
様々なストレスを抱えることの多い現代では、ゆっくりと睡眠時間を維持することが出来ずに、不眠症に悩みを感じている方も多くなっています。
不眠症の解消にはそれぞれ睡眠効果があるといわれるものがいくつかありますが、天然の薬草である「カモミール」にも、たくさんの睡眠効果があり、カモミールによって、安眠を取り戻している方も多くなっています。
ここでは、睡眠に効果があるといわれる「カモミール」について、その特性や効能、効果的な使い方など、詳しく見てみましょう。
カモミールってどんな植物?
カモミールはキク科の植物で、日本では「カミツレ」ともいわれている植物です。
カモミールの小さな白いマーガレットのような可憐な花は、古くは4000年以上も前のバビロニアの頃から、薬草として使われてきたともいわれています。
かの有名なクレオパトラも安眠のためや、髪の毛の手入れにも愛用していたようです。
また、様々な物語の中でも、カモミールティーを腹痛の解消のために飲むシーンが登場しています。私たちの生活の中でも、昔から身近な存在であったといえるでしょう。
カモミールには消炎効果があり、頭痛や婦人病、害虫予防などにも効果を発揮するといわれ、安眠やリラックス効果、ストレスの回避にも効果を期待が出来るために、ハーブティーとして楽しむ方も多くなっています。
カモミールの花言葉が「清楚・あなたを癒す」となっているのも頷けます。
カモミールは、ヨーロッパでは「マザーリーフ(母の薬草)」といわれることがあるだけに、お母さんのように穏やかに優しく効いてくるハーブとして、多くの方々から愛されています。
また、甘酸っぱいリンゴのような香りは人気も高く、語源はギリシャ語の「khamai melon(大地のリンゴ)」という意味です。
カモミールはハーブティーとして使用される他にも、アロマオイルなどいくつかの楽しみ方もあります。
カモミールは2種類ある
カモミールには大きく分けて2種類あり、「ジャーマン種」と「ローマン種」に分けられます。
それぞれの種類にも特徴がありますので、目的によって使い分けると良いでしょう。
・ジャーマン種(3~5月に開花)
1年草。抗炎症作用「アズレン」の含有量が多く、肌荒れや虫刺され、冷え性などにも効果的があります。甘酸っぱいリンゴのような香りが好まれ、ハーブとして、古くから利用されています。
・ローマン種(6~7月に開花)
多年草。鎮静作用のあり、フルーティな香りを放ちます。苦みもあるために、アロマオイルなどのように、香りを楽しむと良いでしょう。
ハーブティーとして使用するならば、苦みの少ない「ジャーマン種」がおすすめです。
ローマン種は、青リンゴのような香りを、花からだけではなく葉からも放ちますが、苦みが強いために、ハーブティーとしての利用は不向きだといえます。
しかし、リラックス効果が高くなりますので、入浴剤として香りを楽しむと良いでしょう。
どちらの種類のカモミールも、香りが高く不眠にも効果を発揮します。
効能について
カモミールの香りには、様々な効能があるといわれています。
その主なものは、
・不眠症の解消(睡眠を促す効果)
・体内時計の正常化
・ストレスの解消
・抗酸化、消炎効果
・消化の促進
・殺菌、アレルギー症状の緩和
・歯肉炎や口臭の予防
などです。
その中でも、特に睡眠の関係のあるものとして注目するものは、「不眠症の解消」と「体内時計の正常化」でしょう。
ある研究者の話によると、カモミールには睡眠薬と同じくらいの効果があり、使い方によっては、夜間にぐっすりと眠れるようになる分、日中の睡眠時間も減り、体内時計が正常に働きだす効果があるとされています。
不眠症にお悩みの方には、嬉しいハーブの1つであるといえるでしょう。
不眠症の方の効果的な摂り方
不眠症でお悩みの方にとっては、リラックス効果や睡眠効果があるといわれているカモミールを上手に使うことで、心地よい睡眠の確保にも効果を発揮させることが期待できます。
また、カモミールには精神を安定させる効果もあります。
不眠症でお悩みの方には、就寝前にハーブティーとして飲むことで精神も安定し、安心して睡眠できる効果を得ることが出来ます。
また、温かいカモミールのハーブティーを飲むことで、身体を温める効果や、女性特有の症状の緩和する働きがあるともいわれていますので、女性には嬉しいハーブの1つだといえるでしょう。
しかも、カモミールはノンカフェインですので、小さなお子さんからお年寄りまで、安心して一緒に楽しむことができます。
このようにカモミールはハーブならではの穏やか効き目で、様々なシーンで愛用されてきました。
但し、女性特有の症状に効果を発揮する嬉しさの反面、子宮を収縮させる作用もありますので、妊娠中の方は使用や服用を避けた方が良いでしょう。
カモミールティー
カモミールティーは、自宅で栽培したカモミールを乾燥させても、簡単に作ることが出来ますが、手軽に使用出来るティーバッグも販売されていますので、利用してみると良いでしょう。
カモミールティーには、精神を鎮めて安定させる効果があり、睡眠を促す効果を発揮します。
ハーブティーとしてカモミールを飲むことによって、香りと風味の
両方を一度に楽しむことが出来ます。
カモミールには、大きく分けて2つの種類がありますが、ハーブティーには、苦みの少ないジャーマンカモミールが使われることが多くなっています。
入浴剤
カモミールは、入浴剤として使用することでも、リラックス効果を発揮します。
また、身体を温める効果もありますので、ぬるめのお湯にカモミールの入浴剤を浮かべて入ると、身も心もくつろぐことが出来ます。
カモミールには肌の調子を整える効果もありますので、一石二鳥だといえるでしょう。
カモミールを使用する時の注意
カモミールはキク科の植物ですので、キク科植物にアレルギーをお持ちの方には、使用することができません。
また、子宮を収縮させる作用がありますので、妊娠中の方は服用しないようにしましょう。
利尿作用も高くなっていますので、就寝前にたくさん飲んでしまうと、夜中にトイレに行きたくなってしまうこともあり、逆に眠りを妨げられてしまいますので注意が必要です。
カモミールのアロマオイルなどにも、ハーブティーと同様に、睡眠を促し不眠解消などの効果がありますので、トイレが心配な方は、枕元で香りを楽しむのも良いでしょう。
但し、カモミールを高濃度で使用すると、人によっては頭痛や吐き気を催すこともあります。
まとめ
不眠症の解消に効果的だといわれるカモミールですが、古くから多くの方々に愛用されてきました。
効き目が穏やかな上に、毎日愛飲しても副作用がほとんどないことも嬉しいものです。
自宅で栽培したカモミールを乾燥させて、ハーブとして香りを楽しんだり、ハーブティーにして楽しんだりすることも出来ますが、お茶にする場合には、苦みの少ないジャーマン種の方が良いでしょう。
不眠にお悩みの方にとっては、体内時計の修正や不眠の解消に効果がありますのでとても効果的ですが、ハーブティーには利尿作用もありますので、就寝前の飲み過ぎには気を付けましょう。
効き目が穏やかですので、お子様からお年寄りまで使用できますし、授乳中であっても安心して楽しむことが出来ます。
しかし、婦人科系の疾患にも効果を発揮する反面、子宮の収縮を促すこともありますので、妊娠中には使用しないように気を付けましょう。