
朝スッキリと爽やかに起きることができるというのは、しっかり快眠できているということです。
その反面、寝ているのになんだか起きてもだるい、しんどい、眠いという感覚が残るというのは快眠できていないと言うことになります。
快眠するためには、自分自身の心身の健康がまず大切になってきますが、その次に大切なことは、やはり睡眠に関するさまざまな環境です。
寝室などの環境で大切なことの一つに寝具の選定があります。
その中でも快眠できるための掛け布団はどのような選び方をすることが大切なのかみてみましょう。
この記事の目次
掛け布団の役割
快眠のためには掛け布団の選び方が大切です。
季節によって大きく掛け布団の種類も異なってきますが、掛け布団は主に睡眠中の身体の体温調節を行います。
夏の非常に暑い夜でもタオルケットや夏用の掛け布団を使う人がほとんどでしょうし、冬の寒い時期には何枚も掛け布団や毛布などで布団の中の温度をするという人もいるでしょう。
人それぞれ好みも習慣もいろいろと違いますので快眠できる条件は異なってきますが、掛け布団の選び方が上手くできていないせいで夜中の体温調節が上手くいかなかったり、寒さ対策に何枚も掛け布団を掛けているのでその重みであまり眠れないという可能性もあります。
人間は体温調節でリズムを作っている
人間は1日の中で自分が無意識の内にしっかり体温調節を行って、体温変化に規則正しいリズムを刻んでいます。
朝は起床時間の少し前から徐々に体温は上昇し日中は高い体温のまま過ごし、夕方から徐々に体温を下げていって入眠の時に一気に体温を下げるという具合です。
人間は体内の温度が下がると眠りやすくなり、体温が上がると覚醒しやすい状態になり、睡眠と覚醒のリズムを作っています。
このリズムがしっかり定期的にはっきり起こっている人はきちんとした睡眠リズムを作っていることになり快眠できる状態にあることになります。
朝になっても低体温のままだとスッキリ起きることができませんし、夜になっても体温が降下しない状態の人も快眠できません。
ちなみに、ずっと低体温のままの人は良く眠れるのではないかと思うかもしれませんが、それは全く違います。
入眠のためには体温が高い状態から低い状態に一気に下がっていくことがスムーズな入眠につながります。
体温を高温にするためには日中にしっかり活動することが大切で、ずっと活動せずに家で動かない人などは体温が上昇せずに高温から低温へお体温変化がないためになかなか入眠できない、寝付きが悪いという状態になってしまいます。
睡眠中は熱を放出している
赤ちゃんや子供が眠たくなってぐずりだすと、手足が熱くなっていることがあります。
また、寝汗をいっぱいかいていることなどから睡眠しているときに人が体温を上げているのはないかと勘違いしてしまいますが、このような現象は体内の熱を身体が外に放出して体温を下げているということの表れです。
睡眠中は無駄な体温を放出して低体温を保っているのですが、体内では身体や脳の修復作業が盛んに行われているので代謝は活発になっています。
体内に栄養や酸素を多く起こりこむために血管も広げて体を修復しながら、余分な熱を放出して身体と脳をクールダウンしているのですから、睡眠中の身体はドッグに入っている船のようなものです。
体温が下がっていると身体を修繕するための成長ホルモンをたくさん分泌されるのですから、睡眠中の体温を適度な低温に保つことが快眠につながるというわけです。
1,掛け布団には適度な保温が大切
快眠のためにはしっかりとした体温のリズムがあること、睡眠時には適度に身体を低温に保ち、余分な体温を放出できることが大切です。
その為には季節による気温から体温を保つための保温が大切になります。
熱すぎても寒すぎても快眠を妨げますので掛け布団選びは重要です。
一般的に快眠するためには掛け布団を掛けたあとの布団の中の温度が約33度ぐらいが適温だと言われています。
ちなみに就寝時の身体を取り巻く布団の中の空間の温度と湿度の環境を「寝床内気候」と言いますが、人が眠ると体内から放出される体温によって寝床内気温は上がります。
寝床内温度は外気の侵入などがない限りはある程度一定を保つことができます。
季節によって室温が様々ですが、掛け布団を掛けて寝床内温度が33度前後を保てるようなものを選ぶことが大切です。
2,適切な寝床内湿度
寝床の中の温度と共に快眠のために大切になってくるのは寝床内湿度です。
一般的に寝床内湿度は45~55パーセントほどが快眠のためには良いとされています。
入眠後、寝床内湿度は一気に上昇し、その後水分は寝床内の空間には留まることなく、掛け布団に出て行ったり、敷布団に吸収されます。
快眠のために快適な掛け布団は、寝床内空間にある水分を適度に吸収することのできる素材が大切になってきます。
3,掛け布団の適度な重さ
冬になると毛布を数枚重ねた後に、更に分厚い掛け布団を2枚ほど掛けるというような重装備で眠ると温かいし安心感があると重い布団を好んで使っているという人は多いですが、重い掛け布団というのは快眠にはあまり適していません。
重い掛け布団に身体を包まれていると温かいのですが、掛け布団の重みが身体を圧迫するので血液の流れが悪くなるので血圧が高くなります。血圧が上がると快眠できる状態ではなくなります。
また、重い掛け布団による圧迫で胸が押さえられるので呼吸がしにくいと感じてしまう人もいます。
掛け布団を掛けて重いなと感じるようなならば掛け布団の重みが負担になっていますので自分が負担に思うことのない程度の重さの掛け布団を選ぶようにしましょう。
4,柔らかく肩のラインをカバーする素材
重さのある掛け布団などを使うと寝床内温度は適度に保温されていたとしても、布団に柔らかさがないことが多いので、肩口と布団との間が大きく開いてしまって胸から下は暖かくても、首や肩から胸の辺りが室温に晒されるので非常に寒く感じてしまいます。
硬くて重さがあると身体のラインに掛け布団が沿わないことで肩の辺りに空間ができてしまうので首を中心に上半身の温度が下がります。
人間は首周りや肩に寒さを感じると実際よりも非常に寒さを感じてしまうために熟睡できません。
その為にも掛け布団は柔らかく、肩のラインをカバーするものを選びましょう。
最近は特に冬場、肩周りを冷やさないために、少し形状を変えて方を覆えるような掛け布団も販売されています。
快眠のためには身体全体を一定温度に保てるような掛け布団を選びましょう。
5,掛け布団といえば羽毛布団
快眠のためには寝床内気候である、温度と湿度を一定に保つことが大切です。
また、身体を圧迫しないような軽さが必要ですし、身体のラインに沿ってしっかり包みこんでくれる掛け布団が理想でしょう。
このような点を全て兼ね備えた掛け布団を総合的に考えると羽毛布団が理想に近い掛け布団ではないでしょうか。
羽毛布団とは一般的に水鳥の羽毛を使っています。
水鳥の羽ですので天然の素材ですし、水鳥は羽で温度調整もできますし、湿度も適度に保つことができます。
また、羽毛ですので軽い掛け布団になるという点も優れていますし、柔らかいので首や肩周りもすっぽり覆うことができて肩口が冷えるのをカバーします。
本物の水鳥の羽根ですので季節に応じて快適に睡眠できる温度を保ってくれます。
例えば冬の寒い時期は羽根ですので空気を温め、夏の暑い時期は適度に湿気を吸収し、涼しい環境を作ってくれるのです。
羽根布団と言うのはダウンと言われる羽毛とスモールフェザーと言う小羽からできており、ダウン80パーセントスモールフェザー20パーセントというような表示がされています。
羽毛布団といわれるものにも様々な種類がありますが、一般的な羽毛布団はダウン50パーセント以上のもので、50パーセント未満のものを羽根布団と言っています。
羽毛布団は高価なものというイメージがありますが、1万円ほどで購入できるものから100万円を超えるものまであります。
主に中の羽毛の割合と羽毛の品質によって価格が大きく変動してくるようです。
良い品質の羽毛布団は軽いのに弾力性がり、非常に長持ちします。
また、手入れをするとかなり長期間使用することもできます。
ただし、値段が高いから良いものであるとは限りません。
実際に使われている羽毛の品質をしっかりと見極める力がないと粗雑な商品をつかまされる恐れもありますので、高価な羽毛布団を購入する場合は、信頼のできる店から購入するようにしましょう。
6,木綿素材の掛け布団の特徴と選び方
国内でも昔から一般的に掛け布団として使用されているのが木綿素材の掛け布団です。
寝床内の湿気をしっかり吸収するのが特徴ですが、木綿に吸収された湿気を外に放出するためには掛け布団を干すということが欠かせません。
しっかり乾かせば、ふわっとした心地の良い寝心地になりますが、長期間干さずに使用するとどうしても湿気が気に重く感じます。
木綿素材の掛け布団の中は100パーセント木綿であると非常に重さがある布団になりますので、ポリエステルを2~30パーセント含んだ木綿素材の掛け布団を選ぶと良いでしょう。
7,アレルギーの人は真綿の掛け布団
真綿の布団は蚕から薄い真綿の状態にしたものを、手で何度も何度も伸ばして重ねていって作られたものです。
100パーセント天然素材ですし、保温性にも吸湿発散性にも優れています。
木綿素材の掛け布団の綿ホコリが気になるのに対して、真綿の掛け布団の方がホコリが出ないのでアレルギーやアトピーなどの症状がある方は適しています。
素材が柔らかいので身体のラインにしっかり沿って身体を覆うので外気が布団の中に入ってきにくくなります。
快眠には真綿の掛け布団を単体で使うよりも羽根布団と組み合わせて使用するとよいでしょう。
8,夏には麻素材
日本の夏は暑いですので昔から夏の掛け布団としてはサラっと肌さわりが良く、ひんやりとした麻素材の掛け布団を使ってきました。
夏は布団の中で熱がこもりにくくなりますが、逆に冬は保湿性があまりないので適していません。
9,お手頃価格のポリエステル素材
ポリエステルは合成繊維で軽く、保温にも優れていますし、価格が安いということで掛け布団の素材としても非常に人気があります。
一番の問題は吸湿性があまりよくないので、布団の中の湿度が高くなって蒸れやすいことです。
しかし、アレルギーやアトピーの人にとっては、ホコリがでにくく、掛け布団を丸洗いできるので衛生的ですので適しています。
しかし、天然素材ではないので重いアレルギーやアトピーの人には向かないという意見もあります。
10,寝具売り場で実際に見てみる
快眠できる掛け布団というのは人によっても様々です。
子供は汗をかきやすいですし、老人や女性はあまり重い布団は好みません。
また、冷え性の人や代謝のいい人、悪い人と様々ですので、いろいろな掛け布団を寝具売り場に行ってある程度素材を確認したり、掛けたときの状況を見たり、持ってみて重さを確かめることをおすすめします。
素材と値段の関係、素材と保温、保湿、重さの関係などはいろいろな商品を実際に見たり、情報を聞いたりしてみないと分からないことが多いです。
寝具売り場には快眠のための専門知識を持ったアドバイザーのような店員がいる場合も多いですので自分だけで悩まずに気軽に相談してみましょう。
まとめ
人間は眠るときに一気に体温を下げて、また起床の少し前から体温を上げていき、日中は活動をして体温を上げて、また眠るときに体温を下げます。
このような1日の体温のリズムがはっきりしない人は質の良い眠りがそもそもできないので体温のリズムを整えることは重要です。
このような観点からも睡眠中の体温を低体温のまま一定に保つことは非常に快眠のためには重要ですし、快眠のための掛け布団を選ぶためにはこのような保温や保湿の観点から掛け布団を選ぶのが一般的です。
寝床内の温度は約33度、湿度は45~55度ほどに保つことが快眠のためにはベストな状態とされています。
また、就寝時に肩口が外気に触れて上半身が冷えて眠れないということもありますので、柔らかい素材で肩口をすっぽりカバーできるようなものが良いでしょう。
また、掛け布団が重すぎると身体を圧迫して血流が悪くないあまり良く眠れませんので重さも充分に考慮することが重要です。