
女性の美しさには女性ホルモンの存在を無視することはできません。
女性ホルモンの分泌を増やすこと、そして、女性ホルモンのバランスを整えることが女性の美しさと健康につながるのです。
女性ホルモンを増やすためには体を休息させる時間である睡眠が不可欠です。
どのようなことに気をつけて睡眠すると女性ホルモンがより増えるのでしょうか?
今回は女性ホルモンと睡眠についてみていくことにしましょう。
この記事の目次
睡眠不足と女性の美しさ
不規則な生活が続いたり、睡眠時間が短いと体の調子が悪くなり、その結果、女性の美しさにも影響が出てきます。
男性でも不規則な生活が続いたり、睡眠時間が極端に短いと言う人も多いのですが、一般的に女性の方が睡眠のトラブルで体調を崩したり、美しさに影響が出たりする場合が多いように感じます。
睡眠不足や夜更かしなどをしていると、朝に顔がむくんだり、肌が荒れて化粧のノリが悪くなったり、ニキビや吹き出物が出来たり、身体が太りやすくなったりします。
これは睡眠不足により体調が良くない方向に向かっているという身体からのサインでもありますが、特に女性の場合は女性ホルモンの分泌やバランスが上手くいっていないと言うことが原因のようです。
長時間の睡眠が美しさを生むのか?
毎日の睡眠が短いと肌が荒れて、長時間睡眠だと肌荒れがないのかと疑問を持つと思いますが、睡眠時間の長短だけが女性の美しさに影響するのであれば睡眠が短い人は美しさを保つことは絶対にできなくなります。
しかし、毎日忙しい人でも肌が綺麗で活き活きと活動し、健康であるという人もいますので、長時間睡眠を取るだけで美しさが保たれると言うことではないようです。
確かに極端に睡眠時間が短い人などは体調を崩しやすいですし、不規則な生活からか肌荒れなどのトラブルを抱える人も多いですが、上手に睡眠を取って体をしっかり休息させて女性ホルモンの分泌を正常に保つことができている人は、健康上のトラブルなどはありません。
睡眠の質と女性ホルモン
長時間の睡眠を取っているにも関わらず、女性の健康と美しさにトラブルを抱える人は睡眠に関して視点を変えて考えるべきでしょう。
長時間睡眠を取っている人でも起きたときすっきりしていなかったり、眠気が残っているとように感じることがあります。
これは長時間の睡眠でも上手に睡眠を取れていない証拠です。睡眠はその長さよりも「質」が大切になってきます。
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠と言うものがあります。
簡単に言うと、レム睡眠が浅い眠りで、ノンレム睡眠が深い眠りになります。
睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠がサイクルで交互にやってきます。
質の良い眠りというのはもちろん深い眠りが重要となるのですが、深い眠りであるノンレム睡眠だけあれば良いと言うわけではありません。
女性の美に関係の深い女性ホルモンは深い眠りであるノンレム睡眠時に分泌されると言われていますので、深い眠りがないと女性ホルモンは生成されないため、増えないということになります。
女性ホルモンの分泌を促すには深い眠りであるノンレム睡眠が欠かせないと言うことです。
しかし一方では、深く眠っていても、深く眠っている時に目覚めてしまうと身体が起きる状態にはなっていないので重い倦怠感があったり、眠気などが残り逆に活動が辛くなってしまいます。
上手に起きてすっきり爽快に目覚めるためには浅い睡眠であるレム睡眠時に起きることが大切です。
目覚めた時に今まで見ていた夢を覚えているということもあると思いますが、これはレム睡眠で起きている証でもあります。
女性ホルモンの分泌を増やすにはこのレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを整え、ノンレム睡眠時にはできるだけ深い眠りをすることが大切になってきます。
メラトニンと女性ホルモン
女性ホルモンの分泌は睡眠の質に関わるノンレム睡眠時に多く分泌されます。
このため、女性ホルモンを増やしたい人は深い眠りであるノンレム睡眠の時間をしっかり確保することが重要なのです。
女性は男性よりも睡眠トラブルを抱えている人が多いと言われていますので、深い眠りをするために色々と工夫することがポイントになってきます。
深い眠りであるノンレム睡眠を取るためには深い眠りへと導くメラトニンというホルモンが必要です。
メラトニンはよく「睡眠ホルモン」と言われ、睡眠には欠かせないホルモンですが、メラトニンは夜になると分泌されるホルモンで日中には分泌されません。
特に夜の10時から夜中の2時頃までの時間帯に多く分泌されるので、この時間に眠るとメラトニンが深い睡眠に導いてくれ、女性ホルモンの分泌が多くなります。
メラトニンだけではなくその他様々なホルモンがこの夜の10時ころから夜中の2時くらいまでに分泌されるのでこの時間帯は睡眠のゴールデンタイムとも呼ばれています。
女性ホルモンの分泌を促すメラトニンが多く分泌する睡眠のゴールデンタイムに眠ることが女性ホルモンの分泌を増やせる秘訣なのです。
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メラトニンを増やすために
朝の太陽と夜の光のコントロール
女性ホルモンを多く分泌するために必要な深い眠りであるノンレム睡眠にはメラトニンという睡眠ホルモンが大切です。
では、メラトニンはどのようなことに気をつけると分泌されるのでしょうか?
メラトニンは体内時計やリズムを調整し睡眠を促すホルモンですが、メラトニンは日中に分泌されません。
しかし、朝起きてしっかり太陽の光を浴びることで約14時間後にメラトニンを分泌するように体内時計がセットされます。
夜にしっかりメラトニンを分泌して深い眠りにつなげるためには、朝に起きて太陽の光を浴びることが大切です。
しかし、朝の光でメラトニンの分泌を促したからと言って安心はできません。
ブルーライトなどの光の刺激を受けることでメラトニンの分泌量は減ってしまいますので、夜眠る前の強い明かりは極力避けることが必要です。
部屋の照明を薄暗くしたり、就寝するときは消すなど寝る前の光の使用にも一工夫してみるといいでしょう。
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セロトニンの分泌を増やす
睡眠ホルモンであるメラトニンはセロトニンという成分から作られます。
メラトニンは夜にしか分泌されませんが、セロトニンは日中に分泌され、夜には分泌が減ります。
睡眠に必要なメラトニンを分泌するためにはセロトニンを日中に多く分泌させることが大切なのです。
セロトニンは幸せホルモンと言われますが、心のバランスをとったり、精神的な安定をもたらします。
また、頭をすっきりさせたり、集中力を保つためにも必要なホルモンです。
セロトニンを増やすことは夜の睡眠の質を高めるだけでなく、日中の活動にも必要なもの。
セロトニンを増やすには、朝起きて太陽の光をしっかり浴びることが何より大切です。
また、日中にしっかり運動したり、活動すること、人とコミュニケーションを取り、たくさん笑って楽しい時間を過ごすということでもセロトニンの分泌量は増えます。
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女性ホルモンのバランスと睡眠
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンという2つがあります。
女性ホルモンは思春期に増加し、月経が始まります。
月経が始まると女性は脳下垂体から卵胞刺激ホルモンと黄体ホルモンが体内で規則的に分泌されます。
月経周期というのは個人差がありますが、ある一定の周期を保ちながら閉経するまで続きます。
この周期というものは本来非常に正確で体内時計が大きく関わっています。
逆に言えば、体内時計が狂っている場合は、生理周期は一定には保てませんし、女性ホルモンのバランスが崩れやすくなるということになります。
体内時計を一定に保つためには規則正しい睡眠が不可欠です。
女性ホルモンを増やすことも大切ですが、女性ホルモンのバランスを整えることも必要です。
生理が始まると次の排卵までの間エストロゲンが増えます。エストロゲンが増加していくと女性の体や心、肌は良い状態が続き、眠りも安定します。
しかし、排卵が始まって次の生理が始まるまでの期間はプロゲステロンの分泌が増えて、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが不安定になり、体調が悪くなったり、不眠気味になって質の良い睡眠が取れなくなります。
プロゲステロンは睡眠作用があり、プロゲステロンが増える黄体期や妊娠初期というのは眠気を起こします。
その半面、プロゲステロンが増える黄体期には基礎体温が高温期に入ります。
入眠するためには体温を下げることが不可欠になりますが、基礎体温が常に高温になる黄体期は入眠しにくくなります。
また、入眠しても深い眠りができないので睡眠の質を下げます。このことから、女性の体は黄体期に入ると女性ホルモンのプロゲステロンの増加により女性ホルモンのバランスが崩れ、体温も高温期に入るため質の良い睡眠が取りづらい状況になります。
睡眠の質が悪くなる黄体期は肌の状態が悪くなりますし、女性ホルモンのバランスが崩れることで精神的にも不安定になりストレスが溜まることによって安眠できずに眠りの質を下げてしまうことになります。
女性ホルモンのバランスの崩れと睡眠障害というのは深い関係があります。
女性ホルモンを増やすための睡眠方法
眠る前に入浴
深い睡眠を取るためには血流を良くして、ホルモンを体内に巡らせることが大切です。
その血流を良くするためには体を温めるといいでしょう。体を温めるためにも夜眠る前には必ず入浴して体を温めましょう。
あまり眠る直前に入浴すると入眠のために急激に体温を下げることができずになかなか寝付けない事になりますので、睡眠の前3時間から1時間の間に湯船に入って体を温めるのがポイントです。
お湯の温度は少しぬるく感じる程度の温度に設定しゆっくりと入って体を芯から温めます。
一度体温を上げた後、入眠のために体温を大きく下げることで深いノンレム睡眠に入りやすくなります。
アロマを利用する
眠りには自律神経が大きく関わっています。
自律神経には交感神経と副交換神経がありますが、これらのバランスを保つことが大切です。
眠るための副交換神経を落ち着かせることのできるアロマの香りを利用していくといいでしょう。
おすすめのアロマはラベンダーやマジョラムです。入浴の際に湯船にアロマオイルを数的垂らしても良いですし、アロマポットなどを活用して、部屋にラベンダーの香りを満たしても良いでしょう。
もっと簡単な方法が良いと言う方は、コットンに数的アロマオイルを垂らしたものを枕の下に入れてみましょう。
自立神経のバランスを整え、良い眠りを手に入れることができます。
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>>知っておきたい不眠症に効果のあるアロマ10選!
部屋の環境を整える
睡眠の質を上げることが女性ホルモンの分泌増加につながりますが、睡眠をとる部屋の温度や湿度を快適なものにしましょう。
温度は比較的適温に設定できていても、湿度にまで気を配っている人は少ないのではないでしょうか?
乾燥する冬は空気が乾燥していることでのどが渇いて眠れなかったりしますし、夏は湿度が高いと蒸し暑く眠れません。
部屋に加湿器や除湿機などを置いて対策するのも良いでしょう。
また、部屋の明かりですが、眠る1時間ほど前は明るい照明から徐々に薄暗い明かりに変えていくといいでしょう。
部屋が明るいと睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量が減ってしまいますので注意しましょう。
まとめ
女性ホルモンの分泌は睡眠と深いつながりがあります。
女性ホルモンを分泌するためには長時間の睡眠を取ることが重要ではなく、短い睡眠であっても質の高い睡眠を取ることが大切です。
質の高い睡眠というのは、浅い睡眠であるレム睡眠と深い睡眠であるノンレム睡眠のバランスとノンレム睡眠の深さがポイントになります。
深い眠りにつながる、睡眠ホルモンの分泌を促すためにも、朝起きたらしっかり太陽の光を浴びる、運動をするなど生活習慣を整えていきましょう。
また、月経や妊娠などがあると女性ホルモンは非常に不安定となります。
文中で紹介している女性ホルモンを増やす睡眠法などを積極的に取り入れ、上手にバランスを修復していくことも必要と言えるでしょう。
女性ホルモンは心がけ次第でその分泌量が大きく変わってしまいます。
良い睡眠を心がけることが、女性ホルモンを増やすことにつながりますので、まずは良質な睡眠を取ることを心がけていくといいでしょう。
質の高い睡眠、そして女性ホルモンを増やし、バランスを整え、女性の理想である美と健康を手に入れていきましょう。