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夜中に目が覚める『中途覚醒』の症状とは?今すぐ改善できる5つの原因と対策

  • 最終更新日:2018.10.28
  • 公開日:2016.10.03

夜中に何度も目が覚めてしまう不眠症のタイプが中途覚醒です。

中途覚醒の不眠症は、いったん目が覚めてしまうと、再度寝付くのに時間がかかったり、寝付けなくなってしまうという症状があります。

一晩のうちに2回までの目覚めであれば、不眠症の心配はあまりありませんが、2回以上と目覚める回数が多かったり、一晩に何度も目が覚めるということであれば、中途覚醒である可能性が高いと言えるでしょう。

中途覚醒は年齢に関係する

睡眠障害の中でも中途覚醒タイプの人は割合が多く、日本人の約15%は中途覚醒の症状を経験していると言われています。

この症状は年齢に伴って発生しやすくなり、特に高齢者に多く見られます。

60歳以上の人ではなんと20%以上の人が「朝までぐっすり眠れない」「夜中に目が覚めてしまう」などの中途覚醒の症状を訴えており、症状に悩む高齢者の数は年々増加していると言われています。

中途覚醒が悪化するとどうなるのか

夜寝ているときに頻繁に中途覚醒が起こると、睡眠のリズムが崩れて、脳や身体の疲労が眠りによって回復しにくくなってしまいます。

体が回復していないまま朝を迎えるので、すっきり起きれなかったり、日光を浴びても頭がぼんやりしたり、体がだるかったりと様々な影響が出てきます。

本来取れるはずの睡眠が十分に取れていないため日中に眠気が襲ってきたりすることもあり、活動に支障をきたすこともあります。

また、中途覚醒以外の睡眠障害を併発する可能性もあり、そうすると不眠症の症状はますます悪化していってしまいます。

高齢者であれば睡眠中にトイレに行く回数が増えることなどで、中途覚醒の症状を自覚しやすいですが、年齢が若いうちは中途覚醒の症状であることに気がつきにくい人もいます。

なぜなら、中途覚醒は入眠障害と違って寝付き自体は良いために、自分が睡眠障害を起こしているという実感が薄い場合が多いのです。

夜中に頻繁に目が覚める状態が中途覚醒で、この症状が睡眠障害だと認識している人は少なく、ぐっすり寝ていたはずなのに、急に目が覚めてしまうことで、徐々に目が覚めることが気になりだし、それ自体がストレスになってしまうこともあります。

「今日も目が覚めるかもしれない」という心的不安を抱えることで、余計にストレスがかかり、目が覚めてしまった後は寝付きが悪くなるという悪循環にもなりかねません。

睡眠の深さはその日によって異なります。
疲れ具合や体調にも左右されるので、1~2回ほどは夜中に目が覚めることがあるのは普通のことです。

しかし、頻繁に繰り返すようであれば中途覚醒症状の可能性があるということを覚えておきましょう。

眠りのサイクルとは

まずは眠りのサイクルを見ていきましょう。

私たちは一晩のうちに、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を繰り返しています。このレム睡眠とノンレム睡眠は通常90分間1サイクルで行い、3~5回繰り返して朝を迎えます。

ただし、1サイクル90分というのはあくまで目安です。

睡眠サイクルにも個人差があるため、80分サイクルや100分サイクルの人もいます。体調によってもこのサイクルは変わります。

しかし、サイクルの長短に関わらず、中途覚醒が起こるのは眠りの浅いレム睡眠のときで、少しの物音や刺激でも目が覚めてしまいます。

眠りが浅いため、目を覚ましやすいというのは当然なのですが、睡眠中に一度目が覚めてしまうと、睡眠のリズムを始めからやり直さなければならないので、再び眠りにつくまでに時間がかかってしまうことがあります。

このような状態を一晩に2回以上繰り返した場合、睡眠で疲れがとれなかったり睡眠不足に陥ったりすることもあるため、症状がある場合には改善しなければなりません。

【レム睡眠とノンレム睡眠時の役割】
レム睡眠:身体の睡眠、記憶の固定、消去、学習、情報処理
ノンレム睡眠:脳の睡眠、成長ホルモンの分泌、免疫機能増加

中途覚醒を引き起こす原因と対策

眠りの浅いレム睡眠時以外でも中途覚醒は起こります。その場合には、別の原因が存在している可能性があります。

<中途覚醒の原因その1>
自律神経の乱れ

日中に受けたストレスを消化できずに眠りにつくと、交感神経が優位になり、体温調節など眠るための準備が整わず、睡眠が浅くなってしまうことがあります。

睡眠が浅くなることで、当然夜中に目が覚める可能性は高くなります。

ストレス以外では、就寝前にパソコンやテレビ、スマートフォンなどの強い明かりを見ることや夜遅い食事やカフェイン、タバコ、アルコールなどの刺激物も交感神経を活発にさせる働きがあります。

特に寝る前のアルコールは寝付きをよくはしてくれますが、中途覚醒の回数を増やす行為なのです。

アルコールが分解される際に発生するアセトアルデヒドという物質が、交感神経を刺激する働きがあり、それによって脳が覚醒してしまうのです。

そして、夜遅い食事や寝る前の食事ですが、就寝前にまだ胃の中に食べ物が残ったままの状態では、消化中に睡眠をとることになります。

体の一部が活動しているのですから、もちろん眠りは浅くなり中途覚醒する可能性も高まります。

▼対策としては

私たちの活動は、日中に作用する交感神経と睡眠に作用する副交感神経の二つの自律神経が司っています。自律神経が乱れやすい生活習慣を見直すことで、中途覚醒の予防につながります。

夜遅い食事や寝る前のアルコールが習慣となっている人は、ぜひ一度生活リズムを正してみましょう。

<中途覚醒の原因その2>
加齢で睡眠の質が変化

人の睡眠の深さですが、加齢とともに浅くなっていきます。

年齢が上がるごとに深い眠りにつくことが難しくなってくるため、人は浅い眠りを多く繰り返しているということになります。眠りが浅くなるということは、もちろん中途覚醒する確率は多くなっていきます。

また、寝付きは良いのに夜中にトイレに行きたくなって頻繁に目が覚める症状を「夜間頻尿」と言いますが、この症状も中途覚醒の一種です。

▼対策としては

40歳頃を過ぎると徐々に膀胱の筋肉が衰え始めるので、尿の量が少量でも強い尿意を感じてトイレに行きたくなるのです。運動などで膀胱周辺の筋肉を鍛える必要もあるでしょう。

加齢以外では、就寝前にアルコールや水分をたくさん摂取している場合には夜間頻尿が起こるケースが多くなります。頻尿は男性に多いイメージがありますが、実際には男女に差はあまりないようです。

中途覚醒を改善させるためにも、就寝前の大量の水分摂取を控えるよう心がけましょう。

また、夜間頻尿は加齢による筋肉の衰えや水分の摂りすぎだけでなく、高血圧や腎機能障害などで、体がサインを送っている可能性も考えられます。

夜中のトイレが気になる方は、一度受診してみるのも良いでしょう。

<中途覚醒の原因その3>
睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が頻繁に止まることで、瞬間的に脳が覚醒してしまう睡眠障害です。

無呼吸による中途覚醒で、脳が一時的に覚醒してまたすぐに再入眠するため寝ている間に目が覚めたという自覚がありません。

レム睡眠のサイクルと睡眠時無呼吸のタイミングが合致すると、自覚できるレベルで目が覚める可能性がありますが、本人で気がついていない可能性があるので注意が必要です。

気になる場合には、寝ているときに呼吸が止まっていないかどうか、家族の方に観察してもらうと良いでしょう。

▼対策としては

睡眠時無呼吸症候群は、体重を減らす、ノーズクリップを使用するなどして症状が緩和できる場合もありますが、生活習慣を見直すなどの対策を取ったからと言って、根本的な治療ができる病気ではありません。

まずは一度専門機関での診察を受けてみるといいでしょう。

<中途覚醒の原因その4>
体に負荷がかかる寝具の使用

枕や敷布団、マットレスの劣化などが原因で、睡眠中に首・肩・腰に負担がかかることがあります。その負担により中途覚醒するケースがあります。

寝具も経年劣化するのですが、安いものではないですし、長年使い続けることが多いかと思います。しかし、繊維が目減りしたりすることで少しずつ体に合わなくなってきて、不調の原因となっている可能性があります。

また、加齢とともに体型も変わります。そうすると、これまで使用していた寝具がフィットしなくなってくるということもあります。睡眠による首・肩・腰の不調は意外なほど起きているのです。

▼対策としては

マットレスが硬すぎると腰に沿ってマットが沈んでくれないため、腰に圧力がかかります。

その圧力を体が逃がそうとして睡眠中の寝返りが多くなり、中途覚醒につながりやすくなることがありますので、あまり硬すぎるマットや敷布団を使うことはおすすめできません。

寝具を選ぶときは実際に寝てみるなどして、できるだけ自分の体にあったものを選ぶようにしましょう。

<中途覚醒の原因その5>
周期性四肢運動障害

周期性四肢運動障害とは、睡眠中に足がピクピク動いたり、肘が素早く動いたりする動作が繰り返される睡眠障害で、中途覚醒の原因なることがあります。

この障害の症状で手足が動くことで、同時に脳が覚醒してしまうためです。

寝ている間の動作のため、自覚症状がないのに「目が覚めてしまった」ということで不安になる人もいます。

この障害は30歳未満の人でかかることは少ないですが、50歳以降になると発症数が増えていきます。

▼対策としては

周期性四肢運動障害が起こる根本的な原因はわかっていないため、対処方法としては薬で動作を抑えるという以外には、有効な対策はありません。

しかし、四肢動作が、疲れているときにカフェインを多く摂ったときに起こりやすいという意見があることから、カフェイン摂取量を減らしてみるのは効果的かもしれません。

ちなみに、カフェインは体内で分解されるまでに4時間ほどはかかります。寝る前はもちろん、夕方以降はカフェイン飲料を控える方が無難です。

まとめ

中途覚醒の原因は色々ありますが、睡眠時無呼吸症候群のような深刻な病気が要因して発症しているケースがあるため、最も注意が必要な睡眠障害と言えます。

日常の生活をまずは見直し、症状が回復するかいち早く試してみることが大切です。しかし、生活習慣を見直してもなかなか症状の改善が見られない場合には、一度医師に相談してみるといいでしょう。

自分にとって適切な対処策をいち早く見つけ、大本となる原因から中途覚醒の症状を改善していけるよう対策していきましょう。

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