
特に不眠症と言う訳ではなくても、運転中や仕事中など急激な眠気に襲われることがあります。
また、起きなくてはならない時間なのに、起きることができず眠気に勝てないなんてことも多いと思います。
そんな時、効率よく眠気を排除するのは、難しいですよね。
しかし、そんな眠気を吹き飛ばす方法が実はあるのです。
ここでは、眠気を解消できる、秘策を紹介していくことにしましょう。
この記事の目次
あなたの眠気はどのタイプ?
朝起きてすぐ、食事の後など人それぞれ眠気を感じることの多い時間帯は違います。
あなたは一番、どんな時に眠気を感じることが多いですか?
眠気を抑えるためには、この眠気を感じる時間帯が大きなカギとなります。
それぞれ眠気を感じる時間帯ごとに、その眠気をもたらす理由と対策について見ていきます。

1,朝、眠気に襲われる場合
体温が上手く上昇していないため
人は夜眠るとき体温を下げ、起きる時間が近づくにしたがって体温を上昇させていきますが、この体温調節が十分行われていない場合、朝になっても眠気を感じることになってしまいます。
体内時計の機能が正常でない場合や冷え性などが原因となって体温の上昇を妨げていることもありますので、気を付けましょう。
睡眠の質が悪い
睡眠の質が悪い場合も体や脳が上手く休息が取れていないため、朝から眠気を感じる要因となります。
深い眠りであるノンレム睡眠をしっかりとることができる睡眠を目指しましょう。
睡眠障害などの病気
朝から眠気を感じる場合には、よく眠れていないことが原因として考えられます。
不眠症など特に睡眠できていないと感じる場合はその睡眠障害を克服することが第一となります。
しかし、寝ているはずなのに眠いと感じる場合、睡眠障害の中でも睡眠時無呼吸症候群などがその理由として考えられます。
睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に呼吸が止まってしまったり、低呼吸状態になってしまっている睡眠障害であるため、睡眠の質も低下しています。
そのため、朝にも関わらず体の疲れも抜けず、眠気を感じてしまいます。
また、周期性四肢運動障害と言って夜中寝ている間に手足がピクピク動いてしまう病気ですが、そのことが原因で睡眠が阻害されてしまい、これも自覚症状がないため、寝ているはずなのに朝眠気を感じることがあります。
このような病気を疑ってみることも朝ひどい眠気を感じる場合には必要と言えるかもしれません。
起きる時間
人はレム睡眠とノンレム睡眠を3時間おきに交互に繰り返していますが、その中でも深い眠りであるノンレム睡眠中は、脳も体も眠りについています。
そのため、このサイクルで起床時間が来てしまうと、脳や体が思ったように活動できないことになります。
つまりまだ寝ているべきと体と脳が感じてしまい、眠気を覚えてしまうのです。
【朝の眠気対策】
このような理由で朝眠気を感じてしまうことが考えられますが、その対策にはどのような方法を試していくと良いのでしょうか?
睡眠の質を改善する
やはり根本原因である眠気につながる睡眠の質を改善していくと良いでしょう。
睡眠ホルモンの分泌を高めたり、眠るための寝具を見直したり、運動などを日常に取り入れることも大切です。
睡眠の質を上げる努力をしていくと良いでしょう。
また、不眠症、睡眠時無呼吸症候群などの治療もしっかり行っていくようにしましょう。
起きる時間の設定を工夫する
起床はレム睡眠で起きるのが理想です。
3時間、6時間、9時間の3時間サイクルを基本に睡眠時間を設定してみましょう。
ただし9時間でなくそれをずれても問題ありません。
朝に近づくにつれノンレム睡眠の深さは浅くなっていきますので、レム睡眠への移行も段階的に行われていきます。
まだよく睡眠のとれていない3時間の時には、ノンレム睡眠も深い眠りとなるため、このサイクルをしっかり守る必要がありますが、6時間以上寝ている場合には、6時間、9時間の30分前後を目安として起きる時間を設定してみても良いでしょう。
しっかり朝食をとる
起きて眠気を感じた場合には、しっかり朝食をとるようにすると良いでしょう。
食事をとることで体の体温が上昇し、副交感神経から交感神経へとその働きが切り替わります。
そうなることで目覚めを促してくれますので、非常に効果的です。
眠い時ほど朝食は食べたくないと思ってしまいがちですが、しっかり朝食をとるよう心がけましょう。
やはりカフェインが効果的
コーヒーに含まれているカフェインは覚醒作用があるため、眠気を感じた場合、その眠気を抑制してくれます。
交感神経に作用し、副交感神経の働きを弱めてくれるためです。
また、カフェインはアデノシンが及ぼす細胞への影響を遠ざけてくれます。
アデノシンは脳の働きを抑え眠気をもたらすものですが、コーヒーの中のカフェインがこの働きを抑えてくれるため、目をパッチと覚まさせてくれます。
眠気を感じたときにはぜひカフェインをとってみてください。
ただし覚醒のために必要となるカフェインは250㎎から300㎎です。
コーヒーの場合、1杯あたりのカフェイン量は100㎎と言われていますので、濃いめに入れたものを2杯ほど飲むと効果的です。
また、カフェイン量の多い緑茶を飲んでみるのも良いでしょう。
カフェインは、その効果が出るまでに約30分かかりますので、起きてすぐ、出かけるころには効果を発揮できるよう飲む時間にも注意してみてくださいね。

2,昼食(食事)後に眠気に襲われる場合
食後眠気に襲われる原因には次のような理由が考えられます。
食事をとることで、体温が上昇するため
食事をとるとそのカロリーを取り組むことで体温を上昇させます。
しかし、体温は消化が進むにつれて徐々に元の状態に戻ろうと働きます。
これが入眠時の体温の変化と似ていることから、眠気を覚えることになるのです。
消化吸収で副交感神経が優位に立つため
人の消化器官を司っているのは、自律神経の中でも副交感神経です。
この副交感神経が優位に立つと人は眠気を感じることになります。
胃に血液が集中し、脳が貧血状態となるため
胃に食べ物が入ってくるとその食べ物を消化吸収するために胃の活動が活発になります。
消化のために使われる各器官に血液が集中することになり、脳への血液量が減る原因となります。
特に食べ過ぎた場合には、この活動のために多くの血液が器官に流れることから脳が貧血状態になってしまうため、強い眠気に襲われます。
血糖の上昇と下降
食事をとると血糖値が上がりますが、同時にこの血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌されますので、低血糖を起こします。
低血糖になると脳や細胞にエネルギーが供給されにくくなるため、活動量が減ってしまいますので、眠気を感じることになります。
人は血糖が上がっても、下がっても眠気を感じてしまいますので、食後に特に眠気を感じることになります。
オリキシンの分泌が減るため
食事をとり、満腹中枢が刺激を受けると、覚醒ホルモンの一つである「オリキシン」の分泌を制御してしまいます。
そのため、覚醒状態ではなくなり、つまり眠気を感じるわけです。
【昼食後の眠気の対策】
食事後眠くならないためには、やはり食事内容に気を配る必要があるでしょう。
どんな食事をしたら、眠気を感じないで済むのでしょうか?
炭水化物・糖質の多い食事は控える
炭水化物や糖質の多い食事は、血糖値を上げやすく、インスリンの分泌を促すことになります。
その代表と言われるのがやはり主食と呼ばれるものです。
お米は毎食欠かすことのできないものですが、お米や麺類、パンは炭水化物でしかも糖質の多い食品です。
食事後眠気をすぐに感じてしまうと言う場合には、この主食と呼ばれるものの量を控えることが重要です。
また、根菜類も糖質を多く食材ですので、眠くなってまずいと言う場合には摂取を控えてみると良いでしょう。
もちろん、果物や甘いドリンクも控えるようにしてください。
食べすぎに注意
満腹中枢を刺激してしまうと「オリキシン」の分泌が低下してしまうため、できるだけ腹八分目の食事を心掛けてみると良いでしょう。
もう少し食べたいなと思える量に調節してみると良いでしょう。
また、満腹量食べないと言うことは、炭水化物や糖質を摂りすぎないことにもつながりますので、眠気を回避できる方法と言えるでしょう。
超短時間の仮眠
寝てはいけない、目を覚まさなくては…と思えば思うほど、眠気に襲われてしまうこともありますが、そんなときは長短時間睡眠(マイクロスリープ)を取り入れてみると良いでしょう。
マイクロスリープは不眠症などに陥った方がほんの一瞬(1秒から長くても30秒ほど)眠りに落ちてしまうことを言いますが、この睡眠をとることで不眠症などの睡眠不足、疲れなどから身を守ってくれていると考えられています。
そのため逆転の発想でこの仮眠を活用すれば、眠気が排除できます。
マイクロスリープほど短い睡眠をとることは難しいですが、5分から10分ほど仮眠をとるだけで、脳や体は休息を取ることができ、その後眠気を感じることはなくなります。
昼食などを早めに切り上げ、軽い仮眠をとるようにしてみましょう。
3,他の時間帯に感じる眠気には?
暖房が効きすぎている場所で仕事していたために眠気を感じてしまったり、他人の車に乗せてもらっている時に眠くなってしまうなど、色々な状況で眠気を感じてしまうこともあるでしょう。
そんな眠気を解消する方法も紹介していきます。
メンソール入りのガムやキャンディーを食べる
カフェインについても目覚まし効果があると前述しましたが、同じくメンソールにも興奮作用をもたらしてくれる作用があるため、眠気を感じたときに効果を発揮してくれます。
メンソールの成分が脳内のドーパミンを増幅させ、眠気を感じる原因となる副交感神経を抑制し、興奮作用をもたらしてくれるため、眠気がなくなります。
ガムやキャンディーなど眠気を感じたときには、メンソールを含んでいるものを口にしてみてくださいね。
参照:日本薬学会
ツボを刺激
眠気を遠ざけてくれるツボを刺激することで、目を覚ますこともできます。眠気覚ましのツボを見ていくことにしましょう。
●風池(ふうち)
首の後ろの髪の生え際にあるツボで、中心の骨よりやや外側にあります。
眠気だけでなく、血行をよくしてくれるツボでもあります。
手で頭を掴むように抑え、親指を使って気持ち良いと感じる程度に優しく1分ほど押してみると良いでしょう。
●百会(ひゃくえ)
頭のてっぺんにあり、両耳の延長線上にあるツボです。
両手で脳天を押さえ込むようにして圧を掛けるよう1分ぐらい押してみましょう。
●中衝(ちゅうしょう)
中指の生え際の中心から3㎜外側にあるツボで、親指の方向側にあるツボです。
親指と人差し指で挟み込むように押すのがポイントです。
眠気の他にストレス解消にも効くツボです。
●睛明(せいめい)
目頭と鼻の骨の間にあるツボで、目が疲れたときなどにも思わず触れてしまう場所です。
指のはらを使ってゆっくり押して刺激を与えてあげましょう。
●合谷(ごうこく)
親指と人差し指の骨が分かれたところからやや人差し指寄りにあるツボで、疲れを感じて押す方も多いメジャーなツボです。
指のはらで回しながら押してみると良いでしょう。
眠気を抑え、血行を良くしてくれます。
●労宮(ろうきゅう)
手を握った時にちょうど中指が当たる場所にあるツボです。
押すと適度な心地よさがあるので、すぐに見つけることができます。
親指の腹を使って、少し強めに刺激してみましょう。
眠気をとるだけでなく、血行も良くしてくれるので肩こりなどにも効果的です。
まとめ
眠気を生じる原因には様々なものが関係していますが、その原因に合った対処策を取ることで眠気は一時的にかもしれませんが、取り除くことができます。
ぜひ、あなたに合った方法を試して、眠気を解消してみてくださいね。
ただし、眠気の大本の原因はその睡眠の質にあると言うことも少なくありません。
ただ7時間、8時間寝ているからと言って、脳や体の疲れがきれいさっぱり取れていると言う訳ではないのです。
疲れがたまってくれば当然ですが日中眠気を感じてしまいます。
だからこそ睡眠の質を上げることが大切なのです。
睡眠は、あなたの健康を守る大切なものです。
良い睡眠を心掛け、眠気のない快適な一日を過ごせていけたらいいですね。
ぜひ眠気と言う表面上の悩みを取り除くだけなく、睡眠の質を上げていく方法も考えてみてください。