ABC朝日 みんなの家庭の医学「今夜から実践!名医が教える睡眠法で不調解消SP」番組内容とまとめ
- 最終更新日:2017.04.01
- 公開日:2017.03.28

たけしの健康エンターテイメント!
2015年6月2日(火)放送
<司会>
・ビートたけし
・斎藤真美
放送のテーマは「高血糖と睡眠の関係」です。
日本人の6人に1人は予備軍も含めると糖尿病といわれていますが、質の悪い睡眠を摂っていると睡眠中に血糖値が上昇してしまうというのです。
睡眠と血糖値の関係とはどんなものか?
また、高血糖を防ぐためにはどんな睡眠方法をとったほうがいいのか?
番組内容の概要と、気になる症状やワードについて更に調べたことをまとめてみました。
この記事の目次
不眠症が高血糖の原因?良い睡眠が血糖値を下げる!
食生活などには気をつけているつもりでいても、健康診断で血糖値が高くなったと言われた方もいるでしょう。
年齢のせいやアルコールの摂取など血糖値が上がる原因は様々です。
しかし皆さんの中に血糖値と睡眠の関係を知っていると言う方は少ないのではないでしょうか?
血糖値と睡眠は双方密接な関係があり、比例的な作用があると言います。
睡眠と血糖値について、ここでは紹介していくことにしましょう。
高血糖は睡眠の質が原因だった?
高血糖は、国民の6人に1人が発症している病気です。総数2000万人以上が患っているとさえ言われています。
高血糖は合併症も多く、何とかしたい病気の一つでもありますが、実は睡眠と深い関係があります。
良い睡眠を取っていると血糖値は下がり反対に、悪い睡眠が血糖値を上げてしまうと言うのです。
睡眠医療の重鎮としても知られている愛知医科大学病院、睡眠科教授の塩見先生は睡眠の質そのものが低下することで、血糖値が上昇するという【夜間高血糖】の研究結果を明らかにしています。
血糖値を上げてしまう、悪い眠り方と言うのはいったいどのような眠りなのでしょうか?
また、本当に睡眠を変えることで血糖値を下げることはできるのでしょうか?
ここで詳しく見ていくことにしましょう。
夜間高血糖の状態とは?
夜間高血糖とは、どのような状態を指すのでしょうか?
これは眠っている間の血糖値が知らず知らずのうちに、上昇したままになってしまう現象です。
通常人は血糖値が上昇する時、一気に上昇してしまうことを避けるため、インスリンが分泌されています。
その一方ノルアドレナリンというホルモンは血糖値を上げるための働きを持っています。
活発的に動いている時間帯はノルアドレナリンがたくさん分泌されていますが、眠る時間が近づくにつれて分泌量は減っていきます。
ところが睡眠サイクルが乱れている場合、眠っている間にもこのノルアドレナリンの分泌が継続されてしまい、結果として血糖値が下がらない状態が続くのです。
これこそが、夜間高血糖と言う現象です!
悪い眠りが血糖値を上げる
健康的で良い眠りというのは夜の10時から11時の間には熟睡状態となり、その後午前0時を迎える頃には血糖値が徐々に低下します。
そして眠っている間は血糖値が低い状態がそのまま続き、起床時間となる午前6時から7時くらいになると少しずつ増えてきます。
ところが悪い眠りを繰り返している方の場合、睡眠中でも血糖値の上昇がみられます。
夜間高血糖はとっても危険
夜間高血糖は前述の通り、眠っている間にも血糖値の高い状態が続いてしまうことを言います。
先ほどもお話した通り血糖値を下げるためにはインスリンが働かなくてはなりませんので、夜間高血糖の場合、眠っている間にも大量のインスリンを分泌していることになります。
膵臓は夜間も働き続けることになってしまうのです。
このような日々が続けば続くほどに膵臓はどんどん酷使されてしまい、インスリンの分泌量は低下していきます。
その結果、糖尿病を発症してしまうのです。
北海道大学の調べによると、実際に糖尿病を患っている患者さんは7時間以上眠っている方に比べ、5時間以下しか眠っていない方が5.4倍も多いことが明らかとなっています。
良い睡眠と血糖値の関係
良い睡眠と血糖値の関係は相互関係を持ち、非常に深いことが分かります。
とはいえ良い睡眠というのがどんなものかわからないと言う方も多いのではないでしょうか?
夜間高血糖の人に見られる睡眠リズムを例に良い睡眠について見ていくことにしましょう。
夜間高血糖の人に多い睡眠のリズム
夜間高血糖の人に多い睡眠リズムは、何よりも睡眠時間が短いことです。
一般の方の平均的な睡眠時間は7時間から8時間であるのに対し、夜間高血糖の方の睡眠時間は5時間以下のケースが多くなっています。
しっかりと熟睡し始めてから朝起きる時間が近づくまで血糖値が低い状態が続くのではなく、夜中の2時、夜中の3時といった時間帯から血糖値の上昇が見られるため、お腹が空いて早く目が覚めてしまうことが理由にあるようです。
朝早く目が覚めてしまう、中途覚醒などの不眠症をお持ちの方は夜間高血糖が原因かもしれません。
睡眠時間が短いと血糖値が上がる
実際に今までよりも睡眠時間を1時間減らした生活を約1週間し続けると、それだけで血糖値が10前後も上昇してしまうことがわかっています。
これだけ血糖値と睡眠には大きな関係があるのです。
そのため常に睡眠時間の短い生活を続ければ続けるほど血糖値の上昇が続き、膵臓の機能低下、さらには膵臓の疾病、糖尿病、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞等を発症してしまうリスクが高くなります。
不眠症で睡眠時間が短くなればなるほど、高血糖のリスクが高まってしまいます。
夜間高血糖を防ぐための睡眠方法
夜間高血糖を防いでいくための睡眠方法は、どんなものがあるのでしょうか?
眠っている間に高血糖が続いてしまえば自分では自覚がないまま、糖尿病へと一歩ずつ近づいてしまうことになります。
そのため不眠に悩まされている方や血糖値が高くなってきたという方は、生活習慣に気をつけながら正しい睡眠を取り入れていく必要があります。
眠る時間を増やす
夜間高血糖を防いでいくためには、眠る時間を増やすのが一番です。
4時間から5時間程度しか眠っていない方は、7時間から8時間の睡眠を目指しましょう。
しっかり眠ることによって、体も脳も十分に休めることができます。
このような日々を続けることで夜は体を休めるために眠る、そして朝になれば活動するために起きるといったサイクルが身についてきます。
これに伴い、血糖値の数値もやがて安定していきます。
ただし、9時間以上眠ってしまうことは、夜間高血糖になってしまうリスクが高くなりますので、眠り過ぎにも注意が必要です。
7時間から8時間を目標に睡眠を心がけていきましょう。
質の良い睡眠を取るための食事
もちろん良質な睡眠を心がけるためには、食生活に気を配ることも大切です。
眠る前になって炭水化物をたくさん摂取してしまうと言った食生活は、インスリンが分泌される前に血糖値が上昇したままの状態で眠ることになります。
そうなると、眠っている間にインスリンが分泌され、血糖値を下げようとしますので膵臓の働きはどんどん低下してしまいます。
膵臓は眠れる臓器とも言われています。
そのため正常な働きを維持し、夜間高血糖や糖尿病の発症を予防するためにも食生活の時間に気を配りましょう。
また、眠るために邪魔になることのない消化の良い食事を心がけていくことも大切と言えるでしょう。
短期間の継続でもある程度効果が見られるケースが多い
睡眠時間を7時間から8時間で安定させる事は、夜間高血糖の改善に最も効果的だとされています。
いくつかの医療機関などで実際に検証が行われていますが、睡眠時間を適切にした生活を10日間続けるだけでも夜間高血糖に改善が見られました。
仕事やプライベートで忙しい事情があっても、まずは睡眠サイクル安定させることを優先していきましょう。
まとめ
毎日5時間しか眠れていない、不眠症で悩んでいると言う方は糖尿病を発症するリスクがとても高くなります。
また、高血糖を改善させるためにも質の良い眠りが必要です。
糖尿病は合併症の多い、治すことの難しい深刻な病ですが、良質な睡眠を心がけることで、予防していくことも徐々に改善していくことも可能です。
まずは、不眠症を克服し、良質な睡眠をとることから始めてみましょう。