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睡眠薬「ユーロジン」が効かない時って?強さと効果・副作用の知識

睡眠薬「ユーロジン」が効かない時って?強さと効果・副作用の知識

睡眠薬として知られているユーロジンは、1977年に発売された比較的古い薬で、ベンゾジアゼピン系に属している薬です。武田製薬が自社で開発し、世界20か国で販売されています。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は睡眠効果も高く、副作用も少ないことから、ユーロジンは、現在でも病院の処方でよく使われています。

ここでは、そんなユーロジンについて紹介していくことにしましょう。

ユーロジンの強さをはじめその効果、副作用とユーロジンが効かない場合などについても見ていくことにしましょう。

ユーロジンの特徴

ユーロジンの特徴

 

ユーロジンは一般名エスタゾラムと言います。

現在の睡眠薬にはベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の2種類がありますが、ユーロジンはその内のベンゾジアゼピン系に属します。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬はベンゾジアゼピン受容体に作用することでGABAを活性化させ、塩化イオンの神経内細胞への流入を促進し、脳内の神経活動を抑える働きがありますので、不安や緊張が和らぎ、睡眠につながっていきます。

ユーロジンは現在では、1㎎、2㎎の錠剤とユーロジン散1%が販売されています。

 

ユーロジンの用法

ユーロジンは麻酔の補助薬などにも処方される薬ですが、不眠症で使用する場合、成人は1回1㎎から2㎎が処方されています。

様子を見ながら容量を増やしたり、減らしたりしていきますが、4㎎まで使用ができます。

睡眠のタイプによって、作用時間を設定しながら、服用していきます。

 

ユーロジンの強さは?

睡眠薬の強さはその作用時間によって分類されています。

分類の基準についてまずは見ていくことにしましょう。

睡眠薬の分類は以下の4種類に分けることができます。

 

中間作用型30分20~25時間程度

睡眠薬の強さ 出現時間 持続時間
超短時間作用型 10~15分 2~4時間程度
短時間作用型 15~30分 6~10時間程度
長時間作用型 30分~1時間 24時間以上

 

持続時間は半減期を基準に計算しており、薬の濃度が半分になるまでかかる時間を示しています。

その薬の強さを知る目安となりますが、ユーロジンはその中でも中間作用型に分類されます。

ユーロジンは、服用からピークまでの時間が5時間ほどかかり、半減期まで24時間ほど持続する薬ですので、即効性はありませんが、長い睡眠効果が期待できます。

中間作用型には分類されていますが、どちらかと言うと長時間作用型と性質が似ている睡眠薬です。

また、薬を継続して飲むことでより高い効果を実感できる薬となっていますので、医師の指導に基づいて一定期間使っていくことの多い睡眠薬です。

ユーロジンの薬の強さのレベルは「標準」です。

 

ユーロジンの効果とは?

ユーロジンの効果とは?

 

ユーロジンは、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、GABAの働きを強め、眠りをもたらしてくれるとされていますが、その効果は具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

ここではユーロジンの効果について、詳しく見ていくことにしましょう。

 

1.安定した睡眠ができる

中間作用型の特徴は薬の作用時間が長いことです。

24時間薬が体内に残るわけですから、毎日飲み続けていくことで、少しずつ薬が体の中に蓄積されていきます。

これは半減期の長い薬で見られることなのですが、体の中に薬の成分が毎日残ると言うことは、「飲んでいる間は、半永久的に薬が蓄積されていってしまうのでは?」と気になる方もいることでしょう。

ですが、実は一定量に達するとその分量をキープし続ける仕組みになっています。

これを定常状態と言いますが、この定常状態になると、ぶれることなく、睡眠薬の効果が持続してくれるため、毎日スムーズに眠ることができるようになっていくのです。

薬の効果はおおよそ薬を飲み始めてから4日から5日程度経過して、実感できるようになっていきますが、作用が安定してくると言うことは、必ず眠れることに結びつきます。

毎日眠ることができないなどの、ひどい不眠症に悩まされている方にとって、解決の糸口となる睡眠薬なのです。

 

2.睡眠中の悩みを解消してくれる

ユーロジンは薬の持続時間が24時間と長いため、睡眠のタイプに関係なく使用できると言うメリットがあります。

覚醒型の睡眠障害の場合、睡眠の浅いレム睡眠時にその覚醒が現れることが多くなっていますが、覚醒する時間は人によってまちまちです。

眠り始めから90分ごとにレム睡眠の時間が来ることになりますので、1回目、2回目、3回目と人によって起きてしまう時間には差があります。

そのため短時間作用型などではカバーしきれないこともあるのです。

入眠後すぐのレム睡眠時覚醒には対応可能であっても、その後のレム睡眠の覚醒には、例え睡眠薬を飲んでも、効果が発揮できないこともあります。

しかし、中間作用型睡眠薬は、おおよそ寝ている間のどの時間帯にも作用してくれると言う特徴があり、例えば何度も中途覚醒してしまう方や中途覚醒と早期覚醒、両方があると言う方にとっては高い効果が期待できます。

断続的に一日に何度もの不眠が訪れるタイプの不眠症にも効く睡眠薬です。

 

3.不安や憂鬱の改善

ユーロジンは作用時間が長いため、日中などにも薬の効果が持続することになります。

仕事などで常に不安を感じている、気分の落ち込み、イライラなどの精神的な悩みを抱えていると言う方にとっては、それを抑える効果もあります。

興奮を沈めてくれる効果が持続するため、不安材料がなくなりますので、その日の終わりの睡眠もスムーズになり、より不眠症が改善できるようになっていきます。

 

4.前向性健忘などの副作用が少ない

最近の睡眠薬は、利便性もあることから、即効性のある睡眠薬が主流となってきていますが、ユーロジンは古い薬と言うこともあり、薬の効き目が遅く、しかも穏やかと言う特徴があります。

即効性のある睡眠薬の副作用としても知られる前向性健忘は、薬を飲んだ後自分のした行動や発言を覚えていないことですが、これは脳の機能が急激に薬によって抑えられるために起こります。

その反面、ユーロジンはゆっくり薬の成分が作用するため、眠気も少しずつやってきますので、脳も時間をかけて睡眠の準備を始めることができます。

そのため、激しい記憶障害などの副作用が出にくくなっています。

また、夜中起床する際にこの前向性健忘の症状が現れてしまうことがありますが、ユーロジンは薬の半減時間が長く設定されていますので、起きて行動する可能性は極めて低いと言えるでしょう。

もちろん全くないと言う訳ではありませんが、薬の出現時間が短い薬と比べると、健忘の症状は明らかに少なくなっています。

その反面睡眠に対する効果はしっかりしていますので、安心して服用できる睡眠薬です。

 

5.体への負担が少ない

薬の出現時間、作用時間がゆっくりなユーロジンは体にも穏やかに作用していきます。

薬が継続して効くこともあり、日中の行動には十分注意しなくてはいけませんが、薬の成分が穏やかに働いてくれるため、高齢者でも体への負担が少なく、介護の行き届いている方や入院中の方などは安心して使うことができます。

また、ほとんどのベンゾジアゼピン系睡眠薬は抗コリン作用があるため緑内障がある場合には、使用を避けるよう注意勧告されていますが、ユーロジンはこの抗コリン作用も緩やかなことから、緑内障を患っていても使用して問題ないとされています。

毎日飲む睡眠薬ですから体への負担が少ないことは、やはり大きなメリットです。

 

ユーロジンの副作用

ユーロジンの副作用

 

ユーロジンは睡眠薬の中でも安全と言われているベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。そのため副作用は少ないとされていますが、全くゼロと言う訳ではありません。

次からはユーロジンの副作用についてみてみます。

 

1.眠気

ユーロジンは薬の作用のピークが5時間で訪れ、その後体から24時間かけて徐々に薬の成分が抜けていくことになりますので、やはり起きるのが困難に感じると言う方は少なくありません。

寝ている間しっかり睡眠効果が継続し、その後スッキリ起きることのできる睡眠薬が理想ですが、ユーロジンには眠気が持ち越してしまうデメリットがあります。

起床が思うようにいかないと言う方や起きても眠気が残ると言う方もいるようです。

ユーロジンは薬がたまっていくことでスムーズな入眠をもたらしてくれる薬でもありますので、致し方ない部分ではありますが、症状があまり躊躇に現れるようであれば、薬の使用を中止して、別の方法を考える必要があります。

医師に相談し、同じベンゾジアゼピン系で作用のタイプの違う薬に変えてみると良いかもしれません。

 

2.ふらつき、転倒、倦怠感などの持越し症状

ユーロジンは半減期が24時間と長いため、翌日起きるはずの時間になっても、薬の効果が完全になくなることはありません。

そのため薬の持越し作用が出ることがあり、主な症状としてはふらつきや倦怠感などです。

その他にも頭痛やめまいなどの症状が報告されています。

運転などはもちろんのこと、機械の作業など危険を伴う行動には気を付ける必要があります。

また、朝だけでなく日中にも倦怠感やふらつきが襲ってきることがありますし、記憶力、判断力が低下することになりますので、仕事や勉強の効率も低下することになります。

こうした症状はユーロジンの代表的な副作用となっていますので、特にユーロジンの使い始めには慎重になる必要があるでしょう。

持ち越しとは異なりますが、夜中にトイレに立つ場合などにもふらつくことがありますので、使用した際には十分に気を付けることが大切です。

 

3.依存と脱離症状

ユーロジンは長く薬が作用するタイプの睡眠薬であるため、比較的依存性の少ない薬と言われていますが、それでも依存の危険性があります。

主に長期間服用したり、容量用法を守らず乱用した場合には依存が強く出ることがあります。

依存の副作用を軽減させるためにも、薬の量などはくれぐれも守るようにしてくださいね。

薬を急に絶った時に現れる症状を脱離症状と言いますが、この脱離症状もユーロジンの使用時の副作用として報告があります。

主に、反跳性不眠や体調不良などが症状となって出ることがあります。

反跳性不眠は薬を突然やめたことで、薬を飲む前よりもひどい不眠症になると言うものです。

通常長期間睡眠薬を飲んだ場合、医師の指導により、徐々に量を減らしていき、薬を断つのが一般的ですが、自己判断で急にやめてしまった場合、このような睡眠障害を起こしてしまうことがあります。

また、体調不良も脱離症状の一つとなっています。

長期間の使用したため体が薬に慣れてしまい、急に使用を中止いたことで、イライラをはじめ、不安感などの心の変化、けいれんなどの身体不調を引き起こしてしまうのです。

ユーロジンに限ったことではありませんが、睡眠薬を急にやめることは避けた方が良いでしょう。

「そんな依存、脱離症状が自分にも出ているのではないか?」とユーロジンの使用をためらう方もいると思いますが、依存や脱離症状が現れる可能性があるのは、あくまでも長期間の使用をした場合、容量を守っていない場合などです。

依存の症状は体に耐性が付くことで、睡眠薬を飲む量が増えてしまったりする時に心配となる症状ですので、ユーロジンの場合でも、処方された量で良く眠れているようであれば、あまり心配の必要はありません。

脱離の症状が出ることもまずありませんので、必ず医師に処方された容量・用法を守って睡眠薬と付き合っていくようにしましょう。

 

4.その他の副作用

ユーロジンにはその他にもいくつかの副作用が報告されています。

発疹やかゆみ、発熱など体が過敏に反応してしまうケースや息苦しさや呼吸がスムーズに行えないことからくる頭痛などの呼吸抑制・炭酸ガスナルコーシスや無顆粒球症も0.1%以下の割合で発症があるとされています。

非常にまれなケースではありますが、実際に副作用として報告されていますので、初めて使用を開始する際には、頭に入れておくと良いでしょう。

このような症状が見られた場合、兆候があった場合にはすぐに薬の使用を中止して、医師の判断を仰ぎましょう。

 

ユーロジンの注意点

睡眠薬全般に言えることですが、ユーロジンの場合でも重症筋無力症を患っている方の使用はできません。

また、呼吸器系に疾患のある方も、副作用などが強く出てしまうことがありますので、慎重に使用していくことが大切です。

病気の方、高齢者の方などは副作用が健康な方よりも出やすいとされていますので、少ない錠数から飲んでいくと良いでしょう。

飲酒もまた、副作用を強めてしまう危険性がありますので、絶対にやめましょう。

反対にユーロジンの場合、カフェインは薬の効果を弱めてしまうとされています。

眠りにつく前にカフェインを飲むことは控えた方が良いでしょう。

 

ユーロジンはこんな方におすすめ

ユーロジンは出現までの時間が遅いため、「布団に入ってもなかなか眠ることができない」と言った入眠障害にはあまり向いていません。

その代り、半減期までの時間が長くなっているため、中途覚醒や早朝覚醒にお悩みの方には大変良い睡眠薬です。

つまり、眠ることはできるけれど、途中で起きてしまうと言う方に向いている薬です。

断続的に、睡眠中何度も目が覚めてしまうタイプの不眠症の方もいると思いますが、そうした方にも効果を発揮してくれる睡眠薬と言えるでしょう。

超短時間作用型、短時間作用型などを現在服用していて、それでも寝ている最中に目が覚めてしまうと言う方には、もってこいの薬です。

また、不眠症がひどく、眠ることを習慣にしたいと思っている方にも良いお薬です。

薬が継続して作用してくれるため、眠りのベースを作ってくれます。

作用時間は長く設定されていますが、それほど強い薬でもないため、安全、安心して使用できる睡眠薬ですので、ぜひこれらのお悩みがある方は、医師と相談の上、ユーロジンを選んでみると良いでしょう。

 

ユーロジンが効かない場合

ユーロジンが効かない場合

 

ユーロジンは中間作用型の睡眠薬であるため、完全に薬の効果を得られるまでに4日から5日はかかる薬です。

しかし、5日、1週間と飲んでもあまり効果を得られないと言う方もいることでしょう。

睡眠薬の効果があまりないと感じるのであれば、その睡眠の状態によって薬を選びなおす必要があるかもしれません。

入眠が上手くいかないと言うのであれば、同じ中間作用型であるサイレースやベンザリンという睡眠薬もあります。

薬のピークまでの時間が短いため、より効果を実感できる可能性があります。

また、寝ている間に目が覚めてしまうようであれば、長時間作用型の睡眠薬に切り替えてみると良いでしょう。

長時間作用型の睡眠薬であればより作用時間が長いタイプとなりますので、睡眠の定着もユーロジンと比べ強く、長い時間しっかり眠ることができます。

必ず医師と相談の上、自分に合った薬を再検討してみましょう。

 

まとめ

ユーロジンは、ベンゾジアゼピン系に属する中間作用型の睡眠薬です。

 

ユーロジンは、ベンゾジアゼピン系に属する中間作用型の睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は安全性が高く、安心して使用できる薬です。

しかも、中間作用型ですから、睡眠時間全般をカバーしてくれます。

出現時間が5時間と長いことから、入眠障害には向いている睡眠薬ではありません。

その代わり長く作用し、薬の成分が体に蓄積されていくため、睡眠のベースを作ってくれ、特に中途覚醒や早朝覚醒タイプの不眠症には高い効果を発揮してくれます。

睡眠薬の中では比較的「標準タイプ」の薬であるため、またその穏やかな作用を持っていると言う性質から、副作用なども少なく、高齢者でも安心して使うことができます。

ただし、薬の効果が持続するため、薬効の持ち越しには注意が必要と言えるでしょう。

ふらつきや思考力の低下などの症状が出ることがあります。

眠気などの持越しが強く出るようであれば、ユーロジンは適していないかもしれません。

ですが、ユーロジンは手術前の麻酔補助剤としても使われている比較的メジャーな睡眠薬です。

睡眠だけでなく、精神的不安が悩みと言う場合にも非常に気持ちを安定させてくれるため、優れた効果が期待できます。

自分の睡眠のタイプに合うようであれば、医師と相談の上、選んでみると良いでしょう。

心地よい眠りをぜひユーロジンで手に入れてみてくださいね。

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