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睡眠薬「アモバン錠」も効かない時がある?強さと効果・副作用の知識

睡眠薬「アモバン」も効かない時がある?強さと効果・副作用の知識

アモバン(成分名:ゾピクロン)とは非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬で、1989年に販売が開始されたという睡眠薬の中でも古い歴史をもつお薬です。

即効性があり副作用が少ないのが特徴となっていますが、不眠症に悩まされてアモバンを服用している方の中には「アモバンは効かない」「効果が弱い」と感じている方もいるようです。

ではそもそも、アモバンとはどのような睡眠薬でどのような症状の不眠症に効果があるのでしょうか。

アモバンの強さと効果、副作用などをご紹介していきます。

アモバンとは

「アモバン」は非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬で、効き目が速い超短時間型のお薬です。

従来のものよりも催眠作用に特化しており、副作用も少なく依存性も低い、安全性の高い睡眠薬となっています。

布団に入ってもなかなか寝つけない「入眠障害」にとくに高い効果を発揮するお薬です。

現在では、アモバンを改良した「ルネスタ」や、ジェネリック医薬品も発売されています。

 

アモバンの作用機序(作用する仕組み)

アモバンの作用機序(作用する仕組み)

 

現在日本で認可されている睡眠薬には、

 

・強力な睡眠効果をもっている反面リスクも大きい「バルビツール酸系睡眠薬」

・高い催眠作用と安全性で不眠の症状によって使い分けられる「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」

・ベンゾジアゼピン系を改良して副作用を軽減し睡眠作用に特化した「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」

・メラトニン受容体に働きかけて自然な眠気を促す「メラトニン受容体作動薬」・

・覚醒に大きく関わるオレキシンの働きをブロックして眠りに導く「オレキシン受容体拮抗薬」

 

の5種類があります。

そしてアモバンは非ベンゾジアゼピン系に分類されます。

ベンゾジアゼピン系と非ベンゾシアゼピン系の基本的な作用機序は同じです。

アモバンが「ベンゾジアゼピン受容体」と結合することによって、「GABA(ガンマアミノ酪酸)」も「GABA受容体」と結合しやすくなり、GABAの作用を強められるのです。

GABAとは脳内での情報伝達の役目をもつ神経伝達物質で、脳の神経細胞の活動を抑える作用があります。

ストレスを和らげてリラックスさせる物質としても知られています。

GABA受容体には、「抗不安作用」「催眠作用」「筋弛緩作用」「抗けいれん作用」と4つの作用があり、ベンゾジアゼピン系睡眠薬はGABAの働きを強める事でこれらの効果を発揮するのです。

 

非ベンゾジアゼピン系では何が改良されたのか?

非ベンゾジアゼピン系では何が改良されたのか?

 

ベンゾジアゼピン受容体は「ω1受容体」と「ω2受容体」という細かなタイプ(サブタイプ)に分かれており、ω1受容体は催眠作用と鎮静作用に、ω2受容体は筋弛緩作用や抗不安作用や抗けいれん作用に関わっています。

ベンゾジアゼピン系は、ω1受容体とω2受容体のどちらにも結合するため、睡眠作用だけでなく筋弛緩作用や抗不安作用や抗けいれん作用にも期待できます。

不安を和らげて筋肉を緩める効果があるので、ストレスなど神経性の不眠にはとくに効果があります。

しかし、筋弛緩作用による副作用も出やすく、ふらつきや転倒などによってケガをするリスクも少なくありません。

アモバンのような非ベンゾジアゼピン系は、催眠作用と鎮静作用に関わっているω1受容体のみに結合します。

ω2受容体とは結合しないので、ふらつきなどの副作用が軽減して転倒や骨折といったリスクも少なくなります。

そのため、高齢者にも使いやすい睡眠薬となっています。

つまり、ベンゾジアゼピン系は多くの作用を持ち神経性の不眠に強い睡眠薬で、非ベンゾジアゼピン系は眠ることだけに特化した副作用の少ない睡眠薬ということです。

 

アモバンの効果(作用時間・強さ)

アモバンの効果(作用時間・強さ)

 

作用時間

睡眠薬の効果は、効き目が現れるまでの時間とその効果が続く時間(作用時間)の長さ、この2つで考える必要があります。

薬は、成分の血中濃度が高くなると効き目が現れてきます。

そして、薬の濃度が半分になるまでにかかる時間を半減期といい、薬の作用時間の長さの目安となります。

アモバンは、服用してから1時間ほどで血中濃度がピークになります。

その後、寝ている間に薬の効果が少しずつ薄れていき、4時間後には薬の濃度は半分になっています。

つまりアモバンの半減期は4時間ということです。

睡眠薬は、半減期が2~4時間の「超短時間型」、半減期が6~10時間の「短時間型」、半減期が12~24時間の「中時間型」、半減期が24時間以上の「長時間型」と大きく4つに分類されますので、アモバンは超短時間型の睡眠薬という事になります。

アモバンを寝る前に服用した場合、15~20分後には眠気が訪れますので、布団に入ってもなかなか寝つけない「入眠障害」にはかなり効果的だと言えます。

不眠症には、夜中に目覚めてしまう「中途覚醒」や、朝早くに目が覚めてしまう「早朝覚醒」もありますが、寝つきをスムーズにすることに長けているアモバンでは効果は期待できません。

作用時間は4時間ほどですので、朝方には身体から抜けきってしまっています。

人によっては中途覚醒にそれなりの効果が認められるケースもあるのですが、アモバンは入眠障害にこそ真価を発揮する睡眠薬だと思ってください。

効き目が現れるのは速いので、寝る直前に服用するようにしましょう。

 

強さ

アモバンは非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬ですので、ベンゾジアゼピン受容体に穏やかに作用します。

そのため強さは「普通」で、バルビツール酸系睡眠薬やベンゾジアゼピン系睡眠薬よりも弱く、メラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬よりは強い、といったところでしょうか。

とはいえ、睡眠薬の効果には個人差が大きく関わってきますので、同じ量を飲んでも効く人もいれば効かないと感じる人もいます。

アモバンの服用は7.5mgからスタートして10mgまで増量できますから、効かないと感じる人は少しずつ増やしてみるのもいいでしょう。

 

アモバンの特徴

アモバンの特徴

 

メリット

アモバンの第一のメリットは即効性です。

飲み続けることで効果が出るという睡眠薬ではなく、飲んだその日からすぐに眠らせてくれる、入眠障害で悩んでいる方向けのお薬です。

中途覚醒にはあまり効果がありませんが、改善したというケースもあるようです。

また、深い睡眠を増やす作用もありますので、眠りが深くなって睡眠の質が良くなります。

そして、アモバンは超短時間型の睡眠薬ですから作用時間も4時間と短く、朝方には身体から抜け切っています。

そのため、翌朝まで効果が続くこともなく、朝起きても眠気が残っているといった症状は少ないと言えます。

さらに、アモバンには副作用が少ないというメリットもあります。

非ベンゾジアゼピン系は催眠作用と鎮静作用に関係しているω1受容体のみに結合するので、筋弛緩作用によるふらつきなどがなく、転倒する危険性の高い高齢者の方にもオススメできる睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べて依存が形成されにくいのもメリットと言えるでしょう。

 

デメリット

デメリットとしては、「効果が普通」というのが挙げられます。

アモバンは、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の中では効果が強い印象ですが、ベンゾジアゼピン受容体に穏やかに作用するため、ベンゾジアゼピン系睡眠薬と比較すると睡眠効果はそれほど強くありません。

そして、入眠障害に特化した睡眠薬ですので作用時間が短く、中途覚醒や早朝覚醒には効果が期待できません。

また、短時間で急激に作用するお薬のため、「もうろう状態」や「一過性前向性健忘」といった副作用がみられる場合があります。

アモバンは比較的耐性や依存性が低い睡眠薬ではありますが、服用を長期にわたって続けたり増量しすぎると耐性や依存性といった副作用が生じる場合もあり得ます。

そして何より、アモバン独特のデメリットと言えるのは「苦味」です。

この苦味の副作用は、アモバンの改良版であるルネスタにも多少あるようです。

 

アモバンの副作用

アモバンの副作用

 

苦味

アモバンの最大の副作用は、何と言っても独特な苦味です。

アモバンの添付文書にも、他の副作用はすべて1%以下であるのに対して、苦味の副作用の報告は4.18%と記載されています。

この苦味はアモバンに含まれている成分からくるものらしいのですが、どの成分なのかは明らかになっていません。

しかも、飲んだ時だけ苦いのではなく、翌日の起床後や日中まで残ってしまうようです。

この苦味の原因は薬の成分ですので、根本的な解決方法はありません。

苦味を感じる程度は人それぞれで、我慢できないほどではないと言う方も多いのですが、どうしても我慢できない場合はアモバンを減量するか別の睡眠薬に切り替えるしかないでしょう。

 

健忘

アモバンのように短時間で急激に作用する睡眠薬には、自分では覚えていないのに誰かに電話していたり、お菓子を食べ散らかしていたりと、服用した後に記憶がなくなってしまう「前向性健忘」という副作用が生じる場合があります。

これは、睡眠薬が脳を中途半端な覚醒状態にしてしまい、記憶に関わる部分の機能だけが落ちてしまうためです。

健忘が起きるのは、急激に作用する睡眠薬を服用した時や睡眠薬の量が多かった時、アルコールと睡眠薬を併用した時などに見受けられます。

アモバンのような超短時間型の睡眠薬は効き目が現れるのが速いので、飲んだらすぐに布団に入るようにして、絶対にアルコールと一緒に飲まないようにしましょう。

それでも改善されない時には、服用する量を減らすか、超短時間型ではない作用時間の長いタイプの睡眠薬に変える必要があります。

 

依存性

稀ではありますが、
アモバンも長期間の服用によって少しずつ薬物依存が形成されていきます。

また、急に服用を止めると、かえって不眠が強まってしまう「反跳性不眠」のような離脱症状が現れる事もあります。

習慣のように長期的に使用することは避けて、服用を止める時は量を少しずつ減らしていきましょう。

 

アモバンが効かない場合って?

アモバンが効かない場合って?

 

アモバンは、7.5mgと10mgの2種類の錠剤が販売されています。

添付文章では、アモバン7.5mgから使用することが勧められていますが、人によっては半分の3.75mgでも充分な効果があります。

まずは
3.75mgや7.5mgといった少量から始めてください。

アモバンは即効性のある睡眠薬ですので、効果があるかどうかはすぐに判断できます。

10mgまでは増量できますから、少ない量では効かないと感じたら少しずつ増やしていきましょう。

それでも効かない場合は、睡眠薬を変えてみてください。

アモバンは寝つきの悪い入眠障害に対して真価を発揮する超短時間型の睡眠薬ですので、中途覚醒や早朝覚醒などの不眠症でお困りの場合は、作用時間の長いお薬に変更する方が効果的です。

 

アモバンを服用する際の注意事項とは

アモバンを服用する際の注意事項とは

 

アモバンの服用に制限がある方

ゾピクロンやエスゾピクロンに対してアレルギー反応を起こしたことのある方、重症筋無力症の方、急性狭隅角緑内障の方はアモバンを使用する事ができません。

肺性心や肺気腫、呼吸機能が高度に低下している方も原則的には使用が禁止されています。

医師の判断によってのみ処方される場合があります。

肝臓や腎臓に障害がある方、脳に器質的障害がある方、身体が衰弱している方、心臓に障害がある方は、アモバンの作用が強く出てしまう事や症状が悪化する場合がありますので、必ず医師や薬剤師に報告して、服用には充分な注意を払いましょう。

また、運動失調や副作用が出やすい高齢者の方も使用する際には注意して、服用する量は3.75mgから始めてください。

妊娠中の方や小児に対する安全性は確立されていませんので、医師が判断した場合以外の服用は避けましょう。

 

アモバンとアルコール

アモバンとアルコールの併用は絶対にやめましょう。

アルコールの中枢神経抑制作用が強くなって、薬が効きすぎてしまう危険性があります。

アモバンは、脳の機能や中枢神経を抑制することで眠りを誘う睡眠薬です。

そしてアルコールも中枢神経に影響を及ぼして麻痺させます。

睡眠薬とアルコールを併用すると、お互いの作用を強めてしまい、脳を必要以上に眠らせてしまう事も考えられるのです。

これは、耐性や依存性の形成につながります。

アルコールには強い耐性や依存性があり、アモバンにもアルコールよりはるかに弱いとはいえ耐性や依存性があります。

併用する事でお互いの血中濃度を強くしてしまうため、耐性や依存形成が急速に進みやすくなるのです。

さらに、超短時間型の睡眠薬にみられる健忘の副作用も起こりやすくなります。

アモバンに限らず、睡眠薬を飲んでいる期間は禁酒を心がけてください。

 

まとめ

アモバンは、布団に入ってもなかなか寝つけない入眠障害に有効な即効性のある睡眠薬です。

 

アモバンは、布団に入ってもなかなか寝つけない入眠障害に有効な即効性のある睡眠薬です。

飲んですぐに効果が現れるので、効くか効かないか、自分に合ってるかどうかが判断しやすいお薬だと言えます。

そして、睡眠障害でとくに多いのは寝つけないという症状ですが、単に寝つきが悪いだけ、体内時計に乱れが生じている、ストレスなど心因性のものなど、寝つけない理由には色々あります。

眠れない原因がどこにあるのかをまず考えて、根本的に解決できるような対策を見つける事が重要です。

睡眠薬はとりあえず睡眠を確保するための短期的な処置と心得て、不眠症などの睡眠障害は生活習慣や食事内容の見直しで改善していきましょう。

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