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なぜ睡眠不足だとニキビができるのか?原因と5つの対策

  • 最終更新日:2017.06.20
  • 公開日:2017.06.19
なぜ睡眠不足だとニキビができるのか?原因と5つの対策

大人になってからのニキビは、思春期のニキビと違って再発しやすく、ニキビ跡も残ってさらにはシミになってしまう厄介なものですね。

実は、ニキビができやすいのは睡眠不足やストレスなどで生活習慣が乱れた時だと言われるほど、ニキビと睡眠には深い関わりがあるのです。

「ストレスもなくしっかり眠ってるのにニキビができた」という方は、睡眠の内容に問題があるのかもしれません。

この先ニキビで悩まないために、睡眠について見直してみませんか。

睡眠不足になると身体の中でどんな良くない事が起きるのか、お肌にどのような悪影響を及ぼすのか、睡眠不足を改善するにはどうすればいいのか、などをご紹介していきますので是非参考にしてください。

睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が減る

睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が減る

 

私たちのお肌は、睡眠中に「成長ホルモン」が分泌されることで生まれ変わります。

成長ホルモンとはアミノ酸で構成される物質で、主な働きには「成長に関する働き」と「代謝をコントロールする働き」の2つがあります。

たとえば身長が伸びるのは成長ホルモンの働きによるものですし、ケガや疲労を修復したり再生するのも成長ホルモンの力です。

そして、修復や再生の働きは美肌やアンチエイジングにも作用しています。

成長ホルモンはお肌の新陳代謝を活発化させてくれ、血流を良くして老廃物が排出されやすくし、お肌のターンオーバーをスムーズにしてくれます。

つまり、お肌が定期的に新しい肌へと生まれ変わるには正常にターンオーバーする必要があり、正常なターンオーバーのためには成長ホルモンが必要不可欠で、成長ホルモンが分泌されるには睡眠が欠かせないということです。

 

成長ホルモンが最も多く分泌される時間とは

成長ホルモンが最も多く分泌される時間とは

 

睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」という性質の違う2つの睡眠があり、成長ホルモンが分泌されるのはノンレム睡眠の時です。

ノンレム睡眠とは「脳の休息と体のメンテナスのための睡眠」で、浅い睡眠状態の「ステージ1」から深い睡眠状態の「ステージ4」までの4段階に分けられ、深い睡眠状態のステージ3とステージ4は合わせて「徐波睡眠(じょはすいみん)」と呼ばれています。

成長ホルモンが分泌されるのはこの徐波睡眠の時です。

それも入眠後の30分後~1時間後から約3時間まで、つまり眠りについて一番最初に迎える徐波睡眠中に最も多くの成長ホルモンが分泌されます。

その後、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しながら朝の目覚めを迎えます。

成長ホルモンは、ノンレム睡眠が訪れるたびに徐々にその量を減らしながら分泌されて、目覚める頃には分泌はほぼ止まります。

このように、お肌のためには深いノンレム睡眠が訪れることが大事なのですが、睡眠の質によっては眠りが浅くなることもあります。

不眠症など睡眠障害になってしまうと、さらに眠りの質は低下します。

すると、成長ホルモンが分泌されにくくなって正常なターンオーバーも行えなくなるのです。

 

正常なターンオーバーとは

正常なターンオーバーとは

 

大人になってからのニキビは、ターンオーバー(肌の新陳代謝・肌の生まれ変わり)のリズムが崩れることに起因しています。

睡眠不足が続いて成長ホルモンが充分に分泌されなくなると、ターンオーバーのリズムは乱れて正常に行われなくなり、肌が生まれ変わることもなく、古い角質はいつまでもお肌に残ってしまいます。

古い角質は厚みを増してさらに分厚くなっていき、やがてその周辺の毛穴をふさいで詰まらせてしまうのです。

これが大人ニキビの最も大きな原因です。

ターンオーバーの周期には個人差があり年齢によっても変わってきます。

肌のくすみやシミが増えたなどの症状が現れたら、ターンオーバーの機能が低下しているサインだと見逃さないようにしてください。

ターンオーバーのサイクルは、遅すぎても早すぎても肌トラブルを起こす原因となってしまいます。

ですから、正常なターンオーバーを行うためには、深い眠りを伴う良質な睡眠が必要不可欠なのです。

不眠症の方もそうでない方も、ご自分の睡眠の質を今一度見直してみましょう。

 

睡眠不足になると自律神経のバランスが乱れる

睡眠不足になると自律神経のバランスが乱れる

 

自律神経とは、内臓を動かしたり血液を流したりなど、自分の意思に関係なく体の機能をコントロールしている神経のことです。

自律神経には、活動している時や緊張している時に作用する「交感神経(活動モード)」と、リラックスしている時や眠っている時に作用する「副交感神経(休息モード)」があります。

私たちは、この2つの自律神経がバランスよく作用することで、毎日を健康的に過ごすことができるのです。

また、睡眠と関係が深いのは副交感神経なのですが、眠っているから副交感神経しか働いていないというわけではありません。

たとえば仕事中なら、交感神経が70%で副交感神経が30%という人もいれば、交感神経が50%で副交感神経も50%という人もいます。

同じく睡眠にしても、しっかり眠れている人の副交感神経が90%とすれば、眠りが浅い人の副交感神経は30%や20%かもしれません。

よく言われる「副交感神経(交感神経)が優位に立つ」とはこの%の割合のことで、数値が大きい方が優位に立っている状態です。

本来、寝ている時は副交感神経が優位に立っていなければなりません。

そのためには、質の良い深い眠りが必要です。

そして、日中に交感神経が働いたぶん、夜は副交感神経が働かなければバランスが取れません。

睡眠不足、不眠症、睡眠障害などは、寝るべき時にしっかり眠れないため自律神経のバランスが乱れている状態なのです。

 

ニキビと自律神経の関係とは

大人になってからできるニキビ、とくにUゾーンにできるニキビは、男性ホルモンの働きによって引き起こされていると考えられます。

男性ホルモンは男性だけが持っているホルモンだと思われがちですが、女性の体内でも男性ホルモンは作られています。

男性ホルモンには、アクネ菌の大好物である皮脂の分泌量を増やして、角質を分厚く硬くする働きがあります。

そのため毛穴がふさがれて詰まりやすくなりニキビもできやすくなります。

その男性ホルモンが体内で増えすぎると、大人ニキビができる原因になってしまうのです。

では、なぜ体内で男性ホルモンが増え過ぎてしまうのでしょう。

それは自律神経の乱れからくるものです。

不規則な生活による睡眠不足やストレスによって、身体全体が緊張状態・興奮状態になり、交感神経が活発に働くようになります。

交感神経には男性ホルモンの分泌を促す作用がありますので、活発に働く状態が長く続けば男性ホルモンの分泌量が増えて、結果的に男性ホルモンの方が優位な体質になってしまうということです。

男性ホルモンの増えすぎを抑えてニキビを治すには、まずしっかり睡眠をとって、夜は副交感神経が優位になるよう自律神経のバランスを整えましょう。
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睡眠不足になると免疫力が低下する

睡眠不足になると免疫力が低下する

 

体内の免疫細胞は、副交感神経が優位になっている状態、睡眠中に生成されます。

そして免疫細胞が最も活性化するのも睡眠中です。

とくに熟睡している時は血管が広がって血液が流れやすくなっているので、免疫細胞の生成には最良の状態と言えます。

つまり、免疫細胞は寝ている間に作られるわけですから、睡眠不足になると当然のごとく免疫力が低下します。

免疫力が低下すると、身体に降りかかる様々な攻撃から身を守れなくなり病気や体調不良を起こします。

もちろんお肌も例外ではありません。

免疫機能の低下は、アクネ菌の増殖を止めることができず、ニキビの炎症を悪化させてしまうことになるのです。

治りが遅くなって長引くと、赤みや炎症の影響からニキビ跡が残ることもあります。

免疫機能の低下は、お肌だけでなく身体全体の抵抗力を失ってしまうことです。

ニキビにも病気にも立ち向かえるよう、良質な睡眠をとって免疫力を高めてください。

 

お肌のゴールデンタイムとは

お肌のゴールデンタイムとは

 

これまで、22時~2時に寝ることがお肌にいいと言われていましたが、それは昔のライフスタイルからの由縁で科学的な根拠はないようです。

とはいえ、お肌のゴールデンタイムがないわけではありません。

お肌のために重要な成長ホルモンは、入眠して約30分~1時間後以降に最も多く分泌され、徐々に分泌量は減っていきます。

睡眠中はレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返していますが、その睡眠サイクルは多少の個人差はあるものの1サイクルにつき約90分と言われています。

そして、お肌のゴールデンタイムは睡眠サイクルの2回分、つまり180分で、入眠から3時間となります。

睡眠サイクルの1回目と2回目はノンレム睡眠の割合が多く、深い眠りの徐波睡眠と呼ばれる状態で、成長ホルモンの分泌がピークになるためです。

この入眠後3時間により多くの成長ホルモンが分泌されるよう、深く良質な睡眠をとることがお肌にとって重要なのです。

ですが、何時に寝てもいいと言うわけではありません。

私たち人間には体内時計が備わっています。

これは太古から受け継がれてきた、昼は活動して夜は寝るという遺伝子レベルの睡眠リズムです。

人間は意識しなくても22~26時には自然に眠くなるように作られていて、この時間帯に眠ることで身体全体の疲れを回復したり、ケガなどで破損した部分を修復する効率が高くなるのです。

ですから、ニキビに悩まされないお肌づくりのためには、この22~26時のどこかで深い眠りに入っていることが重要なポイントです。

 

睡眠不足を改善する5つの対策

睡眠不足を改善する5つの対策

1,朝日を浴びてメラトニンの分泌を促す

質の良い睡眠を得るためには、睡眠ホルモンとも呼ばれる「メラトニン」の分泌を促すことが重要です。

朝起きたら、まずはカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。

朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、脳は約14~16時間後に眠くなるホルモンであるメラトニンが分泌されるよう指示を出します。

それが朝の7時であれば、夜の10時頃からメラトニンの分泌が始まり、脳や身体は眠るための準備を始めます。

そして蓄積されたメラトニンはさらに眠気を誘って自然な眠りへと入ることができるのです。

この「自然な眠り」というのが重要で、深い眠りのためには必要不可欠なものです。

睡眠不足が続いたり、不眠症や睡眠障害で眠れない人は、とにかく眠らなければという意識から薬や睡眠導入剤を使用することもあるでしょうが、浅い眠りしか得られずに朝起きてもスッキリしない場合が多いものです。

また、倦怠感や脱力感、集中力の低下などの副作用も考えられます。

質の良い睡眠をとるには、毎朝同じ時間に起きて同じ時間に寝るという生活リズムから整えていくことが大事なのです。
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>>睡眠ホルモン「メラトニン」の効用と効果的な補い方

 

2,スマホやパソコンの画面を見るのは寝る1時間前まで

睡眠時には、副交感神経が優位に立ったリラックス状態でなければ深く良質な睡眠は得られません。

スマホやパソコンなどは交感神経を刺激して自然な眠りから遠ざけてしまいます。

また、スマトホの発するブルーライトやテレビの強い光、夜間のコンビニの明るい照明などを受けることで、メラトニンの分泌量は減ってしまいます。

なるべく寝る1時間前には眠るための準備をしましょう。

寝室は間接照明に切り替えるなどで暗めにして、スマホやパソコンの画面も消して、ぐっすり眠れるようメラトニンの分泌を促してください。
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3,食事は寝る3時間前までに済ませる

夕食の時間が遅すぎると、食べ物を消化しきれないうちに眠ることになってしまいます。

消化するために内蔵は活発に働きますので、たとえ布団に入ってウトウトしていても、その間胃や腸は活動しています。

その状態では身体は休息モードに入れず、深い眠りにつくことが出来なくなります。

また、睡眠中の内蔵の働きは起きている時ほど活発ではないため、食べ物が消化しきれずに胃の中に残ってしまうこともあり肌荒れの原因にもなります。

寝るまでに充分な時間がない時は、なるべく消化に時間のかからないものを食べるようにしましょう。

 

4,寝る前のアルコールやコーヒーは避ける

すぐ眠れるように寝酒を飲むと聞くことがありますが、過度なアルコールはかえって眠りを浅くします。

利尿効果もあるためトイレが近くなり、夜中に起きてしまうこともあります。

グラスに軽く1杯ぐらいの寝酒なら良いのですが、しっかり眠るためには飲み過ぎないように注意しましょう。

また、ご存知のようにコーヒーには覚醒効果があり、コーヒーに含まれるカフェインは肌荒れやニキビを作る原因になると言われています。

それは、カフェインには胃酸を過剰に分泌させる働きがあるからです。

そのため空腹時などに飲むと胃が荒れてしまいます。

ですが食後にコーヒーを飲めば、胃酸の分泌によって消化が促進されるためカフェインが良い方に傾きアンチエイジング効果が期待できます。

 

5,睡眠とニキビのために適度な運動をする

日中に適度に身体を動かすことは、良質な睡眠を得るために効果的です。

そして、運動をすることで血行も良くなるため、血液の中の代謝に必要な酸素や栄養素が全身に行き渡ります。

するとお肌のターンオーバーも活性化して、ニキビや肌荒れなどの予防にもつながるのです。

とくに、睡眠不足が続いている方やもともと不眠症の方、寝付きが悪かったり夜中に目覚めるといった睡眠障害で悩んでいる方は、睡眠のためにもお肌のためにも、ジョギングやウォーキングなど軽い運動から始めてみませんか。
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>>不眠症を解消する睡眠によい運動方法

まとめ

まとめ

 

睡眠不足は、厄介な大人ニキビを作ってしまう原因になるだけではありません。

寝不足によって成長ホルモンの分泌が減り、自律神経のバランスが乱れて、免疫力も低下するため、重い病気になってしまう要因も作ってしまうのです。

不眠症や睡眠障害になって病気を呼び込んでしまうこともあります。

大人ニキビができたら、それは睡眠不足のサインだと思って今一度ご自分の睡眠の質を見直してみましょう。

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