくなったり、浅い質の悪い睡眠になって夜中に何度も目が覚めるという睡眠になってしまいます。

 

内分泌系と睡眠

内分泌というのは自律神経と同じく、人間が生きていく上で大切な身体の機能を管理しているものです。

内分泌系は自律神経とは異なり、ホルモンを分泌することによってその働きを機能させますが、強いストレスを外部から感じると脳からの命令で、ストレスと戦う副腎皮質ホルモンが分泌されるようになります。

このようなホルモンがどんどん分泌されると脳や身体は緊張状態が続き、神経が高ぶって眠気が遠退いてしまいます。

 

普段の睡眠の質が悪いとストレスを強く感じてしまう

 

特にストレスを感じていない状態でも、普段から不眠気味の人は脳や身体が充分に休息できていないので、強いストレスでない場合でもストレスを強く感じてしまいやすいということがあります。

充分に睡眠をとれていない人は少しのストレスでも脳が過敏にストレスに反応してしまう傾向にあるので本格的な不眠に陥りやすい傾向にあります。

 

どんなストレスが不眠を生じさせる?

 

ストレスと言っても様々なストレスがあります。同じようなことでも全くストレスに感じないという人もいれば、かなり重度のストレスに分類されてしまうこともあります。

特に不眠を起こさせやすいストレスは精神的なストレスです。職場や学校、家庭での人間関係によるストレスや、親しい人との死別、病気や経済的な問題に対する不安、大きな挫折、時間に対するイライラ感、失恋による落ち込みなどストレスのない人はいないとよく言われます。

ストレスの中でも不眠という状態に陥りやすいストレスは長時間に渡って不快に感じているストレスです。

子供が運動会の前に不安を感じてなかなか眠れないというようなストレスは運動会が終わってしまえばストレスから開放されるので深刻な不眠にはつながりませんが、職場に嫌いな人がいるというような長期に渡るストレスは自分が自覚していなくても重度の不眠を引き起こしやすいという傾向にあります。

精神的なストレスを長期に渡って感じている人は長期間に渡り、不眠の状態が続き、どんどん深い不眠のスパイラルに入ってしまいます。

眠れないと脳や身体が疲労し、疲労した脳や身体がストレスを強く感じてしまうために不眠の状態が続きます。

最後に不眠であることが不安となりストレスになるという構図になりやすいので注意が必要です。

 

ストレスによる不眠の症状に陥りやすい人は?

ストレスを感じやすい人は脳内にストレスホルモンである副腎皮質ホルモンが分泌されやすく、これらのホルモンが脳に分泌されることえ睡眠を抑制する作用が働くために不眠に陥ります。

ストレスを感じやすい人は不眠になりやすいと言われるのはこのような理由からです。

同じような事象が身の回りで起こってもストレスをあまり感じない人とストレスを感じやすい人がいます。

特に、性格が真面目で自分に厳しく、責任感の強い人やプライドが高く負けず嫌いな人、物事を何でもテキパキと対応し、いつも時間に追われている人、気持ちに余裕のない人、小さいことにこだわりクヨクヨする人、いつまでも根に持ち続ける人などはストレスを感じやすく不眠になりやすい人と言われます。

ストレスを感じないためにも気持ちを大きく明るく持ち、楽しく毎日を過ごすことがストレスによる不眠にならないために重要であるということがわかります。

 

ストレスとうつの関係

 

ストレスによる不眠症に悩む人はたくさんいますが、ストレスも長期に渡るストレスはうつを引き起こす原因にもなります。

うつになると眠れないという不眠の症状も悪化しますのでストレスを軽視してはいけません。ストレスはうつ病への引き金に成り得ますので充分注意が必要です。

うつ病になる原因では、不安や悲しみ、落ち込み、失望、焦りなどの精神的なストレスである場合が多いと言われていますが、心と身体というものは常に表裏一体で、身体の調子が悪いということがストレスの原因になりうつ病への引き金のなることもあります。

例えば、身体の骨格が歪んでいたり、歯の噛みあわせが悪かったり、栄養やカロリー不足ということでもうつ病の引き金になってしまいます。

また、気温や湿度なども不快であると体の免疫力低下につながりますのでうつ病の原因にもなります。精神的なストレスはもちろん、肉体的なストレスに打ち勝つためにも栄養バランスのとれた食事や良質の睡眠、適度な運動が必要です。

 

関連記事
>> うつ(鬱)病による不眠症の原因と9つの対策

 

自覚のないストレスを感じている人

 

自分にはストレスなんて無関係!と思っていても、身体や心は無意識の内にストレスを感じていて、知らず知らずのうちに慢性的な不眠に陥っているという人がいます。

何だか最近身体が何となく疲れているなと感じたり、以前のように朝までぐっすり眠れなかったり、夜中に何度も目覚めてしまう人は自分の生活をもう一度振り返ってみることも大切です。

最近慣れない環境に身をおくことになった人や仕事や勉強が忙しい人、なんとなく職場の雰囲気が悪いなと感じている人などは自分の意識とは別の次元でストレスを感じてしまって不眠に陥っている場合がありますので注意しましょう。

 

ストレスが原因の不眠に悩んでいる人へ

ストレスと不眠は非常に深い関係があります。ストレスを感じていることで不眠になりますし、不眠であることにストレスを感じてしまう人もいます。

ストレスと不眠の負のスパイラルに入る危険のある人はどのようなことに気をつけて生活すると良いのでしょうか?

 

小さなことにクヨクヨしない

 

小さなことにクヨクヨしない、そうありたいと思ってもなかなか出来ないことでストレスを感じているのですから非常に簡単な様で難しいことですが、深く考えすぎることでどんどん不安要素が広がってストレスを自分で大きくしている場合があります。

不安に思ったり、心配することは誰でもありますが、1つの物事でも見る角度や感じ方の違いでずいぶん心が楽になることもあります。

悪い方にばかり物事を考えずに、発想を変えたり、成るようにしかならないと軽く考えたり、別の楽しいことをして気分転換するなど上手にストレスと付き合って生活してみましょう。眠れない日もあって当然!と前向きに対処しましょう。

 

眠れない事に不安を感じなくていい

心配ごとがあって眠れない事があると眠れない事が心配でストレスに感じてしまう人がいますが、人間は身体が睡眠を必要とする場合は眠る事ができるように出来ています。

数日眠れない日が続いたとしても1日のどこかで必要な睡眠をとろうとします。夜に眠れない事にストレスを感じるかも知れませんが、無理に眠ろうとせずに、眠れない日はその状態を受け入れて自分がリラックスできることをしましょう。

そのうち身体が睡眠を必要とするならば眠気を感じるものです。あまり昼夜が逆転した生活が長く続くと日常生活に支障も出てきますので、どんなに寝る時間が遅くなっても起きる時間は一定にして起きるようにしましょう。

そのような対処をしているとストレスがなくなったときにもスムーズに通常の生活に戻ることが出来ます。

 

就寝前は眠りやすい環境を整える

 

良い睡眠をとるためにも自律神経の副交換神経を優位にさせる必要があります。就寝時間が近くなると部屋を暗くしたり、ゆっくり読書をしたり、気持ちを落ち着かせる音楽を聴いたり、アロマを利用するなどしてなるべく睡眠に適した環境を作りましょう。

眠る前にテレビを観たり、パソコンや携帯を利用するとどうしても脳がリラックスモードにならず睡眠しにくい状況になります。

ストレスをなるべく感じないような自分に適したリラックス方法を見つけることも大切です。

 

まとめ

ストレスと不眠は非常に深い関係があります。ストレスがないという人は今の現代社会では皆無といっていいと思いますが、なるべくストレスを溜めないように自分なりのストレス解消法を持つことが大切です。

ストレスに強い心と体を持つことが不眠解消には有効です。

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