
朝晩の気温が下がる季節は特に足の冷えが原因で、なかなか眠れないという人も多くなってきます。
足をぽかぽか温かくすることはスムーズな心地よい眠りのためにとても大切です。
安眠のためにも足の冷え対策について考えていくことにしましょう。
この記事の目次
足が冷える一番の原因
日頃から足、特に足先が自分で触ってみてもかなりひんやりしていると言う方は多いのではないでしょうか。
これは女性に多くみられる症状ですが、冬の夜はもちろんのこと、日中でも、夏の暑い日でも、常に足先が冷たくなってしまっている人もいます。
このような人は足先だけでなく、手先もひんやりと冷たく、完全に「冷え」状態に陥っています。
夏での手足が冷たいということは外気が原因しているのでなく、主に体の中の状態が足先の冷えの原因になっているのです。
足の冷えの原因はいろいろありますが、一番の原因は体の中の血液の循環が悪くなっていることです。
これによって足が冷えて眠れないという状態につながります。
酷い人になると特に寒い環境にもいないのに、足先の感覚が麻痺するほど冷えて、しもやけになって赤くなってしまう人もいます。
しもやけの原因も血のめぐりが悪いということが大きな原因です。
体の血のめぐりを良くすることが足の冷えを改善することにつながっていきます。
血液の循環と冷えの関係
私たちの体温は血液によって行われます。熱い状態が続くと、体は体温を下げるために汗をかこうとします。
汗をかくためには血のめぐりを良くして皮膚の温度を上げると体温が下がるのです。
逆に、体温が低く体温を上げるときには、熱の放出を避けるために血管を収縮して熱を内側に溜め込みます。
このような体温調整を実際に行っているのは体の隅々にまで伸びている毛細血管というものです。
この毛細血管は非常に細かく、体全体に行き渡っています。
足先を温めるためには、心臓から一番遠い足先の細い毛細血管にまで血をめぐらせることが必要になってきます。
しかし、人間は冷えた足を温めるよりも生命を維持するために大切な心臓をはじめとする内臓を優先的に温めようとするので足先や手先などへの血のめぐりは一番最後になってしまいます。
このようなことから、体の末端である足先への血のめぐりは慢性的に少なくなり、いつも冷たい状態になってしまい眠れないという人が多くいます。
筋肉の低下も足冷えの原因
現代人は電車や車を使って移動することが多く、足を動かす機会が少なくなっています。
また、よく歩くと言う人でも脚の指を一本一本手のように動かすことができるという人は非常に珍しいでしょう。
このことからも現代人の足はどんどん退化していき、歩くことはできても足先を器用に動かす筋肉などは凝り固まっていると人が多いのです。
筋肉の低下は筋肉を動かすことによって起こる熱量の低下や血流の低下を意味します。
足先の筋肉の低下が足先の冷えの原因になり、その結果夜に眠りにくくなるということにもつながります。
代謝の低下も足先の冷えの原因
体の血流が悪いと言うことは全身に栄養が行き届かず、また体から出る老廃物も体内から排出されないということがおきます。
内臓などに老廃物が溜まると血流が悪くなるので血流が悪くなり、内臓の働きも悪くなるという悪循環がどんどん続いていきます。
代謝が悪いことが血流の悪さにつながり、足先の冷えの原因になり、結果的に眠れないということになります。
自律神経の乱れ
自律神経と言うものはあまり自分でも自覚できませんが、人間が生きていくために体を正常な状態を保つために常に体に命令を出している神経です。
ストレスや不規則な生活が続いたりすると自律神経というものは敏感に反応します。
自律神経が乱れると体内の体温コントロールなども機能しなくなり足先が冷えるだけでなく、睡眠をコントロールすることもできなくなります。
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足の冷えがあると睡眠が浅くなる
足先が冷たいと寒く不快なので眠れないということもありますが、一旦眠りに入ってもその眠りが浅く質の良い眠りを得ることができません。
人間の体温は1日の中でもしっかりリズムがあり、睡眠とも深い関わりがあります。
日中は活動しているので体温は上昇しますが、夜になっていくと体に溜まった熱を体外に放出するために手や足先の毛細血管を拡張して血流を促し、そこから体外に熱を放出します。
子供や赤ちゃんが眠くなると手足が熱くなる現象と同じですが、大人も手足の温度が上がってくることによって眠気を呼びます。
しかし、慢性的に体が冷えている人は日中の体温もなかなか上がらないので夜になってもさほど体温が下がることがなく体温の波があまりないという状態になり、睡眠へのスイッチが入りにくい状態になっているので寝つきが悪かったり、寝ても深い眠りに入ることができないのです。
このことからも日中の活動がなく、リズムのない生活をしている人は手足が冷えやすく眠りも浅いという状態に陥りやすいことがわかります。
就寝前の冷えとりが質の良い睡眠への近道
足が冷えて眠れないという人が出来るだけ早く眠るためには、冷えた足を温めることが大切です。
足が冷たいな・・・と思ってお布団に入っているだけでは脚はなかなか温かくなりません。
このためにも就寝前の夜の時間にしっかり足先の冷えをとる対策をしましょう。
1,入浴でリラックス
忙しい毎日を送っていると夜に湯船につからずにシャワーで済ましてしまっていると言うことはありませんか?
シャワーで体を温めても体の中から温かくはならないので、冷えが原因で眠れない人には、足先までしっかり温めるためにバスタブにお湯を張ってゆっくり入浴する方法が一番です。
あまり熱いお湯ではなく38度から39度ほどの少しぬる目のお湯にゆっくり浸かって体の奥まで温まりましょう。
体が温まるために入浴剤を使用するのも効果的です。
入浴することで日中の緊張から神経もほどけてリラックスできますので入眠するためには非常に効果的です。
湯冷めせずに体が温かい状態でお布団に入ったほうがいいので、寝る時間を見計らって就寝の1時間前ほどに入浴すると良いでしょう。
2,足のマッサージ
足の冷えには足先の血流をよくするために足を眠る前に足をマッサージすることが効果的です。
冷えで眠れない時は、マッサージすることで足裏のツボを刺激することにもなります。
気持ちも良いですし、血流も良くなります。
足裏には湧泉(ゆうせん)という足の冷えに効くツボがありますし、くるぶしには三陰交という女性の体の悩みに万能のツボもあります。
また、足の甲の指と指の間に左右4箇所ずつある八風(はっぷう)というツボは血行促進のツボです。
お風呂の中でゆっくり温まりながらマッサージしたり、お風呂上りの体が温かいときにマッサージクリームやオイルなどを使ってマッサージしましょう。
血流が明らかに良くなって足がぽかぽかしてきて冷えが改善されますので入眠時にも気持ちが良くなります。
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3,眠る前の軽いストレッチ
足の冷えを改善するためには眠る前に軽く体を動かすのも良い方法です。
激しい運動はかえって神経を高ぶらせますので冷え性改善のためのストレッチ体操などが理想的です。
布団の上やマットの上に寝転んでゆっくり息をしながら手を頭の上に伸ばして背伸び運動をしましょう。
また、そのままの姿勢で足先を遠くへ伸ばしたり、天上の方向に向けたりしてかかとを動かしてしましょう。
足先を動かすことで足先への血流が良くなり足が温まってきますので、冷えでなかなか眠れない人にはお薦めです。
4,湯たんぽ
お布団の中で足が冷たくて困っているならば、湯たんぽが効果的です。
眠る少し前にお湯を沸かして湯たんぽに入れて、自分が布団に入る前に布団の中を温かくしておくと、とても気持ち良く眠りにつきやすくなります。
電気毛布なども効果的ですが、体全体が熱すぎたり、長時間電気毛布などを使用して低温やけどなどにならないように注意しましょう。
5,レッグウォーマー
布団の中で足先が冷たくて眠れないからといって、何枚も靴下を重ねて履いて寝ている人がいますが、何枚も靴下を履いて温めていると、体の中の体温を足先から発散できなくなり、かえって眠りが浅くなることがあります。
足先が寒いと眠れないという場合は、靴下ではなく足裏や足首を温めるレッグウォーマーを履くのが効果的です。
指先が開いているので足先が厚くなるとレッグウォーマーを上に上げると足先がでますし、寒い場合は靴下のように足先が隠れるまで包み込むという使い方ができます。
足首を温めるということは不眠対策として思った以上に効果的です。
6,眠る前に温かい飲み物を飲む
足先を温めるためにも眠る前に温かい飲み物をゆっくりと飲んでから眠ると体も温まり、気持ちもリラックスできるので安眠できます。
就寝前の飲み物としておすすめなのは、ホットミルクやホットココア、ホットジンジャーエール、カモミールティー、白湯などです。
これらの飲み物はカフェインが入っていませんので睡眠を妨げることがありません。
ホットミルクにはトリプトファンという成分があり睡眠物質であるセロトニンを作るために必要な物質です。
ココアにはデオブロミンという自律神経を整える物質があり、眠るために必要な副交感神経の優位を促進します。また疲労回復効果もあります。
ジンジャーエールと聞くと冷たい炭酸飲料を思い浮かべる人も多いでしょうが、温めて飲むことで睡眠には非常に効果的です。
生姜は体を温めるために有効ですし、炭酸を体内に入れることによって血流が良くなりますので、冷え対策として有効です。
カモミールティーは香りが良いので落ち着きが増し、リラックス効果も高いです。
家に何もない場合は、普通の白湯でも効果があります。
白湯は副交感神経を優位にさせますし、胃腸を落ち着かせるため、体の老廃物を排出しやすくなります。
もちろん体も温まりますので冷えで眠れない時の方法として試してみましょう。
7,アルコールの飲み過ぎは浅い睡眠になる
コーヒーや紅茶は眠る前に飲むと確かにリラックス効果があるのですが、これらに含まれるカフェインが交感神経を活性化させて軽く興奮状態になりますし、利尿効果がありますので夜中にトイレに行きたくなる可能性があり睡眠には向きません。
また、眠る前には軽くアルコールを飲んで布団に入るとすぐに眠ることができるので習慣にしている人がいますが、アルコールを飲むと体もぽかぽかしますし、眠気も出ますが、アルコールによる睡眠は深い睡眠にはならず、結果的に質の悪い睡眠になってしまいます。
また、アルコールが血中の水分を奪ってしまうので夜中にのどが渇いて起きてしまうことも多くなります。
足先が冷えて眠れないからとホットワインや日本酒などを寝酒に利用するのはやめましょう。
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日頃から足の冷えとりをする
足が冷えていることで眠れないということは、慢性的に足先が冷えている場合が多いものです。
眠る前に即効的に足を温めると言うのも方法ですが、体質を根本から変えていくことが足の冷えにも効果的ですし、良質な睡眠をとるためにも非常に重要になってきます。
冷え体質を改善するためにも生活習慣をもう一度見直してみましょう。
8,運動をする
運動をすることで血流が良くなり結果的に足先まで血が行き渡り冷え体質からの脱却につながります。
また、運動をすると体に筋肉が付くことで代謝が上がり、代謝が上がることで体温も上がることも期待できます。
さらに、日中に活動的に動いて自ら体温を上げることによって夜に眠る時に体が体温を下げるスイッチが入るので心地よい眠気が出ます。
運動することは冷え対策にもなりますし、入眠しやすい体質にもなるのです。
仕事でデスクワークが多く運動不足になったり、家にいることが多いという人は自ら意識して体を動かすことが大切です。
激しい運動は必要ありませんが、体のリズムを崩さないためにも日中は太陽の光を感じながら外を散歩したり、オフィスでも隙間時間にストレッチ運動をすると効果的です。
忙しい人や体の不自由な人でも椅子に座ったまま、かかとを上下に動かす運動など取り入れやすいのではないでしょうか?
スポーツジムやプールに通うことなどは少しハードルが高くなりますが、自分の家でできる運動や家事で掃除をいつもより1箇所多くするなど徐々に体を動かす習慣をつけましょう。
9,お腹の下をカイロで温める
慢性的な冷えの人は本来温かいはずの内臓まで冷えている人が多いです。
このためお腹を手のひらで触ってみて冷たいなと感じる人は腹巻をしたり、カイロなどでお腹の下を温めるようにしましょう。
体は足先を温めるより先に内臓を温めることを優先しますので足先を温めたい人は内臓を温めるべきです。
若い人に多いのですが、熱いからと薄着をしすぎるのは体にはよくありません。
10,食事で冷えを改善する
冷えを改善したい人は、物理的に冷たいものは体に入れないことが大切です。
アイスクリームやジュース、冷やした麺類などは冷えの体を作ります。
体内に入れるものは温かいか常温以上を心がけましょう。
また、白砂糖は体を冷やす食材であるとされています。
お菓子などを無意識に食べていると体はどんどん冷たくなります。
足の冷えが原因で眠れない場合は甘味料も白砂糖ではなく、はちみつや黒砂糖、きび砂糖、氷砂糖などを使うようにしましょう。
まとめ
足の冷えは、寝付けないと言うだけでなく、体にも悪影響を及ぼしてしまう深刻な症状です。
良質な睡眠を手に入れるためにも、眠れない体質を根本的に改善するためにも、足の冷え対策を習慣化していくといいでしょう。