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【注意】電磁波過敏症はどこまで危険か?睡眠への影響と対策8選

  • 最終更新日:2017.06.21
  • 公開日:2017.06.21
【注意】電磁波過敏症はどこまで危険か?睡眠への影響と対策8選

「電磁波」とは、電気と磁気の両方の性質をもつ「波」のことで、この電磁波は電気を使う際に必ず発生するものです。電磁波は目には見えませんが、私たちの生活の中でたくさんの電磁波が飛び交っています。

今や欠かすことのできない電化製品、電子レンジやテレビやパソコン、肌身離さず持っているスマホ、ハイブリッド自動車からも電磁波は発生しており、私たちはそれらの電磁波を毎日浴び続けているのです。

電磁波は人間の身体にどのような影響を及ぼすのか、欧米では日本より高い関心を持って研究を進めています。そして電磁波と不眠症との関係にも着目され、ある研究からスマートフォンの電磁波と不眠症には深い関わりがあるとの報告もあがっています。一見、睡眠にはそれほど関係のなさそうな電磁波ですが、その実、電磁波によって睡眠の質が低下することもあるようです。

電磁波は、睡眠にどんな影響を与えるのでしょう。不眠症との関係とはどんなものなのでしょう。そして、私たちの快眠を守るためにはどのような電磁波対策をすればいいのでしょうか。

電磁波が引き起こす「電磁波過敏症」とは?

「電磁波過敏症」という名前、聞いたことがないという方も多いことでしょう。この病気は、電磁波を浴びることが原因で引き起こされると考えられる諸症状の総称です。電磁波過敏症という傷病名は、最初にこの症状に着目したアメリカの医学者、ウィリアム・レイ博士によって命名されました。

電磁波過敏症の患者は他の人より電磁波に過敏で、電化製品や身の回りの機械製品から微弱な電磁波を浴びただけで、不快感を覚えたり吐き気や頭痛、不眠症などの症状が出るそうです。

アメリカでは電磁波過敏症という病気の存在が確立しており、専門医が患者のケアを行っています。ドイツやスウェーデンやデンマークなどのヨーロッパ諸国でも、電磁波過敏症という病気は社会的に認知されつつあり、公的保険対象の病気として治療が進められています。また、近年の日本でも、一部では「電磁波環境での過敏症」と呼ばれ始めているようです。

 

電磁波過敏症が引き起こす症状とは?

電磁波過敏症が引き起こす症状とは?

 

米国の専門医ウィリアム・レイ博士によれば電磁波過敏症の症状の分類には13通りあるとのことですが、症状を訴える患者の特徴として、まず目・皮膚・神経など、頭や顔の周辺に集中的に症状があらわれます。

そしてこの状態がさらに進行すると、動悸やめまいや吐き気・不眠症・呼吸困難や突然の失神・手足のしびれや麻痺・うつを伴う頭痛や一時的な記憶喪失・なかなか取れない疲労感などが引き起こされます。

さらに、筋肉のこわばりから全身に激しい痛みが出る線維筋痛症と診断されるほど過敏症の人までいます。

電磁波過敏症は外見上には外傷が認められないため、本人による主観的な自覚症状から診断するしかない場合がほとんどで、病気の実態を把握するのも診断を下すのも難しい病気なのです。

 

電磁波が睡眠に与える影響とは?

電磁波が睡眠に与える影響とは?

 

電磁波過敏症の患者さんの多くが「不眠症」を訴えていますが、これはメラトニンが減少するために引き起こされる症状です。

電磁波は、脳内ホルモン分泌器官の松果体と密接な関係にあります。松果体は、「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンを作っています。メラトニンには、自然な眠りに誘ったり、生体リズムを整えたり、新陳代謝を促したりと、とても大切な役割がたくさんあります。メラトニンの正常な分泌量と働きが私たちの生活と快眠を守ってくれているのです。

しかし、電磁波を浴びることで松果体の活動が抑制され、作り出されるメラトニンの分泌量が減少することが研究でわかっています。メラトニンが減少すると生体リズムも崩れやすくなり、「朝になると目覚めて夜になると眠くなる」という人間がもつ本来の流れも乱れてきます。その結果、寝つきが悪くなったり、熟睡できなかったり、夜中に目覚めたりして、睡眠の質が低下してしまいます。

睡眠時間は充分なのに疲れが取れない、朝起きても眠気が残っている、そういう人は電磁波の影響も考えてみましょう。一時的なものだからと不眠症を放っておくと、重篤な睡眠障害に進行することもあり得ます。

 

私たちが日常生活で浴びている電磁波とは?

電磁波とは電気を使っている所には必ず発生するもので、電磁波から身を守るには電磁波が多く出されている場所から離れることです。しかし、どの部屋にも電化製品がある家庭内では、なかなかそれも難しいでしょう。ただ、どの電化製品が電磁波を多く出しているかを知ることは、電磁波対策を行うためにも必要です。

ちなみに電磁波が一番多いのは、電子レンジと掃除機で200mG(ミリガウス)です。

 

電磁波発生量が多い電化製品

電子レンジの発生量が多いのは知られていますが、掃除機も意外に多くの電磁波を放出しています。とはいえ、掃除機の電源は使い終われば抜きますので、電子レンジより回避するのは簡単そうです。電子レンジは、できれば使わない時はコンセントから抜くように心がけたいものです。

次に多いのが、電気毛布の163mG(ミリガウス)です。
寒い時期にしか使わないとはいえ、直接肌に触れるものだけに、この数字は怖いかもしれません。

そして、電気シェーバーと電気こたつが100mG(ミリガウス)となります。電気シェーバーを使う時間は短いですが、電気こたつは期間限定とはいえ長時間使いっぱなしになる上に肌に直接浴びるものです。強い電磁波を出す暖房器具であることを念頭に置いて使うようにしましょう。

ちなみに、携帯電話やスマホも、電子レンジと同程度の電磁波を発生させます。肌身離さず持ち歩いている方も多いでしょうし、寝るときにも電源を入れっぱなしで枕元に置いている方もいるのではないでしょうか。電源を入れたまま近くに置いているということは、電磁波をずっと浴びている状態だということを覚えておいてください。

 

質の良い眠りのための電磁波対策8選!

質の良い眠りのための電磁波対策8選!

 

今や私たちの生活に電化製品は欠かせません。便利な生活を捨てない限り、電磁波を浴びることから免れられないのかもしれません。ですが、適切な電磁波対策を行えば、電磁波から受ける悪影響を減らしていくことは可能です。

出来ることから始めていきましょう。

 

1,使わない電化製品はコンセントから抜く

電化製品の中では、電子レンジが電磁波を一番多く発生させていることがわかりました。
ですから、電子レンジを使わない時はプラグをコンセントから抜くようにしましょう。たとえ電源がオフになっていても、交流電圧に接続したコードや機器には交流電場が生じて、電磁波が発生するものもあります。使用していない時はプラグをコンセントから抜く習慣をつけましょう。また、電化製品にアースをつけるのも、電磁波対策には効果的です。

 

2,寝る直前までテレビやパソコンを見ない

テレビやパソコンから受ける電磁波の影響は少なくありません。就寝直前まで電磁波を受けることは、寝つきが悪くなったり熟睡できなくなったりと眠りの質を落とす原因にもなります。睡眠の妨げとならないよう、寝る1時間前までにはテレビもパソコンもやめましょう。そして、なるべくテレビやパソコンもコンセントから抜いてください。

 

3,寝る前にWi-Fiの電源をオフにする

Wi-Fiや無線LANは、電源をオンにするだけでかなり大きな電磁波を発しています。Wi-Fiの電波は家中に飛びますので、寝室とは別の部屋に設置してあっても、寝る時には必ず電源を切るようにしましょう。

 

4,電磁波対策グッズを活用する

最近では、電磁波対策グッズとして、敷パッドやシーツ、エプロンやカーテンなども販売されています。また、電気製品からの電磁波をシャットアウトする「電磁波除去装置」などもあります。身の回りの物から試してみるのはいかがですか。

 

意外に電磁波の影響が大きい寝室

意外に電磁波の影響が大きい寝室

 

寝室は家の中でもっとも電化製品が少ない部屋だから電磁波の心配もない、そう安心してはいませんか?ところが、実はそうでもないのです。

寝室には本当に電化製品は少ないですか?たとえば、寒い冬の季節に電気毛布や電気敷毛布などを使ってはいませんか?隣室はどうですか?

私たちは1日のうちの1/3をベッドや布団の中で過ごしています。睡眠中はほとんど動かずに、無抵抗で電磁波の影響を受けることになります。しかも眠っているのですから、起きている時より抵抗力が少ない状態で長時間にわたって電磁波を受け続けます。そして電磁波の影響は、知らず知らずのうち、体内で蓄積されていきます。

だからこそ、眠っている時の電磁波の影響を最低限に抑える工夫をしなければならないのです。

 

5,枕元のスマホは危険?

現在では「スマホ依存症」と言われる人も少なくないようです。いわゆる、いつでもどこでもどんな場面でも、片時もスマホを離すことができない人ですね。それゆえ、寝る寸前までスマホをいじって、寝る時には枕元に置いている人も多いと聞きます。

また、スマホの便利さから、目覚まし代わりとして枕の下に置いている人も少なくないようです。ですが、スマホや携帯電話の電磁波は、ブルーライトと変わらないほど睡眠に悪影響を与えるものです。実際にフランスでは、1日に30分以上携帯電話で通話したら脳腫瘍が発生する危険性が2~3倍に増加するとの報告もあります。

もちろん、通話中と待機中では電磁波の量も変わってきますが、待機中であっても、スマホや携帯電話は常に微弱電波を発しているのです。それほど強い電磁波を発生させるものを一晩中枕元に置いておけば、睡眠の質が落ちてしまうのも無理からぬことです。

なるべく寝る時にはスマホや携帯電話を近くに置かないように、もしくは電源を切るようにするのがいいのですが、もし、目覚ましとしてどうしても枕元に置かなければならない場合には、機内モードなどにして少しでも電磁波の影響を受けないようにする工夫をしましょう。

 

6,電気毛布や電気あんかはなるべく使わない

肌に密接する形で使用する電気毛布や電気あんかは、体の電圧を高めてしまいます。できれば使用しないことが望ましいのですが、体質などにより使用する場合は、電磁波対策がなされている商品を選びましょう。

また、冷え性などで電気毛布や電気あんかを使わなければ眠れないという人は、せめてタイマーで数時間後には切れるようにして、一晩中使用するのは避けるようにしましょう。電気毛布や電気あんかを一晩中使うことは、電磁波を受け続ける問題だけでなく、免疫力や抵抗力の低下にもつながります。

 

7,寝室にコードレスフォンを置かない

コードレスフォンがたとえ子機であっても、親機が通話中かどうかに関わりなく常に送信状態になっています。せめて睡眠中だけでも電源を切って、できればコンセントから抜いてください。また、目覚まし時計を枕元に置く場合には、昔ながらの電池タイプの方が電磁波を防ぐ意味では安心です。

 

8,電化製品は寝る場所から遠ざける

電磁波は、発生源から遠ざかるほど負荷が軽減すると言われています。寝室の電化製品は、ベッドや布団から1m以上離しましょう。不要な延長コードもコンセントから抜いてください。また、コンセントや照明スタンドの配線は、寝た状態の頭の高さから30~40cm以上遠いか高い場所にあるのが好ましいです。

そして電磁波は、壁や天井に埋め込まれている配線からも発生します。壁際にベッドや布団を設置する場合は、壁の裏側や隣室にも気をつけましょう。電磁波は、壁などがあっても関係なくすり抜けますので、たとえ寝室に電化製品がなくても、隣室の電化製品から電磁波を受けてしまうこともあります。

集合住宅などで隣室の状況が分からない場合は、壁際ギリギリにベッドや布団を設置しない方が安心かもしれませんね。

 

まとめ

まとめ

 

電磁波が人体に与える影響に関しては、まだ研究段階であると言えます。ですが、現にアメリカやヨーロッパでは電磁波による傷病として「電磁波過敏症」という病名があり、専門医師がケアを行っています。

日本でも、遅ればせながら「電磁波環境での過敏症」として電磁波による症状との認識を高めています。電磁波の影響は目に見えるものではなく、その診断は難しいのですが、電磁波過敏症を患っている人の多くが不眠症を訴えているという事実もあります。

不眠症や睡眠障害に困っている人の中には、実は電磁波過敏症だったということもあり得るのです。まず、改善策として電磁波対策をしてみましょう。

不眠症も睡眠障害も電磁波過敏症も、目に見える外傷がないため診断するには難しい部分があります。ですが、要因と考えられる項目を一つずつ消していくことで、自分の真の病状が見えてくるのではないでしょうか。

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